日本女子大学家政学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の難関私立女子大学のひとつである日本女子大学。

日本女子大学は、創設者・成瀬仁蔵が掲げた「自らの人格を高め、使命を見いだして前進する」という教育理念のもと、女性が社会で活躍できる思考力と実践力を育むため、時代とともに進化してきました。女子教育の先駆者として常に最前線に立ち、各界で活躍する女性を数多く輩出してきました。現在は、7つの学部を有する総合大学となっています。人間生活・人文・社会・自然系の4つの科学系統を幅広くカバーする科目が用意されており、興味・関心に応じて学部・学科を横断して履修することができます。また、少人数教育により密度の濃い授業が展開されています。

家政学部には、児童学科、食物学科、住居学科、被服学科、家政経済学科の5つの学科が設置されており、自分たちの日常生活を科学し、人類の豊かな幸福を創造する力を育みます。それぞれの学科で学ぶ事柄は、すべて私たちの身近な生活を素材にしたものであり、それを自然科学的、人文科学的、社会科学的に探究し、理論を実生活に応用することにより、自分自身の「生きる力」を大きく発展させ、社会をより豊かにする力を養うことができます。

この記事では、そんな日本女子大学家政学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆日本女子大学家政学部の総合型選抜入試の名称

日本女子大学家政学部の総合型選抜入試は、「総合型選抜」という名称で募集がなされています。

◆日本女子大学家政学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

募集要項にはこのように書いてあります。

(募集要項より抜粋)

日本女子大学は、多様で大きく変化し続ける社会の中で、様々な立場の人の幸福と平和を実現する明日を共創するために、一人ひとり が自らの役割を見出し、探究心と信念を持って生涯にわたって学び実践し続けることが大切であると考えている。本学は、そのような人間の成長を本学の教育の理念(三綱領)に基づき支援する教育・研究活動を行う。この教育方針のもと、基礎的な力および幅広い教養を 身につける全学共通の基盤的な教育プログラムと各専門分野における学位プログラムを通して、教育目標の達成を目指す。 日本女子大学は、各学科のアドミッション・ポリシーに示す基礎的な知識・表現力・思考力を身につけており、他者を尊重し、互いに コミュニケーションを取りながら主体的にものごとに取り組む意欲のある学生を求める。

■児童学科 

 児童学科は、「発達」「社会・臨床」「創造・文化」の3領域からなる児童学を学ぶ学科である。専門の学びを通じて、18歳未満の子ど もを生活者として多角的に理解し、国際社会の一員として子どもと共に文化を継承・創造することのできる人材を育成することを目指し ている。 

【求める学生像】

・児童学を学びたいという意欲のある人 

・「発達」「社会・臨床」「創造・文化」の3領域に幅広い興味を持つ人 

・子どもや子どもを取り巻く課題を多角的に理解し、解決しようとする人 

・子どもと共に文化を継承し、創造しようとする人 

【高等学校段階までに修得すべき学力】 

・論理的に物事を考える基礎的な知識と思考力 

・自分の考えをまとめ他者に正しく伝えることができる基礎的な表現力

・他者とコミュニケーションをとり、協働して課題解決する力 

【総合型選抜の基本方針】

 総合型選抜の第一次選考では、調査書を用いて高等学校等における取り組み状況を調査し、高校までに身につけるべき基礎 的な知識と技能、主体性および協働性を総合的に判定する。また、全学科共通課題および学科別課題の小論文を通して主体性、論理的思考力および表現力を判定する。特に、児童学科では、情報や条件から論理的に結論を導くことができる能力、得意なことやユニークなことを学修に生かせる応用力など、文系理系を問わずに幅広い能力を持つ学生を求めている。第二次選考の小論文では、子どもや子どもの環境から課題を見つけ、その課題の問題を解決したり、新たな発見をしたりする主体的探 求心をもつ意欲と、論理的な思考力、判断力、表現力を見る。さらに、口述試験ではコミュニケーション力や他者と議論する力などを審査する。以上の調査と試験を通して総合的に判定する。

■被服学科 

 被服学科は、生活環境が著しく変化する現代において、時代に即した被服のあり方とは何かを科学的・文化的視点から総合的に追究する学科である。より良い人間生活の向上に役立つ被服を創造することで、繊維・ファッション業界などの多彩な分野で活躍し、社会に貢 献できる人材の育成を目指している。

【求める学生像】

・被服に関連する事象を総合的に理解しようとする人 

・被服を多角的視点から深く学び、人間生活に役に立つ知識を獲得し、自ら考え、社 会へ提案する意欲のある人 

・何事にも一生懸命に取り組む姿勢があり、向上心を持つ人

・幅広い知識を身につけ、衣生活をより快適に豊かにしたいという意欲のある人

・自分の考えを文章や言葉で表現でき、コミュニケーションを図ることのできる人

・被服分野の専門家として社会貢献したい人

 【高等学校段階までに修得すべき学力】

・高等学校までに学んだ諸科目(英語、国語、数学、理科、地理歴史 等)の基礎学力 ・論理的に物事を考える基礎的な思考力と、自分の考えをまとめ他者に正しく伝える 基礎的な表現力

・他者とコミュニケーションを取り、協働して物事に取り組む力 

【総合型選抜の基本方針】 

 第一次選考とその合格者を対象に第二次選考を実施する。第一次選考では、調査書と全学科共通課題により高等学校等での 学修状況と高校までに身につけるべき基本的知識と技能の修得状況、論理的思考力と表現力を総合的に判定する。第二次選考では、筆記試験と口述試験を通して、被服に関連した基礎的な知識の修得状況と学修に対する意欲、自分の考えを表現する力、コミュニケーション力および協働性を総合的に判定する。

■家政経済学科 

 家政経済学科は、生活の様々な現状を経済学、家政学、経営学、政治学などの社会科学の手法を使って幅広く学ぶ学科である。専門の学びを通じて、複雑化する様々な社会的課題や経済的課題の解決方法を探り、学んだ知識を行動に生かし、持続可能な社会の構築に貢献できる人物を育成することを目指している。

 【求める学生像】 

・生活をめぐる様々な社会的課題や経済的課題に興味・関心を持つ人

・経済学、家政学、経営学、政治学などの社会科学の領域に関心を持ち、幅広く学び ながら自分の学びの中心となる学問領域を見つけていこうとする探求心のある人

・幅広い視野を持ち、主体的に学ぶ姿勢を持つ人 

・社会科学的な知識や考え方を身につけ、多様な立場の人々の幸せや持続可能な社会 の構築に貢献したいと望む人 

【高等学校段階までに修得すべき学力】

・国語や数学、地理歴史、公民に関する一定の基礎学力 

・英語を読み取り理解する基礎力 ・物事を論理的に把握し分析する基礎的な読解力お よび論理的思考力 

・自分の意見を適切な表現で他者に伝える基礎的な表現力

・他者の意見に耳を傾け、目的達成のために協働して物事に取り組む力

【総合型選抜の基本方針】

 総合型選抜の第一次選考では、調査書を用いて高等学校等における取り組み状況を調査し、高校までに身につけるべき基礎的な知識と技能、主体性および協働性を総合的に判定する。また、全学科共通課題および自己推薦書を通して主体性、論理的思考力および表現力を判定する。第二次選考では、適性検査(筆記試験)にて生活問題や経済問題に関する資料を理解し、それと関連づけながら自らの意見を発信する能力があるかどうかを見る。さらに、プレゼンテーション・ 質疑応答ではコミュニケーション力や他者と議論する力などを審査する。以上の調査と試験を通して総合的に判定する。

募集要項のURL:

https://www.jwu.ac.jp/unv/admission/exam/index2.html

◆出願条件・日程

日本女子大学家政学部の総合型選抜入試には、出願条件に制約があります。

・出願期間:  2025年9月8日(月)~9月12日(金)

・第1次選考(書類選考)合格発表日: 10月2日(木)

・第2次選考試験日: 10月26日(日)

・第2次選考合格発表日: 11月1日(土)

出願条件は以下のとおりです。

また、「自己アピール」、「志望理由書」、「学科別課題」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、募集要項で確認してください。

https://www.jwu.ac.jp/unv/admission/exam/index2.html

◆試験内容

①第1次選考:書類審査

②第2次選考:【児童学科・被服学科】小論文、口述試験

       【家政経済学科】適性検査、プレゼンテーション及び質疑応答 

①第1次選考:書類審査

第1次選考は、出願書類により行われます。

「自己アピール」は、今までに学校の内外で、主体性・多様性・協働性を意識して取り組んだことを取り上げ、その内容とそれをとおして学んだことについて具体的に記入します。字数は1,000字前後です。

「志望理由書」は、出願する学科を志望する理由について、1000字前後で具体的に記入します。

「学科別課題」は、児童学科と家政経済学科のみ提出が必要です。(被服学科は提出不要。)

2026年度入試の各学科の学科別課題は以下のとおりです。

【児童学科】

児童学科における学びの3領域(「発達」「創造・文化」「社会・臨床」)から一つの領域を選び、それに関する図書を1冊読んだ上で、以下の内容について作成します。(1)~(3)ごとに様式を分けず、続けて書いても構いません。 

(1)その図書を選んだ理由(400字程度) 

(2)その図書の内容の要約(800字程度) 

(3)図書の内容に対するあなたの考え(800字程度) 

なお、児童学の3領域については、児童学科のホームページに掲載されている専任教員の教育・研究活動 (https://www.jwu.ac.jp/unv/academics/human_sciences_and_design/teacher/index.html) 

あるいはシラバス検索による各教員の講義内容(https://www.jwu.ac.jp/unv/academics/syllabus.html) などを参考にしてください。

【家政経済学科】

以下の資料を作成します。1.は必須、2.は任意です。 

1.自己推薦書(自由表現) 

試験当日に行うプレゼンテーションのための資料として、自己推薦書(自由表現)を作成します。プレゼンテーションの流れが分かるように、次の三つの論点(A~C)の内容を自由に表現します。なお、三つの論点(A~C)の順番は、自由に入れ替えて構いません。 

A)本学科を志望する理由 

B)出願資格Aを満たす教育課程在学中に挙げた、以下①~③のいずれかの成果やその活動に関する自己アピール 

①SDGs、ジェンダー、まちづくり、地域活性、災害復興、貧困、教育、環境問題等をテーマとする学内外での学習活動や社会活動(ボランティア、起業など)において、個人もしくは団体で挙げた成果 

②文化・芸術(音楽、美術、演劇、芸能、文学、放送、ディベートなど)、情報(プログラミング、ウェブサイト・SNS運営など)、スポーツ等の分野において、個人もしくは団体で挙げた成果 

③一つもしくは複数の科目の学修で挙げた成果 

C)入学後に本学科で取り組んでみたいこと(学業のほかに、社会活動なども可) 

2.自己推薦書の付属資料 

これまでの活動内容を説明する資料や、自己推薦書の記載内容を証明する書類(各種試験合格証明書、賞状などを含む)を、5枚以内で貼付します。(各書類や資料は、縮小コピーでの提出可)。工作物や立方体、実技などにより書面での証明や説明が困難な場合は、その様子を収録した動画資料(3分以内)を作成し、Windows Media Playerで再生可能な動画ファイル(*.mpg,*.avi,*.wmd,*.wmv,*.mp4)を、CD-R、DVD-R、USBメモリのいずれかに入れて提出します。

②第2次選考:【児童学科・被服学科】小論文、口述試験

       【家政経済学科】適性検査、プレゼンテーション及び質疑応答 

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では、児童学科・被服学科は小論文と口述試験、家政経済学科は適性検査とプレゼンテーション及び質疑応答が課されます。

過去問や例題については、大学HPで閲覧用のパスワードを請求すると確認することができます。(https://www.jwu.ac.jp/unv/request/unv.html

◆募集人員・倍率情報

募集人員は 

児童学科20名、被服学科25名、家政経済学科5名 です。

倍率は

2025年度入試2024年度入試2023年度入試
児童学科1.52.31.6
被服学科1.61.41.8
家政経済学科1.81.81.6

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、日本女子大学家政学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

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