早稲田大学人間科学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の私立最難関大学のひとつ、早稲田大学。

1882年に大隈重信によって創設された「東京専門学校」を前身としています。早稲田大学には多様な領域をカバーする13の学部があり、「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」を建学の理念として、様々な教育・研究活動を行なっています。就職に強い大学としても有名で、様々な業界で毎年高い就職実績を残しています。学部・学年問わず全ての学生が受講できる多彩な教育プログラムが展開されており、なかでも基盤教育では、「アカデミックライティング」「英語」「データ科学」「数学」「情報」の5つの分野を学ぶことができます。文理連携の学びと各学部で修得する専門知識や論理性を組み合わせ、たくましい知性を鍛えることができます。

人間科学部は、人間環境科学科、健康福祉科学科、人間情報科学科の3つの学科で構成されています。所属学科の科目だけでなく、他学科の専門科目や演習等も履修することができます。多彩な学問領域に触れることにより、幅広い知識を持ちながら、専門性を深く極めていくことができます。様々な研究領域を俯瞰し、それらを融合することで、未来に開かれた人間科学の創造をめざしています。

この記事では、そんな早稲田大学人間科学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆総合型選抜入試の名称

早稲田大学人間科学部の総合型選抜入試は「地域探求・貢献入試」「FACT選抜入試」という名称で募集がなされています。

◆早稲田大学人間科学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

早稲田大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

【使命と教育理念】

人間科学部は、現代の人間が直面する複雑かつ多様な問題に対し、諸学問の融合をもって解決に取り組む「人間科学」の高い理想を掲げて教育・研究を行っている。真摯に人間性を追求しながら、よりよい社会を実現していこうとする強い意識を持ち、高度職業人・研究者としての基礎を身につけた人材を社会に送り出すことを使命としている。

人間科学部のカリキュラムは、学生による主体的な探求と、理論に裏付けられた実践的な活動を重視している。調査・実験・フィールドワークなどへの参加を通じて問題発見・分析・解決力を育成するよう、体系的かつ段階的に構成されている。授業やゼミにおいては、自身の興味関心や獲得したい専門性に応じて、時に高等学校および中等教育学校における文理の枠組みを超えながら、学際的な探究を行う。

【期待する学生像】

このような学部教育に対応できるよう、人間科学部が入学者に特に期待する資質・能力は次の通りである。

A リテラシー:言語・数量・自然科学および社会科学に関する知識を用いて問題解決ができる。

B 方法論・専門性:論理的思考力に基づき、事象を客観的・批判的に捉えることができる。

C 学際性・多様性:多様な学問分野や、自然・人間・社会の複雑なありようを、複数の視点から捉えることができる。

D デザイン力:問題解決の手段を考案し、他者が理解できるように表現することができる。

E 協働性:自他の個性を認め、多様な他者と協働しながら学ぶことができる。

F 反省性・倫理観・自己教育:知的好奇心と進取の精神を持って、新しい分野にチャレンジできる。

【入学者選抜の方法】

以上の方針に基づき、多様な学生を確保するために、一般選抜(国英型/数英型)、大学入学共通テスト利用入学試験(共通テストのみ方式)、一般選抜(数学選抜方式)、総合型選抜(FACT選抜)、指定校推薦入学試験の5つを核とする入学試験を実施する。

総合型選抜(FACT選抜)

高等学校および中等教育学校における全教科の評定平均値をバランスよく評価するとともに、科学への関心と思考力、論理性、論述力、表現力を重視する観点から、理科・国語の2教科の評定平均値を特に重視する。高等学校および中等教育学校での活動状況、人間科学部への志望動機と学習への意欲、大学での学習目標と自身の将来像の具体性、およびそれらが志望する学科と適合しているかについて、提出書類および面接等で評価する。大学入学後に世界の学問的知見に触れ、また異なる文化、異なる価値観と接するために、高校生としての基礎的な外国語能力を、第三者機関が実施する語学能力試験等により評価する。論述課題では、データを客観的・批判的に読み取り要約する分析力、得られた洞察の合理性を自ら確認し、また展開する論理性や省察性、示すべき事柄を必要に応じて図や表を併用しながら他者にわかりやすく伝える表現力を評価する。分析力・思考力・判断力・論理性・省察性・表現力については、面接における対面でのやりとりを通じて総合的に評価する。

公式HPのURL:

◆出願条件・日程

早稲田大学人間科学部の総合型選抜入試には「地域探求・貢献入試」と「FACT選抜入試」があります。

「地域探求・貢献入試」は、地域が抱える課題の解決や地域の発展に向けて、グローバルな視野を持ちつつ、自ら主体的に学び(「地域探究」)、社会的・文化的・学術的に貢献(「地域貢献」)する意欲のある人材を育成・輩出することを目的とした入試です。

「FACT選抜入試」は、幅広い基礎学力と、理科・国語の2教科についての特に優れた基礎学力を持ち、加えて、データを客観的に読み解き要約する力、そこから得られた洞察を科学的知見と結び付けて分析する力、それらを批判的かつ論理的にまとめ、わかりやすく提示する力を高い次元で併せ持つ学生を求める入試制度です。

それぞれの入試の出願条件は以下のとおりです。

<1>地域探求・貢献入試

・出願期間:        2024年9月1日(日)~9月12日(木)

・1次選考(書類審査)合格発表日:   10月11日(金)

・2次選考(総合試験)試験日:     10月27日(日)

・2次選考(総合試験)合格発表日:   11月15日(金)

・共通テスト試験日:    2025年1月18日(土)、19日(日)

・最終合格発表日:          2月15日(土)

出願条件は以下のとおりです。

なお、地域探求・貢献入試では、最終選考において2025年度共通テスト成績を利用します。2次選考合格者は共通テストの受験が必須となります。共通テストに必ず出願してください。

また、「課題レポート」などの書類も作成して提出する必要があります。詳細は入試要項で確認してください。

入試要項のURL:https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/wacel/

<2>FACT選抜入試

・出願期間:             2024年9月1日(日)~9月9日(月)

・1次選考(書類審査)合格発表日:      9月27日(金)

・2次選考試験日:               10月12日(土)

・最終合格発表日:                11月1日(金)

出願条件は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「事前課題」なども作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項を確認してください。

https://www.waseda.jp/fhum/hum/applicants/admission/

◆試験内容

<1>地域探求・貢献入試

①1次選考:書類審査

②2次選考:総合試験(筆記)

③最終選考:共通テスト3教科3科目(数学を選択した場合は、3教科4科目)

①1次選考:書類審査

1次選考は、出願書類が総合的に審査されます。

出願書類のなかでも「課題レポート」は自身をアピールする重要な書類といえますので、入念に準備しましょう。

「課題レポート」は、「地域探求・貢献入試」の目的を踏まえたうえで、以下の5点について所定用紙(4枚以内)に項目別に記入します。

②2次選考:総合試験(筆記)

1次選考合格者に対して、2次選考では総合試験(筆記)が行われます。試験時間は120分で、論理的思考力を問う総合試験となります。

試験は2問構成となっており、グラフや表を読み取ったうえで自身の意見を記述させる問題と、受験生自身に関する内容について記述させる問題が出題されます。グラフや表を読み取る力、自身の意見を論理的に記述する力が求められます。1問目、2問目共に記述量が多いため、時間内に書き終えることができるように練習しましょう。

大学ホームページに過去3年分の問題が掲載されていますので、確認して対策しましょう。

https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/past-test/#anc_24

③最終選考:共通テスト3教科3科目(数学を選択した場合は、3教科4科目)

2次選考合格者のうち、共通テスト(配点300点)の得点が240点以上で最終合格となります。人間科学部が指定する教科と科目は以下のとおりです。

なお、英語はリーディング100点、リスニング100点の合計200点を100点に換算します。

国語は配点200点を100点に換算します。

理科の科目である『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』はこれら4つの出題範囲のうち2つを選択解答することになりますが、当該科目は1科目として数えます。

入試要項のURL:

<2>FACT選抜入試

①1次選考:書類審査

②2次選考:論述試験、面接試験

①1次選考:書類審査

1次選考は、出願書類が総合的に審査されます。

出願書類のなかでも「志望理由書」と「事前課題」は自身をアピールする重要な書類といえますので、入念に準備しましょう。

◆「志望理由書」には、(1)入学後のライフデザインと(2)志望理由を記入します。

(1)入学後のライフデザイン

所定の用紙に、人間科学部に入学した後の、正課授業履修や課外活動(サークル活動等含む)の計画・ビジョンについて、文章や図表を複合的に用いながら、第三者に伝わるように説明します。枠内への記載を厳守すれば、手書き、パソコン等で作成したものを切り貼りするなど、いずれの方法でも可です。試験官の目を引く独創的なものが作成できるよう、頑張りましょう。

(2)志望理由

志望理由について、横書きで1200字以上1500字以内にまとめます。日本語で自筆で記入します。内容には、「選択した学科を志望する具体的な理由」「人間科学部で研究したいこと」「将来の抱負」の3点を必ず入れる必要があります。論理的でわかりやすい文章を作成するようにしましょう。

◆「事前課題」

2025年度入試の「事前課題」は、相対湿度に反応する身近な素材を利用して、相対湿度を測る道具を作成し、その道具を用いた観測を行ない、また、その道具の取扱説明書を作成する、という内容です。FACT選抜入試では、文系・理系の区別を問わず、科学に対する親和性と探求する姿勢を有する入学者が求められています。特に「事前課題」においては、「実験や観察による検証」のために必要な、「生じている事象を、主観や先入観、思い込みにとらわれずに鋭敏に近くする力、それを客観的にデータに落とし込む力」について、重点的に評価されます。観察の過程をいかに丁寧に扱うかが、課題レポートの成否を分ける重要なカギとなります。

2025年度の「事前課題」の詳細と過去の「事前課題」が、大学ホームページに掲載されています。確認して対策するようにしましょう。

https://www.waseda.jp/fhum/hum/applicants/admission/

②2次選考:論述試験、面接試験

1次選考の合格者に対して、2次選考が行われます。2次選考では、数量的データの分析、論考、表現を含む論述試験(120分)と面接試験(20分程度)が行われます。

論述試験では、グラフや表などの資料を読み取る問題、英文の読解問題などが出題されます。大学ホームページに過去問が掲載されていますので、確認して対策しましょう。(https://www.waseda.jp/fhum/hum/applicants/admission/

面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。

アドミッションポリシーをしっかりと確認し、FACT選抜入試が求めている学生であることをアピールできるようにしましょう。入試要項を熟読し、FACT選抜入試の主旨を理解したうえで面接に臨みましょう。

https://www.waseda.jp/fhum/hum/applicants/admission/

「志望理由書」や「事前課題」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。

◆募集人員・倍率情報

<1>地域探求・貢献入試

募集人員は

人間環境科学科、健康福祉科学科、人間情報科学科  若干名 です。

倍率は

        2024年度入試2023年度入試2022年度入試
人間科学部621

<2>FACT選抜入試

募集人員は

人間環境科学科、健康福祉科学科、人間情報科学科  若干名 です。

倍率は

        2024年度入試2023年度入試2022年度入試
人間科学部1.21.41.4

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、早稲田大学人間科学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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