立教大学社会学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介
2024/09/06
関東の難関私立大学群「GMARCH」のひとつである、立教大学。
1874年にアメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が設立した、聖書と英学を教える私塾「立教学校」をルーツとしています。創立以来、西洋の伝統的なリベラルアーツカレッジをモデルとして、現在まで発展してきました。
150年の歴史を持つ立教リベラルアーツ教育を再構築して生まれた、学びの体系”RIKKYO Learning Style”により、グローバルな課題と社会的要請に対応し、広い視野に立って課題を発見・解決できる能力を持った「新しい」グローバルリーダーの育成を目指しています。
社会学部は、社会学科、現代文化学科、メディア社会学科の3つの学科で構成されています。社会の変化にどのように関わることができるのか、「発見・分析・提言」できる力を身につけ、グローバルな視点から日本と海外の社会と文化を理解し、地球社会で活躍できる人材を育成することを目指しています。
この記事では、そんな立教大学社会学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!
◆総合型選抜入試の名称
立教大学社会学部の総合型選抜入試は、「自由選抜入試」、「国際コース選抜入試」、「アスリート選抜入試」という名称で募集がなされています。
◆立教大学社会学部のアドミッションポリシー
各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。
立教大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。
(公式ホームページより抜粋)
<教育目的>
建学の精神“PRO DEO ET PATRIA”(普遍的なる真理を探究し、私たちの世界、社会、隣人のために尽くす)にもとづき、社会学及び関連領域の学修をつうじて、社会の問題を発見し、分析し、提言できる人間を育てる。
<教育活動>
■教育内容
1.【発見】:3学科共通の1年次必修科目「基礎演習」、「社会学原論1・2」、「社会調査法1・2」を通して、【発見】への動機付けをおこない、社会に生起している問題を見いだし、社会学及び関連領域の視点から整理・把握できる力を育てます。
2.【分析】:社会調査によって得られたデータが社会・文化・メディアの各方面にどのような意味を持つか考察し説明することができる力を育てます。必修科目である「社会調査法3」など社会調査関連科目および2年次・3年次の演習科目を中心に専門科目の履修を通して、【分析】の方法を学ぶことができます。
3.【提言】:4年次に履修する「卒業研究」または「卒業論文」によって研究成果を【提言】へと導く力を育て、学術的な研究成果を実践的な【提言】へと展開することをめざします。
4.全学共通科目の系統的な履修により、「発見・分析・提言」の過程で必要となる基礎的教養、外国語運用能力、情報処理能力を身につけていきます。
■指導体制
●全学科
・学生が関心に応じた多様な履修計画が可能なように、3学科の専門科目が相互に履修可能なカリキュラムを提供しています。
・社会調査の企画・実施・分析の専門的な能力をもつ社会調査士資格(社会調査士資格認定機構による認定資格)が取得できる科目を設置しています。
・1年次の導入教育では、高校までの学習態度とは異なる社会学的な問題の発見と分析の方法を身につける機会を与えるため、Project Based Learning方式を導入した基礎演習を実施しています。
・社会調査の実習科目を設置するとともに、教員の調査研究活動に参加できるなど、社会調査に参加する機会を提供しています。
・実習・演習系の授業ではICTを活用して情報リテラシー、メディア・リテラシーを獲得するためPC教室を使用します。
・4年次には、1.学生自身が発見した問題を自分で分析し提言することをめざす「卒業論文」と、2.社会学的な分析のための理論と方法を広く身につけた成果を示す「卒業研究」のふたつのコースを設けています。
・アカデミックアドバイザー制を導入しており、専任教員が学修上の相談に応じます。
●社会学科
・社会学固有の考え方と方法を習得し、身近な人間関係からグローバル化する社会まで多様な問題を理解することができる能力を育てるために、「理論と方法」「自己と関係」「生活と人生」「公共性と政策」「構造と変動」の5つの専門領域を用意しています。
●現代文化学科
・社会学に加えて文化人類学・環境学・文化論など幅広い視点から現代社会と文化を捉える能力を養うために「都市とコミュニティ」「グローバル化とエスニシティ」「環境とエコロジー」「価値とライフスタイル」の4つの専門領域を用意しています。
●メディア社会学科
・メディアと情報に関わる理論と調査・取材、実践を系統的に学ぶために「社会システムとテクノロジー」「生活世界の経験と歴史」「ジャーナリズムと公共性」の3つの領域と文章表現力を中心に実践的な能力を身につける「実習・実践科目クラスター」を用意しています。学科の正課科目として、メディア企業でのインターンシップを念頭に置き、マナー講座、メディア各企業からのレクチャー、筆記・作文対策、ディベートなどで構成される「メディアインターンシップ入門」を用意しています。
●国際社会コース
・英語運用能力を向上させながら、英語によって社会学を理解することを目的とした「学部英語科目」に加え、英語で社会学の先端のテーマについて学ぶ「Sociological Studies(A-D)」を用意しています。
■指導法
・専門科目を領域に分けてカリキュラムを構成し、系統的な履修計画をたてやすくしています。
・演習科目(ゼミ)は少人数で運営され、教員と学生の間だけではなく、学生どうしも活発に議論をおこない、学生が互いに成長することのできる指導をおこなっています。
・また、多くのゼミでは合宿形式の学習をおこない、充実したディスカッションの機会を設けています。
<入学者に求める知識・技能・態度・体験>
■知識
・社会学に関する知識は特に必要としませんが、高等学校で学ぶ学科目について、はば広い知識を蓄えておくことが大切です。文系学部ではありますが、高校までの数学の考え方を知っていることも望まれます。
・日本史・世界史を問わず、歴史に関する知識は重要です、特に近現代史の知識を持っていることが望まれます。また、現代社会を理解する上で、政治・経済に関する知識も持っていることが望まれます。
■技能
・自分の考えを、的確な表現を用いて口頭で発表することや文章にまとめること、さまざまな技法やツールを用いて表現し発信できることが望まれます。
・そのためにも、パーソナル・コンピュータをはじめ、多様な情報機器や表現手段を使いこなす工夫をすることが望まれます。
・「英語」に関しては、読む、書く、話す、聞くといった能力を高等学校で十分に身につけておくことが必要です。
■態度
・社会で生起するさまざまな問題に対する好奇心をもっていることが望まれます。
・同時に、さまざまな社会的状況に置かれている人々に対して、共感をもって接することができ、他者を理解しようと努める姿勢が望まれます。
■体験
・日常生活において、社会に生起するさまざまな問題に関心をもち、それを理解しようと努力した経験をもつことが望まれます。
・異文化体験、ボランティア体験、高等学校内外での活動体験などを通じて、他者を理解する想像力を高める経験をつんでいることも大切です。
<入試種別の目的>
1.一般入試
本学ならびに社会学部の教育目的を理解し、社会学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を測り、選抜することを目的とする。
2.大学入学共通テスト利用入試
本学ならびに社会学部の教育目的を理解し、社会学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を、大学入学共通テストを利用して測定し、選抜することを目的とする。
3.自由選抜入試
志望する学部に関連した高い能力をもつ者、あるいは学業以外の諸活動の分野に秀でた個性をもつ者で、本学ならびに社会学部の教育目的を理解し、そこで学びたいという熱意を提出書類及び面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。
4.国際コース選抜入試
グローバル社会に貢献できる人材を育成するコースでの学修を希望する者を、提出書類や小論文、面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。
5.アスリート選抜入試
スポーツ競技の実績が優秀であるだけでなく、人格的にも優れ学業に対する高い意欲をもつ者を、競技実績や提出書類、小論文、面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。
6.外国人留学生入試
国際交流の一環として、交換留学制度とは別に、本学での教育を希望する外国人留学生を選抜することを目的とする。
1)筆記試験および面接による募集制度
外国人留学生を、提出書類や日本語試験、面接等の内容により、多面的・総合的に評価する。
2)書類選考による募集制度
外国人留学生を、提出書類および日本留学試験の成績等の内容により、多面的・総合的に評価する。
7.指定校推薦入学
社会学部が自らの教育目的に基づいて、特色ある教育を行っている高等学校を指定したうえで、社会学部の教育目的を理解し、各学部が定める一定の学力を有する者を高等学校長が推薦し社会学部が受け入れることを目的とする。
8.関係校推薦入学
日本聖公会に所属する高等学校を対象として、本学ならびに社会学部の教育目的を理解し、キリスト教に基づく教育を継続して学びたいという意欲のある者を高等学校長が推薦し本学が受け入れることを目的とする。
9.学校長推薦による入学(NEXUS)
NEXUSプログラム日本語集中履修期間のカリキュラム内容ならびに2学期目以降に接続する各学部カリキュラムにおける教育目的に基づいて、特色ある教育や言語教育を行っている外国の高等学校を指定したうえで、次世代に繋がるグローバルな協働共生について日本語コミュニケーションを通じ実践する姿勢を持ち、かつ各学部の教育目的を理解し本学が定める一定の学力を有する者を当該の高等学校長が推薦し各学部が受け入れることを目的とする。
<入学前学習>
REO (Rikkyo English Online) を使った英語の自主学習の機会を提供しています。 また、指定校推薦入学・関係校推薦入学、自由選抜入試、国際コース選抜入試、アスリート選抜入試合格者に対しては、入学後の学習に役立つと思われる推薦図書リストを提供し、入学前の学習を促しています。
公式HPのURL:
https://www.rikkyo.ac.jp/about/disclosure/educational_policy/sociology.html
◆出願条件・日程
立教大学社会学部の総合型選抜入試には、「自由選抜入試」、「国際コース選抜入試」、「アスリート選抜入試」があり、それぞれ出願条件に制約があります。
<1>自由選抜入試
・出願時期 2024年9月12日(木)~9月18日(水)
・試験日 【第一次選考】 書類審査のみ
【第二次選考】 11月16日(土)
・合格発表日 【第一次選考】 10月28日(月)
【第二次選考】 12月2日(月)
出願条件は以下のとおりです。
また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/)
<2>国際コース選抜入試
・出願時期 2024 年9月12日(木)~2024年9月18日(水)
・試験日 【第1次選考】 書類選考のみ
【第2次選考】 11月16日(土)
・合格発表日 【第1次選考】 10月28日(月)
【第2次選考】 12月2日(月)
出願条件は以下のとおりです。
また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/)
<3>アスリート選抜入試
・出願時期 2024年9月2日(月)~5日(木)
・試験日 【第1次選考】 書類審査のみ
【第2次選考】 10月16日(水)
・合格発表日 【第1次選考】 9月27日(金)
【第2次選考】 11月1日(金)
出願条件は、以下のとおりです。
また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/)
◆試験内容
<1>自由選抜入試
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:小論文、面接
①第1次選考:書類選考
第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。「志望理由書」は、大学Webサイトからダウンロードし、「これまでの自分の実績や集中して行ってきたことに触れながら、入学後に何をどのように学びたいのか」について2000字程度で記入します。
また、自由研究を提出する必要があります。現代社会に関するテーマを調査・研究して、考察、分析したことを、「タイトル」、「研究の背景・目的・方法」、「研究の結果と考察」の要素を含む形でまとめます。「自考力」(自主的に問題を発見し、分析し、提言する力)が総合的に評価されます。第2次選考の面接試験において、自由研究についてのプレゼンテーションを行なうので、それを踏まえたうえで準備しましょう。
②第2次選考:小論文、面接
第2次選考では、小論文試験と面接が行われます。
小論文試験は、与えられたテーマについて記述します。試験時間は90分です。論理的構成力、文章表現力、知的素養、独創的発想などが総合的に評価されます。
面接では、第1次選考で提出した自由研究成果物を使って、口頭発表を5分、質疑応答を10分行います。研究目的を明示したうえで、自分独自の意見を明確に表現するようにしましょう。
<2>国際コース選抜入試
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:小論文、面接
①第1次選考:書類選考
第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。「志望理由書」は、大学Webサイトからダウンロードし、「これまでの自分の実績や集中して行ってきたことに触れながら、入学後に何をどのように学びたいのか」について2000字程度で記入します。
②第2次選考:小論文、面接
第2次選考では、小論文試験と面接が行われます。
小論文試験は、与えられたテーマについて記述します。試験時間は90分です。論理的構成力、文章表現力、知的素養、独創的発想などが総合的に評価されます。
面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。
<3>アスリート選抜入試
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:小論文、面接
①第1次選考:書類選考
第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。
「志望理由書」はすべての志望学科(専修)に共通する内容を記述する「志望理由書①」と、各学科(専修)の志望理由を記述する「志望理由書②」の2種類提出する必要があります。
「志望理由書①」は、「高校在籍中の競技実績と、スポーツ活動を通じて学んだこと」、「立教大学を志望した理由」、「入学後の学業と体育会活動との両立に関して、どのような目標を定め、取り組みたいか」について、1500字以内で記述します。
「志望理由書②」は、志望学科(専修)に入学後、何をどのように学びたいかについて、500字以内で記述します。
②第2次選考:小論文、面接
第2次選考では、小論文試験が行われます。試験時間は60分です。与えられたテーマについて記述します。論理的構成力、文章表現力、知的素養、独創的発想などが総合的に評価されます。
面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。
◆募集人員・倍率情報
募集人員は
<1>自由選抜入試
社会学科5名程度、現代文化学科5名程度、メディア社会学科5名程度
<2>国際コース選抜入試
社会学科5名程度、現代文化学科5名程度、メディア社会学科5名程度
<3>アスリート選抜入試
社会学科、現代文化学科、メディア社会学科 若干名
倍率は
<1>自由選抜入試
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
社会学科 | 10.6 | 10.6 | 19.2 |
現代文化学科 | 10.2 | 8.3 | 16.5 |
メディア社会学科 | 8.5 | 9.1 | 14.4 |
<2>国際コース選抜入試
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
社会学科 | 6 | 7.7 | 8.4 |
現代文化学科 | 4.5 | 4.2 | 8.6 |
メディア社会学科 | 6.2 | 3.7 | 4.1 |
<3>アスリート選抜入試
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
社会学科 | |||
現代文化学科 | |||
メディア社会学科 |
出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。
以上、立教大学社会学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。
オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。
自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。
話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。
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