上智大学理工学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の私立難関大学のひとつ、上智大学。

上智大学は1913年、当時のローマ教皇ピウス十世の命を受けた3人のイエズス会神父によって創立されました。開学以来、国や言語、学問の境界線を越え、キリスト教ヒューマニズムに基づく教育を展開してきました。キリスト教ヒューマニズムとは、「自分の才能や学びの成果を他者のために役立てることが、人間としての成長につながる」という考え方です。不確実で変化の激しい世界で、自分が生きる現実を直視しながら、よりよい世界を目指し、他者に寄り添い協働できる人―持続可能な未来のために、For Others, With Othersを実践できる人を育てることを目指しています。

上智大学の各学部学科には、個々の分野の専門性をじっくりと養うことができる体制が整備されています。四谷キャンパスに人文科学系・理工学系の9学部29学科すべてが集結する「小さな総合大学」だから実現できる、他学部他学科との連携による学際的、横断的なアプローチで、自身の専門分野をさまざまな角度から深めていくことができます。

理工学部は、物質生命理工学科、機能創造理工学科、情報理工学科の3つの学科で構成されています。機械工学、電気・電子工学、数学、物理学、化学、生命化学、情報学などの伝統的な知識体系を活かしつつ、関連する学問領域を融合的に学ぶ3学科を設置することにより、幅広い見識を備えた人材を育成します。また、国際競争力のある科学者を養成するため、英語教育にも力を入れています。

この記事では、そんな上智大学理工学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆上智大学理工学部の総合型選抜入試の名称

上智大学理工学部の総合型選抜入試は、「推薦入学試験(公募制)」という名称で募集がなされています。

◆上智大学理工学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

上智大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

本学部は、国際的に多様化する現代社会が抱える科学・技術に興味や関心を持つ学生を求めています。

1.科学・技術に関する専門科目を学ぶにあたり、数学、理科、英語についての知識・教養を身に付けている者。

2.科学・技術に関する諸問題について、論理的な思考力、幅広い視野およびコミュニケーション能力を持つ者。

3.科学・技術に関して、探究心が旺盛で自然現象の解明や新たな技術革新に意欲を持つ者

物質生命理工学科

本学科は、自然科学における諸現象の解明や新たな物質の創成と技術開発への貢献を可能にする学生を求めています。科学・技術と地球環境の融和に関心を持ち、自然と調和した物質観・生命観を構築することに意欲を持つ学生を求めています。

1.高等学校の数学、理科、英語の授業内容を十分に理解している者。

2.論理的な思考力や幅広い視野、コミュニケーション能力を持つ者。

3.自然科学に強い興味をもち、諸現象の解明、新たな物質の創成や技術開発への貢献に意欲を持つ者。

機能創造理工学科

本学科は、幅広い教養とゆるぎない専門知識を背景に、柔軟な発想でそれらを融合し、科学・技術上の諸問題の解決への貢献を可能にする学生を受け入れます。

1.高等学校の数学、理科、英語の授業内容を十分に理解している者。

2.論理的な思考力や幅広い視野、コミュニケーション能力を持つ者。

3.本学科が担う物理学、機械工学、電気・電子工学を自ら幅広くかつ深く学ぼうとする積極性と、修得した学問・技術によって卒業後に社会へ貢献しようとする強い意志を持つ者。

情報理工学科

本学科では、幅広い教養とさまざまな分野で活用されている情報に関する専門知識を修得し、それらを融合・応用・発展させることのできる人材を求めています。科学技術とそれを支える基礎学問、人間・社会に関する「複合知」の構築を背景に独創性を持って、未来の社会を構築することに意欲をもつ人材を求めています。

1.情報科学・通信工学・数学・生物学を学修する前提となる確かな基礎学力を持つ者。

2.学問に関する問題発見および課題解決に必要な論理的な思考力や幅広い視野、コミュニケーション能力を持つ者。

3.人間・通信・社会・数理の情報分野を複合的に学習し、現象を理解する原理の解明、新たなシステムの構築や技術開発への貢献に意欲を持つ者。

公式HPのURL:

◆出願条件・日程

上智大学理工学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

・出願期間:  2024年11月1日(金) 10:00 ~ 11月7日(木) 23:59

・試験日:      11月30日(土)

・合格発表日:    12月12日(木)午前10時

出願資格は以下のとおりです。

また、「自己推薦書」や「レポート等特定課題」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は入試要項を確認してください。

◆試験内容

出願書類による書類審査と、「学科試問」、「面接」によって総合的に判断され、合否が決定します。

①書類審査

②学科試問

③面接

①書類審査

出願書類の中でも、「自己推薦書」と「レポート等特定課題」は、自身をアピールする書類として重要ですので入念に準備しましょう。

「自己推薦書」には、「志望動機」、「学力」、「学業成績以外の卓越した能力」、「課外活動・社会活動の実績」、「特技」等を記述します。A4サイズ1枚以内、写真や図などは使用せず、文章のみで作成します。

2025年度入試の各学科の「レポート等特定課題」は以下のとおりです。

【物質生命理工学科】

これまで自身が興味を持った自然現象・物質や材料・生命現象の中から関心のあるテーマについて、化学・生物学・物理学などの視点から、(1)興味を持った理由、(2)自身が将来貢献したいことについて解説します。字数はA4用紙1400~1600字程度・横書きで、PC入力・手書き両方可です。

【機能創造理工学科】

これまで自身が興味を持った自然現象、先端技術、環境問題などについて、機械工学、電気・電子工学、現代物理学の中の複数の視点から、興味を持った理由と自身が貢献したいことを解説します。字数はA4用紙 900~1000字程度・横書きで、PC入力・手書き両方可です。

【情報理工学科】

次の1と2の両方について、レポートをまとめます。

1.新聞、テレビ、インターネット等のニュース記事や番組で取り上げられた自然科学または科学技術に関する報道の中で興味を引かれたものを1つ選び、次の2点について記しなさい。 

●報道内容の概略 

●その報道に興味を引かれた理由 

2.上智大学理工学部情報理工学科への入学を希望するにあたり、次の2点について記しなさい。 

●入学後に学びたいと考えていること 

●学びたいと考えた理由や動機

字数は、A4用紙 1と2それぞれについて1000字程度(合わせて2000字程度)・横書きで、PC入力・手書き両方可です。

②学科試問

学科試問の内容は学科によって異なります。それぞれの学科の学科試問の内容は以下のとおりです。

【物質生命理工学科】

自然科学を対象とした小論文試験が行われます。試験時間は120分です。物理学、化学および生物学の分野から2つを選択し、与えられた課題について論述形式で解答します。理解力、思考力、論述力が評価されます。

【機能創造理工学科】

数学、物理の基礎に関する理解力、思考力および論述力を問う試問が行われます。試験時間は120分です。

【情報理工学科】

数学、物理の基礎に関する理解力、思考力および論述力を問う試問が行われます。試験時間は120分です。

③面接

面接では志望理由や自己アピールなど、出願書類の内容について質問されることが想定されます。自身の言葉でわかりやすく説明できるよう、練習しましょう。

また、入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかについても問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求めている学生であることをアピールできるようにしましょう。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は 

物質生命理工学科8名、機能創造理工学科10名、情報理工学科10名 です。

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
物質生命理工学科31.71.8
機能創造理工学科1.41.82.8
情報理工学科3.22.63.8

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、上智大学理工学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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