立命館大学理工学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関西の私立難関大学群、関関同立のひとつ、立命館大学。

立命館の歴史は、1869年に西園寺公望が私塾「立命館」を創始したことに始まります。その後、1900年、西園寺の秘書であった中川小十郎が、その意志を引き継ぎ立命館大学の前身となる「私立京都法政学校」を創立。1913年には、「私立立命館大学」と改称しました。

立命館大学は、社会科学・人文科学、自然科学分野を学べる16の学部、21の研究科を有する総合大学です。「自由と清新」の建学の精神と「平和と民主主義」の教学理念に基づき、様々な教育活動が展開されています。立命館大学の最大の魅力は「多様性」で、日本全国・世界各国・地域から多様なバックラウンドを持つ学生が集まり、刺激しあいながら日々選択と挑戦を続けています。多様な価値観や感性を受け入れることで、学生一人ひとりが学びの幅を広げ、個々の成長を実現しています。

理工学部は、「数学物理系」、「電子システム系」、「機械システム系」、「都市システム系」の4分野、8学科により構成されています。これらの学科では学問領域の枠を超えて連携し、世界の大学と一体となって新たな時代を切り開くためのイノベーション創出に取り組んでいます。めまぐるしいスピードで科学技術が変化・進展を続ける今、大切なのは、未知の理論や新技術を探求し応用する力であり、それらを自分のものとして修得するために必要な理工系共通の基礎的な学力と、論理的思考力・分析力を身につけていることです。理工学部では、理学と工学の融合による独自の教育研究を通じて確固たる基礎学力や基礎能力を高め、国際化・情報化に対応した能力を持った人材を育成することを目指しています。

この記事では、そんな立命館大学理工学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆立命館大学理工学部の総合型選抜入試の名称

立命館大学理工学部の総合型選抜入試は、「AO選抜入学試験 理工学部「理工セミナー方式」」、「文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験」、「スポーツ能力に優れた者の特別選抜入学試験」という名称で募集がなされています。

◆立命館大学理工学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

立命館大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

理工学部は、数学と理科の確かな学力と論理的思考力を兼ね備えた、以下のような意欲的な学生を求めています。

1.旺盛な好奇心と鋭い問題意識を持ち、物事の本質をよく理解し、課題を見つけようと努力する者。

2.科学技術や社会の動向に関心を持ち、幅広い視野から創造的に物事をとらえようとする者。

3.他人の立場が理解でき、寛容な精神を持ち自己を律することができる者。

4.確かな自分の意見を持ち、新しいことに挑戦する気構えがある者。

公式HPのURL:

https://www.ritsumei.ac.jp/se2017/policy

◆出願条件・日程

立命館大学理工学部の総合型選抜入試は、「AO選抜入学試験 理工学部「理工セミナー方式」」、「文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験」、「スポーツ能力に優れた者の特別選抜入学試験」の3つの試験があります。

それぞれの試験の出願条件は以下のとおりです。

<1>AO選抜入学試験 理工学部「理工セミナー方式」

・出願期間:   2024年10月15日(火)10:00 ~ 10月21日(月)23:00

・試験日:       11月24日(日)

・合格発表日:     12月4日(水)9:30

出願資格は以下のとおりです。

また、「志望理由書」などの書類も提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://ritsnet.ritsumei.jp/application/ao/dl.html

<2>文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験

・出願期間:             2024年9月2日(月)~ 9月9日(月)

・第1次選考(書類選考)結果発表日:    10月21日(月)

・第2次選考試験日:             11月2日(土)

・合格発表日:                11月20日(水)

出願資格は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「活動成果等報告書」、「活動実績証明書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は入試要項を確認してください。

https://ritsnet.ritsumei.jp/application/culture/dl.html

<3>スポーツ能力に優れた者の特別選抜入学試験

・出願期間:             2024年9月2日(月)~ 9月9日(月)

・第1次選考(書類選考)結果発表日:    10月21日(月)

・第2次選考試験日:            11月2日(土)

・合格発表日:               11月20日(水)

出願資格は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「競技成績証明書」、「運動能力測定証明書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は入試要項を確認してください。

https://ritsnet.ritsumei.jp/application/sports/dl.html

◆試験内容

<1>AO選抜入学試験 理工学部「理工セミナー方式」

この試験では、「数学」および「物理」に関するセミナー(数理科学科、物理科学科は「数学」に関するセミナーのみ)を受講し、その理解度を問う筆記試験と、出願書類(志望理由書)による書類選考、面接(口頭試問)<ただし、面接(口頭試問)は数理科学科、物理科学科のみ>が総合的に評価され、合否が決定します。

①書類選考

②セミナー受講、筆記試験

③面接、口頭試問(数理科学科、物理科学科のみ)

①書類選考

「志望理由書」は、合否の評価の対象となりますので、入念に準備しましょう。「志望理由書」には、出願する学科への志望理由を800字程度で入力します。出願する学科への志望理由、入学後にどのようなことを学びたいか、大学での学びを将来どのように活かしたいか、自分の言葉でわかりやすく記述するようにしましょう。

②セミナー受講、筆記試験

試験当日には、最初に「数学」および「物理」に関するセミナー(数理科学科、物理科学科は「数学」に関するセミナーのみ)を受講します。セミナー受講後に、セミナー内容に関する理解を問う筆記試験が行われます。

2024年度入試の「数学セミナー」では、数理科学科では行列について、数理科学科以外の学科では2進数やブール代数、論理演算についてのセミナーが行われました。

「物理セミナー」では、「力学」に関する基本的な現象を題材としたセミナーが行われました。

「数学セミナーの理解を問う筆記試験」では、数理科学科では、代数・幾何・解析の基本となる問題が出題されました。数理科学科以外の学科では、n進数の理解を確認する問題や、OR、AND、NOTの基本論理演算とベン図による理解を確認する問題、排他的論理和による暗号化アルゴリズムを理解して、復号化を実際に行う問題、論理ゲートの意味を理解して、その真理値表を書き出す問題、論理ゲートの組み合わせで構成される複雑な回路の真理値表を考え、その働きを記述する問題、誤り訂正回路の動作を有効化信号の働きと共に理解し、パリティビットやエラー検知回路の論理構成を考える問題が出題されました。

「物理セミナーの理解を問う筆記試験」では、浮体にかかる力のつりあいについての理解を問う問題、長方形の浮体の安定計算を行う問題が出題されました。

③面接、口頭試問(数理科学科、物理科学科のみ)

2024年度入試の数理科学科の面接では、問題が3問与えられ、そのうち1問を選択して黒板の前で説明をするように指示がありました。質疑応答を通して問題を正しく読み取る力、問題の意義および計算力や公式を理解し応用する力など、数学の素養が確認されました。

物理学科の面接では、質疑応答によって、学力、特に高校物理に対する理解力とその応用力が確認されました。また、志望動機と物理への興味の内容、意欲、入学後および将来に対する目標についても確認されました。 単なる公式の暗記に留まらず、物理の基礎概念や基礎公式に対する深い理解を自問する習慣ができているかを確かめるため、式の導出と自身の言葉による物理的な説明を求める出題が行われました。

大学HPに2024年度入試の講評が掲載されています。評価のポイントなどについても説明が書かれていますので、確認しておきましょう。

https://ritsnet.ritsumei.jp/admission/archive/ao.html

<2>文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:小論文、個人面接、口頭試問

①第1次選考:書類選考

第1次選考では、提出された書類(「活動成果等報告書」、「活動実績証明書」)に記載された内容が審査されます。審査にあたっては、大会等の実績・戦績および個人の技能等を基本に、組織・集団における役割や役職等の貢献度等を加味して、募集する活動・競技分野ごとに総合的に評価されます。

②第2次選考:小論文、個人面接、口頭試問

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では小論文試験と個人面接、口頭試問が行われます。小論文の試験時間は80分です。(小論文過去問データなし)

口頭試問では、高等学校の「数学」、「物理」で学習する内容についての理解度が確認されます。2024年度入試では、数学については対数関数のグラフと直線との共有点や、平面上のベクトルの直交性に関する問題、物理については振り子の運動における力学的エネルギーや、並列のコンデンサーの電気容量、電気量、電圧の関係に関する問題が出題されました。

大学HPに2024年度入試の講評が掲載されています。評価のポイントなどについても説明が書かれていますので、確認しておきましょう。

https://ritsnet.ritsumei.jp/admission/archive/etc.html

<3>スポーツ能力に優れた者の特別選抜入学試験

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:小論文、個人面接、口頭試問

①第1次選考:書類選考

第1次選考では、提出された書類(「競技成績証明書」、「運動能力測定証明書」)に記載された内容が審査されます。審査にあたっては、大会等の実績・戦績および個人の技能・身体能 力を基本に、表彰・選抜の実績、役職等の貢献度等を加味して、募集する競技種目ごとに総合的に評価されます。

②第2次選考:小論文、個人面接、口頭試問

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では小論文試験と個人面接、口頭試問が行われます。小論文の試験時間は80分です。(小論文過去問データなし)

口頭試問では、高等学校の「数学」、「物理」で学習する内容についての理解度が確認されます。2024年度入試では、数学については対数関数のグラフと直線との共有点や、平面上のベクトルの直交性に関する問題、物理については振り子の運動における力学的エネルギーや、並列のコンデンサーの電気容量、電気量、電圧の関係に関する問題が出題されました。

大学HPに2024年度入試の講評が掲載されています。評価のポイントなどについても説明が書かれていますので、確認しておきましょう。

https://ritsnet.ritsumei.jp/admission/archive/etc.html

◆募集人員・倍率情報

<1>AO選抜入学試験 理工学部「理工セミナー方式」

募集人員は 

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
数理科学科数学コース11.81.1
数理科学科データサイエンスコース231
物理科学科1.21.22
電気電子工学科1.621
電気情報工学科1.62.42
機械工学科1.91.41.8
ロボティクス学科1.51.81.8
環境都市工学科1.422.3

<2>文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験

募集人員は 

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
数理科学科数学コース志願者なし1
数理科学科データサイエンスコース志願者なし志願者なし志願者なし
物理科学科志願者なし志願者なし志願者なし
電気電子工学科志願者なし志願者なし志願者なし
電気情報工学科志願者なし志願者なし志願者なし
機械工学科志願者なし志願者なし志願者なし
ロボティクス学科志願者なし志願者なし
環境都市工学科1志願者なし志願者なし
建築都市デザイン学科2志願者なし志願者なし

<3>スポーツ能力に優れた者の特別選抜入学試験

募集人員は 

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
数理科学科数学コース11志願者なし
数理科学科データサイエンスコース志願者なし志願者なし志願者なし
物理科学科志願者なし21
電気電子工学科2志願者なし1
電気情報工学科1志願者なし
機械工学科1志願者なし1
ロボティクス学科志願者なし1志願者なし
環境都市工学科1志願者なし
建築都市デザイン学科1

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、立命館大学理工学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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