立教大学コミュニティ福祉学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の難関私立大学群「GMARCH」のひとつである、立教大学。

1874年にアメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が設立した、聖書と英学を教える私塾「立教学校」をルーツとしています。創立以来、西洋の伝統的なリベラルアーツカレッジをモデルとして、現在まで発展してきました。

150年の歴史を持つ立教リベラルアーツ教育を再構築して生まれた、学びの体系”RIKKYO Learning Style”により、グローバルな課題と社会的要請に対応し、広い視野に立って課題を発見・解決できる能力を持った「新しい」グローバルリーダーの育成を目指しています。

コミュニティ福祉学部は、コミュニティを基盤とする新たな福祉社会の構築を目指して、1998年に新座キャンパスに開設されました。充実した少人数教育や多彩なフィールド型科目が展開されていること、自治体やコミュニティ、専門機関・団体などとの連携による学びや研究活動への支援があることが特徴です。福祉を幅広い視野でとらえるための複合的な学びと、現場を体験するフィールドスタディで福祉マインドを身につけます。

この記事では、そんな立教大学コミュニティ福祉学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆総合型選抜入試の名称

立教大学コミュニティ福祉学部の総合型選抜入試は、「自由選抜入試」、「アスリート選抜入試」という名称で募集がなされています。

◆立教大学コミュニティ福祉学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

立教大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式ホームページより抜粋)

<教育目的>

私たちの学部は立教大学の基本的教育理念である「普遍的な真理を探究し」(Pro Deo)「私たちの世界、社会、隣人のために」(Pro Patria)働くことのできる「専門性に立つ教養人」を育成することを目的としています。学部の基本理念として「いのちの尊厳のために」を掲げていますが、人の幸せはその尊厳がいかに大切にされるかということに関係づけられます。そして「いのちの尊厳」をコミュニティとの関わりの中でとらえ、実際に様々な生活上の困難を抱える人々の幸せを思考し、学びます。

コミュニティにはマジョリティのグループだけではなくマイノリティの人々も居ることで成立しているのでありコミュニティを自然な人と人との繋がり、関わりあいが息づく「生活の場」として捉えます。そして「コミュニティ福祉」とはだれもが生活をするコミュニティの中で、一人ひとりの幸せが皆の幸せに繋がるという考え方に基づいています。

学部では以上の考え方を基盤とした福祉社会の実現を目指し、生活者の視点でその社会の形成に参加・協働出来る人、社会や具体的な制度を考え、人間を考え、家族を考えそして私たちの担うべきものを理解し、具体的な働きが出来る専門家を教育し育成します。

<教育活動>

■教育内容

1998年度の学部創設時は1学科体制でしたが、現在は2学科体制となっています。2学科体制においても、コミュニティと人を理解し、幸せを追求するという学部の共通コンセプトは変わるものではありません。

コミュニティ政策学科においては、地域社会の様々な問題や課題を当事者の視点から考え、実証的な社会調査に基づき分析し、解決する方法を構想・提案・実践する力を養成します。「コミュニティ学」「政策学」の学びを核として多数の専門科目を配置しています。資格としては、社会調査士、初級地域公共政策士等が取得できるカリキュラムとなっています。

福祉学科では主として福祉実践を担う専門家であるソーシャルワーカーの養成を目的としています。「理論・制度・サービスの理解」「援助の方法・技術の理解」及び両者を統合する場としての「演習・実習による理解」を体系的に学び、社会福祉士の国家試験受験資格を取得できます。またそのほか福祉マインドを有して社会へ貢献できる人材を育てます。

福祉を学ぶことには、人を学び、社会を学び、制度を学び、そして「いのちの尊厳のために」という、コミュニティ福祉学部の基本理念を社会の中で如何に活かせるようになるかを実践的に考える、こうしたことが重要な意味をもちます。そしてこれを実現させうる力を身につける学びの基盤をなすのが、専門領域の科目と全学共通科目とを統合的総合的に編成した、本学部のカリキュラム体系です。これはまた、本学が目指す「専門性に立つ教養人」を育成するためのカリキュラムでもあります。そして現代の日本において、福祉の機能がより一般化し、普遍化するために尽力する人材を育成します。そのためには、従来の福祉の在り方について根底から問い直す力が必要です。またグローバル化が進む世界において経済格差など様々な矛盾が増大するなか、「コミュニティを基盤とする福祉」という視角から、「普遍的な真理を探究する」深い専門的知見、そして厚みがあり幅広い教養を身につけることが必要です。

■指導体制

2学科とも極めて実践的でフィールドを持つ学びのため、指導は実践を踏まえて実務経験の豊富な教員が担当しています。さらに、社会福祉士の実習・演習では、きめ細かな教育体制を敷き、専門的な学びを保障しています。社会調査には専任教員が配置され、正課としてのインターンシップには教育・研究コーディネーターを置き教員とチームを形成してきめ細やかに学生を指導する体制を作っています。

また現場で働く卒業生を含めて、現場の仕事に就いている方々をゲストスピーカーとしてお招きし講義をいただく機会が多くあり、学生の刺激になっています。その他自主的なボランティア活動、サークル活動、アルバイト等を通じてフィールドに学ぶ機会を積み上げていくことを推奨しています。

その他、学部教育全体で少人数のクラスでの指導を大切にしています。学生と教員の距離が近いことも学生の学部教育への満足度に表れています。

■指導法

対人援助活動や地域での活動を指導するうえでは、ゼミ形式の学びが重要になります。フィールド型学習としてソーシャルワーク実習、コミュニティ学演習、政策学演習、社会調査実習等、各学科の特長を背景として、体験学習をベースにした指導がなされています。インターンシップは各学科の正課科目として置いており、卒後の進路にもかかわる教育の統合の場として意味を持っています。それぞれの学習のフィードバックとして総括のレポート集の作成、あるいは報告会を開催して体験学習を通して確実に学びを自分のものにできる指導をしています。

<入学者に求める知識・技能・態度・体験>

■知識

福祉の学びには社会の成り立ち、背景、構造と人間に対する理解と知識が必要となります。専門的なことは大学入学してからの学びとなりますが、少なくとも近代の歴史、現代の社会問題などの知識は必要不可欠のものといえます。日頃から新聞や社会評論的な雑誌等を読んでおく程度の努力と、そこから得られる知識を一般的な常識として持っていてもらう必要があります。「英語」に関しては、読む、書く、話す、聞くといった能力を高等学校で十分に身につけておくことが必要です。

■技能

スタディ・スキルは大学での学びにおいて極めて重要な技能といえます。また現代ではICT(Information and Communication Technology)を使いこなすことが必然的に求められます。高度なことは入学後の技能の取得となりますが、ワード、エクセル、メールの送受信等ある程度コンピュータの基本ソフトを使えることが望まれます。

■態度

福祉は極めて倫理性の高い専門領域です。それは人の尊厳を認め大切にすることから始まります。それは決して人を憐れむ心ではありません。人と社会に対しての理解と相手の立場と心を理解しようとする謙虚な姿勢です。常に自らを内省する態度と、そして相手を愛する心を持ち続けられることを期待します。

地球および地域社会の一市民として、高い公共性と倫理性を持ち、異なる文化・貧困・ジェンダー・しょうがい・子ども・高齢者等に対して、自らに内在している偏見に気づいて修正することができ、またこれらの人を排除することなく、異なる価値観を持った人たちと協働(社会的結束)しようとする人を求めます。

■体験

入学前にボランティア活動などを経験することは、入学後の福祉の学びにとても意味があります。それは人を支援することの意味とそれが自分にとっての大きな学びになることに気づくからです。また「人と社会との関わり」、「人と人との関係の原理」などについても理解が深まります。それは大学での福祉の学びの基本的な心構えを入学前に自然に身につける有効な方法となります。

<入試種別の目的>

1.一般入試

本学ならびにコミュニティ福祉学部の教育目的を理解し、コミュニティ福祉学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を測り、選抜することを目的とする。

2.大学入学共通テスト利用入試

本学ならびにコミュニティ福祉学部の教育目的を理解し、コミュニティ福祉学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を、大学入学共通テストを利用して測定し、選抜することを目的とする。

3.自由選抜入試

志望する学部に関連した高い能力をもつ者、あるいは学業以外の諸活動の分野に秀でた個性をもつ者で、本学ならびにコミュニティ福祉学部の教育目的を理解し、そこで学びたいという熱意を提出書類及び面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。

4.アスリート選抜入試

スポーツ競技の実績が優秀であるだけでなく、人格的にも優れ学業に対する高い意欲をもつ者を、競技実績や提出書類、小論文、面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。

5.外国人留学生入試

国際交流の一環として、交換留学制度とは別に、本学での教育を希望する外国人留学生を選抜することを目的とする。

1)書類選考による募集制度

外国人留学生を、提出書類および日本留学試験の成績等の内容により、多面的・総合的に評価する。

6.指定校推薦入学

コミュニティ福祉学部が自らの教育目的に基づいて、特色ある教育を行っている高等学校を指定したうえで、コミュニティ福祉学部の教育目的を理解し、コミュニティ福祉学部が定める一定の学力を有する者を高等学校長が推薦しコミュニティ福祉学部が受け入れることを目的とする。

7.関係校推薦入学

日本聖公会に所属する高等学校を対象として、本学ならびにコミュニティ福祉学部の教育目的を理解し、キリスト教に基づく教育を継続して学びたいという意欲のある者を高等学校長が推薦し本学が受け入れることを目的とする。

8.学校長推薦による入学(NEXUS)

NEXUSプログラム日本語集中履修期間のカリキュラム内容ならびに2学期目以降に接続するコミュニティ福祉学部カリキュラムにおける教育目的に基づいて、特色ある教育や言語教育を行っている外国の高等学校を指定したうえで、次世代に繋がるグローバルな協働共生について日本語コミュニケーションを通じ実践する姿勢を持ち、かつコミュニティ福祉学部の教育目的を理解し本学が定める一定の学力を有する者を当該の高等学校長が推薦しコミュニティ福祉学部が受け入れることを目的とする。

<入学前学習>

新聞から福祉にかかわる記事を常に意識して探し丁寧に読んでください。そして社会のこと、家族のこと、人間のことなどについての興味を持ち、理解をすることを心がけていてください。それが福祉を学ぶモチベーションを高めることに繋がります。

REO(Rikkyo English Online)を利用した英語学習を課しています。また、指定校推薦入学予定者・関係校推薦入学予定者・アスリート選抜入学予定者・自由選抜入学予定者などに対しては、推薦図書に関する読書感想文の提出を求めています。

公式HPのURL:

https://www.rikkyo.ac.jp/about/disclosure/educational_policy/chs.html

◆出願条件・日程

立教大学コミュニティ福祉学部の総合型選抜入試には、「自由選抜入試」、「アスリート選抜入試」があり、それぞれ出願条件に制約があります。

<1>自由選抜入試

・出願時期  2024年9月12日(木)~9月18日(水)

・試験日   【第1次選考】  書類審査のみ

      【第2次選考】 11月16日(土)

・合格発表日  【第1次選考】 10月28日(月)

        【第2次選考】 12月2日(月)

出願条件は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「プレゼンテーション資料」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/

<2>アスリート選抜入試

・出願時期  2024年9月2日(月)~5日(木)

・試験日   【第1次選考】  書類審査のみ

     【第2次選考】 10月16日(水)

・合格発表日  【第1次選考】 9月27日(金)

        【第2次選考】 11月1日(金)

出願条件は、以下のとおりです。

また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.guide.52school.com/guidance/net-rikkyo-tokubetsu/gid

◆試験内容

<1>自由選抜入試

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:面接

①第1次選考:書類選考

第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」と「プレゼンテーション資料」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。

「志望理由書」は、大学Webサイトからダウンロードし、「これまでの自分の実績や集中して行ってきたことに触れながら、入学後に何をどのように学びたいのか」について2000字程度で記入します。

「プレゼンテーション資料」は、「活動報告書D」(※)の内容に基づいて作成します。第2次選考でプレゼンテーションを行ないますので、それを踏まえたうえで作成しましょう。

(※)「活動報告書D」は、出願資格に直接かかわる内容で、これまで継続的・主体的に取り組んだ活動の実績について、800字以内で具体的に記入します。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.guide.52school.com/guidance/net-rikkyo-tokubetsu/gid

②第2次選考:面接

第2次選考では面接が行われます。

面接では、第1次選考で提出した「プレゼンテーション資料」を用いて、プレゼンテーションを行ないます。時間は口頭発表7分、質疑応答13分です。自身が取り組んできた活動の内容についてアピールできるように、練習して面接に臨みましょう。

<2>アスリート選抜入試

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:小論文、面接

①第1次選考:書類選考

第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。

「志望理由書」はすべての志望学科(専修)に共通する内容を記述する「志望理由書①」と、各学科(専修)の志望理由を記述する「志望理由書②」の2種類提出する必要があります。

「志望理由書①」は、「高校在籍中の競技実績と、スポーツ活動を通じて学んだこと」、「立教大学を志望した理由」、「入学後の学業と体育会活動との両立に関して、どのような目標を定め、取り組みたいか」について、1500字以内で記述します。

「志望理由書②」は、志望学科(専修)に入学後、何をどのように学びたいかについて、500字以内で記述します。

②第2次選考:小論文、面接

第2次選考では、小論文試験が行われます。試験時間は60分です。与えられたテーマについて記述します。論理的構成力、文章表現力、知的素養、独創的発想などが総合的に評価されます。

面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は

<1>自由選抜入試

福祉学科8名程度、コミュニティ政策学科20名程度

<2>アスリート選抜入試

福祉学科、コミュニティ政策学科 若干名

倍率は

<1>自由選抜入試

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
福祉学科2.82.35.9
コミュニティ政策学科5.13.46.4

<2>アスリート選抜入試

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
福祉学科
コミュニティ政策学科

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、立教大学コミュニティ福祉学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

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