東京女子大学現代教養学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介
2025/07/08
関東の難関私立女子大学のひとつである東京女子大学。
東京女子大学は、1918年に開学しました。初代学長には新渡戸稲造が就任し、当時の日本の教育制度では閉ざされていた、女性への大学の門戸を開放し、キリスト教の精神に立脚した最高のリベラルアーツ教育を行なうことを目指しました。創立以来、単に知識を求めるだけでなく、人間としての英知を養う教育を理念としています。「豊かな教養に基づく幅広い視野と高い専門性を身につけ、自立した女性を育てたい」という情熱は現在においても変わることなく、女性の生涯を支援していくための大学へと発展し、卒業生たちは日本中で、そして世界で活躍しています。
東京女子大学に設置されている学部は、現代教養学部1学部のみです。文理合わせて広い学問分野をカバーする学科・専攻が1つのキャンパスに集まり、所属する学科・専攻を超えて、他学科・専攻の領域についても学ぶことができる理想的な学習環境が整っています。学科・専攻の学びと、他学科・他専攻の学問領域、全学共通カリキュラムの学びで深い洞察力と的確な判断力を身につけることができます。
この記事では、そんな東京女子大学現代教養学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!
◆東京女子大学現代教養学部の総合型選抜入試の名称
東京女子大学現代教養学部の総合型選抜入試は、「知のかけはし入学試験」という名称で募集がなされています。
◆東京女子大学現代教養学部のアドミッションポリシー
各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。
東京女子大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。
(公式HPより抜粋)
東京女子大学では、その教育理念、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)のもと、自ら考え行動しようとする学習意欲の高い女性を求めます。
多様な経歴・目的意識をもった女性に広く門戸を開いています。
人文学科
本学科は、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に定める教育を受けるために高等学校の教育課程の内容を幅広く修得し、次に掲げる知識・技能、能力、目的意識・意欲を備えた女性を求める。
1.人間文化を解明するために必要な日本語(古典も含む)及び英語の読解力と、それに基づいた確かな表現力、及び、外国語(英語)の基礎的な運用能力を身につけている。
2.人間文化を巡って、その歴史や現代社会の状況についての基礎的な知識や論理的で科学的な思考力を身につけている。
3.知識や情報をもとにして、筋道を立てて人間文化を捉え、その結果を説明することができる。
4.人間文化の更なる解明のための基盤としての人文学(哲学・文学・史学・言語学)に興味を持ち、人文学に関する知識と能力を活かして、社会に貢献したいという意欲がある。
国際社会学科
本学科は、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に定める教育を受けるために高等学校の教育課程の内容を幅広く修得し、次に掲げる知識・技能、能力、目的意識・意欲を備えた女性を求める。
1.日本語の的確な理解力や表現力、外国語(特に英語)の基礎的な運用能力を身につけている。
2.現代社会や歴史についての基礎的な知識や論理的な思考力を身につけている。
3.知識や情報をもとにして、筋道を立てて考え、その結果を説明することができる。
4.グローバルな視野をもって国際社会に関する幅広い問題に興味を持ち、国際関係学、地域研究、文化人類学に関する知識と能力を活かして、社会に貢献したいという意欲がある。
経済経営学科
本学科は、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に定める教育を受けるために高等学校の教育課程の内容を幅広く修得し、次に掲げる知識・技能、能力、目的意識・意欲を備えた女性を求める。
1.日本語での的確な理解力や表現力、外国語(英語)の基礎的な運用能力を身につけている。
2.現代社会についての基礎的な知識や数学的な思考力を身につけている。
3.知識や情報をもとにして、筋道を立てて考え、その結果を説明することができる。
4.地域社会から国際社会に至る幅広い問題に興味を持ち、社会科学に関する知識と能力を活かして、社会の発展に貢献したいという意欲がある。
心理学科
本学科は、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に定める教育を受けるために高等学校の教育課程の内容を幅広く修得し、次に掲げる知識・技能、能力、目的意識・意欲を備えた女性を求める。
1.日本語の的確な理解力や表現力、外国語(英語)の基礎的な運用能力を身につけている。
2.現代社会や歴史についての基礎的な知識や数学的な思考力を身につけている。
3.知識や情報をもとにして、筋道を立てて考え、その結果を説明することができる。
4.人間の心と行動について興味を持ち、心理学に関する知識と能力を活かして、社会に貢献したいという意欲がある。
5.人間の心と行動について、主体性を持ち多様な人々と協働して学ぶ意欲がある。
社会コミュニケーション学科
本学科は、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に定める教育を受けるために高等学校の教育課程の内容を幅広く修得し、次に掲げる知識・技能、能力、目的意識・意欲を備えた女性を求める。
1.日本語の的確な理解力や表現力、外国語(英語)の基礎的な運用能力を身につけている。
2.現代社会や歴史についての基礎的な知識や数学的な思考力を身につけている。
3.知識や情報をもとにして、筋道を立てて考え、その結果を説明することができる。
4.人間行動、メディア・コミュニケーション、現代社会をめぐる幅広い問題に興味を持ち、社会学、コミュニケーション学、行動科学に関する横断的な知識と能力を活かして、社会に貢献したいという意欲がある。
情報数理科学科
本学科は、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)及びカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に定める教育を受けるために高等学校の教育課程の内容を幅広く修得し、次に掲げる知識・技能、能力、目的意識・意欲を備えた女性を求める。
1.情報科学、AI・データサイエンス、数理科学を学ぶ上で必要となる基礎的な知識と思考力を身につけている。
2.日本語および外国語(英語)の文章を正しく理解し、論理的に説明することができる。
3.情報科学、AI・データサイエンス、数理科学に興味を持ち、それぞれの分野での学びで得た知識と柔軟な論理的思考力および技術を活かして、社会に貢献したいという意欲がある。
公式HPのURL:
https://www.twcu.ac.jp/main/academics/sas/edu-policy.html
◆出願条件・日程
東京女子大学現代教養学部の総合型選抜入試には、出願条件に制約があります。
※出願条件と日程は全学科共通です。
・出願期間: 2025年9月1日(月)~9月5(金)
・第1次選考(書類選考)合格発表日: 9月29日(月)
・第2次選考試験日: 10月19日(日)
・第2次選考合格発表日: 11月3日(月)
出願条件は以下のとおりです。
また、「志望理由書」や「活動報告書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://www.twcu.ac.jp/main/admissions/dept-info/bridge.html)
◆試験内容
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:講義、講義の要旨・小論文、グループディスカッション、面接
①第1次選考:書類選考
第1次選考は、出願書類により行われます。
「志望理由書」には、東京女子大学を「知のかけはし入学試験」で受験しようとした理由について1200字以内で記入します。なお、記入の際には、「今まで経験してきたことを踏まえたうえで、志望する学科(人文学科の場合は、志望する専攻)で何を学びたいか」「大学での学びを将来どのように生かしていきたいか」について、含める必要があります。
「活動報告書」には、高等学校入学以降の活動(課外活動も含む)について記入します。また、活動報告書内で取り上げた活動内容の中から1つ取り上げて、その活動を通して何を考え、何に挑戦し、何を得たのか、1000字以内で記入します。
②第2次選考:講義、講義の要旨・小論文、グループディスカッション、面接
第1次選考の合格者に対し、第2次選考では講義、講義の要旨・小論文、グループディスカッション、面接が課されます。
【講義の要旨】
試験当日は、30分程度の講義を受講し、講義の要旨をまとめます。試験時間は小論文と合わせて80分です。志望する学科を問わず、全員が同じ講義を受講します。
講義の要旨の評価のポイントは、
・講義の要点を理解できているかどうか
・講義内容を系統立てて整理できているかどうか
・自分の言葉で文章化できているかどうか
などです。
【小論文】
小論文は、講義と関連した内容で、与えられたテーマについて作成します。
小論文の評価のポイントは、
・小論文として、十分に論理的な構成になっているかどうか。
・講義内容からさらに発展させた考えを示すことができるかどうか。
・講義で示された論点を踏まえて、適切な主張を行うことができるかどうか。
などです。
【グループディスカッション】
講義と関連した内容を議題とし、数人のグループで行います。
グループディスカッションの評価のポイントは
・グループにおいて自分の意見をどれだけ説得力をもってアピールできるか。
・他人の意見や批評を適切に受け止めてグループ全体の議論の向上にどれだけ貢献できるか。
などです。
【面接】
個人面接(1人15分程度、情報数理科学科は最大30分)とし、学科毎に行われます。
情報数理科学科の面接では、数学に関する基礎的な理解度も問われます。
面接の評価のポイントは
・これまでの学習内容の理解度
・学習意欲や物事への関心の広さ・深さ
・その他、大学での勉学や研究活動への適性
などです。
過去の講義動画や出題内容が大学HPに掲載されていますので、確認して対策しましょう。
(https://www.twcu.ac.jp/main/admissions/dept-info/bridge.html#section-2)
◆募集人員・倍率情報
募集人員は
人文学科 17名、国際社会学科 9名、経済経営学科 12名、心理学科 6名、
社会コミュニケーション学科 11名、情報数理科学科 5名 です。
※倍率は学科の編成が変わっているようなので、参考までにご覧ください。
※倍率データはhttps://www.twcu.ac.jp/main/admissions/dept-info/past-data.htmlから転記しています。
2025年度入試 | 2024年度入試 | 2023年度入試 | |
人文学科 | 1.4 | 1.3 | 2.3 |
国際社会学科 | 1.4 | 1.4 | 3.9 |
経済経営学科 | 1.6 | – | – |
心理学科 | 3.8 | 2.4 | 3.4 |
社会コミュニケーション学科 | 2.1 | – | – |
情報数理科学科 | 1.0 | 1.0 | 2.0 |
出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。
以上、東京女子大学現代教養学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。
オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。
自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。
話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。
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