京都産業大学理学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関西の準難関私立大学群、産近甲龍のひとつである京都産業大学。

京都産業大学は、1965年に経済学部・理学部の2学部をもって京都市・上賀茂に創設されました。創設者で宇宙物理学者の荒木俊馬は、「建学の精神」において、「将来の社会を担って立つ人材の育成」が使命であることを掲げました。その実現に向けて、次の時代を見据えて社会課題を的確に捉え、知識や人を「むすんで」課題を解決し、新しい価値を「うみだす」ための教育に力を注いでいます。

現在は文系・理系全10学部、約15000人の学生を擁する日本最大規模の一拠点総合大学となっています。ワンキャンパスで多種多様な価値観と出会い、協働を経験し、次の時代を担って立てる知識と精神を養います。

理学部は、数理科学科、物理科学科、宇宙物理・気象学科の3つの学科で構成されています。「将来の社会を担って立つ人材の育成」を目標に、数学、物理学、宇宙物理学、気象学の基礎教育を充実させ、徹底した少人数教育によって専門性の高い教育を行うことを基本方針としています。全ての学科において、理系人材が修得すべき「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」を必ず身に付けて卒業できるカリキュラムが提供されています。各学科の専門的な学びとデータサイエンスとが一体となって、新しい未来を実現する力を身につけます。

この記事では、そんな京都産業大学理学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆京都産業大学理学部の総合型選抜入試の名称

京都産業大学理学部の総合型選抜入試は、「AO入試」という名称で募集がなされています。

◆京都産業大学理学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

京都産業大学の入試要項にはこのように書いてあります。

(入試要項より抜粋)

(数理科学科)

 京都産業大学のアドミッション・ポリシーを受け、4年間の教育の結果、入学生が本学の建学の精神に掲げる人材に成長できるように、次のような素養を持った学生を求めます。

1.入学までの学習を通して、大学での学びに必要な数学に関する学力を有している  こと

2.数学およびそれが応用される学問分野に関心を有していること

3.ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に掲げる素養を有する人材に成長することを目指し、入学後にその実現に意欲を有していること

 入学者選抜は、京都産業大学のアドミッション・ポリシーで定めたとおり、多様な方法を用いて実施します。特徴的な入学者選抜として、入学前に数理科学分野の優れた自由研究等に取り組んだ実績を持つ者に対し、その成果の提出と口頭発表等の成績をもとにしたAO入試を実施します。

(物理科学科)

 京都産業大学のアドミッション・ポリシーを受け、4年間の教育の結果、入学生が本学の建学の精神に掲げる人材に成長できるように、次のような素養を持った学生を求めます。

1.入学までの学習を通じて、大学での学びに必要な数学や物理学に関する学力を有 していること

2.自然科学に好奇心を持ち、理論的・実験的に考察して真理の探求に興味を持って  いること

3.物理学の素養を背景にして実社会に幅広く貢献したい人、または物理科学科で学 ぶはっきりとした目的を持っていること

4.ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に掲げる素養を有する人材 に成長することを目指し、入学後にその実現に意欲を有していること

 入学者選抜は、京都産業大学のアドミッション・ポリシーで定めたとおり、多様な方法を用いて実施します。特徴的な入学者選抜として、入学前に物理科学分野の優れた自由研究等に取り組んだ実績を持つ者に対し、その成果の提出と口頭発表等の成績をもとにしたAO入試を実施します。

(宇宙物理・気象学科)

 京都産業大学のアドミッション・ポリシーを受け、4年間の教育の結果、入学生が本学の建学の精神に掲げる人材に成長できるように、次のような素養を持った学生を求めます。

1.入学までの学習を通じて、大学での学びに必要な数学や物理学に関する学力を有  していること

2.宇宙物理学や気象学などの学問分野に関心を有していること

3.ディプロマ・ポリシーに掲げる素養を有する人材に成長することを目指し、入学  後にその実現に意欲を有していること

 入学者選抜は、京都産業大学のアドミッション・ポリシーで定めたとおり、多様な方法を用いて実施します。特徴的な入学者選抜として、入学前に取り組んだ宇宙物理学あるいは気象学に関連する課題研究等の成果の提出と口頭発表等の成績をもとにしたAO入試を実施します。

入試要項のURL:

https://www.kyoto-su.ac.jp/admissions/exam/apply/download/index.html

◆出願条件・日程

京都産業大学理学部の総合型選抜入試には、出願条件に制約があります。

・1次選考出願期間: 2024年9月1日(日)10:00 ~9月9日(月)23:00

・1次選考(書類選考)合格発表日:9月27日(金) 

・2次選考出願期間:       9月27日(金) ~10月3日(木)

・2次選考試験日:        10月20日(日)

・2次選考合格発表日:      11月2日(土)

※1次選考の出願は、インターネット出願です。期間内にインターネット出願画面で出願内容の入力・確認および写真データのアップロード、受験料(入学検定料)の納入、出願書類の郵送を完了する必要があります。

※2次選考の出願は、受験料(入学検定料)の納入のみです。

出願条件は以下のとおりです。

理学部数理科学科が求める具体的な学生像と、特に定めている出願要件は以下のとおりです。

理学部物理科学科が求める具体的な学生像と、特に定めている出願要件は以下のとおりです。

理学部宇宙物理・気象学科が求める具体的な学生像と、特に定めている出願要件は以下のとおりです。

また、「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.kyoto-su.ac.jp/admissions/exam/apply/download/index.html

◆試験内容

試験内容は学科によって異なります。学科ごとの試験内容は以下のとおりです。

<数理科学科>

①1次選考:書類審査 

②2次選考:筆記試験(30分)、個人面接(約40分) 

①1次選考:書類審査 

1次選考は、出願書類をもとに合否が決定します。

「志望理由書」は、①数学に興味を持つようになった理由、②数理科学科を志望する理由、について、1200~1600字程度で具体的に記述します。

「課題レポート」は、今まで学んだ数学の中で、最も感銘を受けた事柄(公式、定理、法則など)の内容、教科書にない証明方法、教科書の「研究・発展」の内容で興味を持ったことなどについて詳細に記述します。

「自らの成果や実績を証明できる添付資料」は、上記の「特に定めている出願要件(1)」に該当する場合は任意提出ですが、「特に定めている出願要件(2)」に該当する場合は、「実用数学技能検定」合格証のコピーを必ず提出する必要があります。

②2次選考:筆記試験(30分)、個人面接(約40分) 

1次選考の合格者に対し、2次選考では筆記試験と個人面接が課されます。

筆記試験の出題範囲は「数学Ⅲ」で、標準的な問題が出題されます。

個人面接では、これまでの勉強や活動、数理科学科入学後の勉強の方向、将来の進路志望について、これらを関連づけながら明確に述べることが求められます。

また、課題レポートの内容について、黒板またはホワイトボードを使用(パソコン、模造紙は不可)し、15分程度のプレゼンテーションを行ないます。その後、プレゼンテーションの内容、数学、特に「数学Ⅲ」の基礎知識についての質疑応答が25分程度行われます。

1次選考結果との総合判定により、最終合否が決定します。

<物理科学科>

①1次選考:書類審査 

②2次選考:筆記試験(30分)、個人面接(約30分) 

①1次選考:書類審査

1次選考は、出願書類をもとに合否が決定します。

「志望理由書」には、なぜ物理に興味を持ち、京都産業大学理学部物理科学科を志望するのか、具体的に記述します。図や写真を使用することも可能です。(1,600~2,000字程度)

「自らの成果や実績を証明できる添付資料」は任意提出となっていますが、新聞や雑誌の記事、論文やレポートのコピー、表彰状のコピー、コンピュータプ ログラム(USBメモリー、CD、DVDに収録)、資格証明のコピーなど、自身をアピールできる資料がある場合には提出した方がよいでしょう。

②2次選考:筆記試験(30分)、個人面接(約30分)

1次選考の合格者に対し、2次選考では筆記試験と個人面接が課されます。

筆記試験では、数学および物理が出題されます。数学の出題範囲は、数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学Bで、教科書の演習・章末問題レベルの問題が出題されます。物理の出題範囲は、力学で、基本についての理解を問う問題が出題されます。

個人面接は、これまでの勉学や活動をふまえ、入学後の勉学の抱負と進路志望について述べることが求められます。また、物理と微分・積分などの数学の基礎知識についての口頭試験が個人面接の中で15分程度行われます。

1次選考結果との総合判定により、最終合否が決定します。

<宇宙物理・気象学科>

①1次選考:書類審査 

②2次選考:個人面接(約50分)

①1次選考:書類審査

1次選考は、出願書類をもとに合否が決定します。

「志望理由書」には、①宇宙物理学または気象学に興味を持つようになった理由、②宇宙物理・気象学科を志望する理由、について1,600~2,000字程度で具体的に記述します。

「課題レポート」は、今まで学んだ物理学、宇宙物理学・気象学、あるいは、地球や地球を取り巻く環境に関連する事柄の中で最も感銘を受けたこと(実験、観測、法則あるいは天体・気象 現象など)に関連する課題研究や探究活動を記述します。

「自らの成果や実績を証明できる添付資料」は、上記の「特に定めている出願要件(1)」に該当する場合は任意提出ですが、「特に定めている出願要件(2)」に該当する場合は、「実用数学技能検定」や「実用理科技能検定 物理検定」合格証のコピーを必ず提出する必要があります。

②2次選考:個人面接(約50分)

1次選考の合格者に対し、2次選考では個人面接が課されます。

個人面接では、これまでの勉学や活動をふまえて、入学後の勉学の方向と進路志望について、明確に述べることが求められます。また、課題レポートに書いた事柄について、黒板またはホワイ トボード、A0判サイズまでの自作のポスターあるいはパソコンを使用し、10分程度のプレゼンテーションを行ないます。その後、プレゼンテーションの内容の質疑応答、 物理学と数学の基礎知識についての口頭試験が40分程度行われます。

1次選考結果との総合判定により、最終合否が決定します。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は

数理科学科 約2名、物理科学科 約2名、宇宙物理・気象学科 約2名 です。

倍率は

※2025年度入試の結果が公開されていたので、2025年度、2024年度、2023年度の倍率を載せておきます。

2025年度入試2024年度入試2023年度入試
数理科学科1.72
物理科学科1志願者なし志願者なし
宇宙物理・気象学科3.722

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、京都産業大学理学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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