甲南大学理工学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関西の準難関私立大学群、産近甲龍のひとつである甲南大学。

甲南大学は関西唯一の私立の7年制高等学校であった旧制甲南高等学校を前身とし、1951年に開学しました。創立者の平生釟三郎は、「人格の修養と健康の増進を重んじ、個性を尊重して各人の天賦の特性を啓発する人物教育の率先」を教育理念として掲げました。この「人物重視の教育の実践」が、日本に数多くのリーダーを送り出してきた甲南の原点となっています。現在では、学生数約9000人、人文科学から社会科学、自然科学まで幅広い教育・研究分野を有する「ミディアムサイズの総合大学」となっています。総合大学でありながら、1クラスあたりの受講者数を150名以下とするなどの取り組みにより、きめ細やかで「顔がわかる少人数教育」を推進しています。学部学科に関係なく学べる共通教育や融合型カリキュラムが充実しており、視野を広げ、社会で活躍できる実践力を身につけることができます。

理工学部では、甲南大学ならではの学びで、物事の本質をとらえる「理学」と、技術に応用する「工学」を融合して、物事を分析し、考察し、結論を導き出す力を育てます。2026年には、幅広い視点から生命への理解を深める生物学科に加え、グリーンな未来を切り拓く「環境・エネルギー工学科」、次世代工学の未来を創る「宇宙理学・量子物理工学科」、物質の可能性を探究する「物質化学科」を新設・改組。多様な分野で社会の課題にアプローチします。

この記事では、そんな甲南大学理工学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆甲南大学理工学部の総合型選抜入試の名称

甲南大学理工学部の総合型選抜入試は、「公募制推薦入学試験(探究活動評価型)」、「公募制推薦入学試験(女子特別推薦型)」、「公募制推薦入学試験(教科科目型)」という名称で募集がなされています。

◆甲南大学理工学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

甲南大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

理工学部では、自然科学に関する基礎的な素養と各学科の専門分野の基本的な知識・技能を有し、事象の中から問題を発見し論理的に考察することで、自ら問題解決を図る意志と能力、さらには他者と協調・協働する能力を有した人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。

❶理工学部で学ぶ専門知識や技能を修得するため、高等学校または相当する教育機関において、理科・数学・外国語を中心とした幅広く基礎的な学力を身につけている。

❷理工学部および各学科の教育目標を理解して勉学に励み、理工学部の専門的な知識や技能、効果的なプレゼンテーション能力を、主体性をもって身につけることができる。

❸理工学部で専門知識や技能及び優れた協調性とコミュニケーション能力を修得し、科学技術を基盤とした現代社会の発展に貢献する意欲をもっている。

■物理学科

物理学科では、自然科学に関する基礎的な素養と物理学科の専門分野の基本的な知識・技能を有し、事象の中から問題を発見し論理的に考察することで、自ら問題解決を図る意志と能力、さらには他者と協調・協働する能力を有した人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。

❶物理学科で学ぶ専門知識や技能を修得するため、高等学校または相当する教育機関において、理科・数学・外国語を中心とした幅広く基礎的な学力を身につけている。

❷物理学科の教育目標を理解して勉学に励み、物理学科の専門的な知識や技能、効果的なプレゼンテーション能力を、主体性をもって身につけることができる。

❸物理学科で専門知識や技能及び優れた協調性とコミュニケーション能力を修得し、科学技術を基盤とした現代社会の発展に貢献する意欲をもっている。

■生物学科

生物学科では、自然科学に関する基礎的な素養と生物学に関する基本的な知識・技能を有し、事象の中から問題を発見し論理的に考察することで、自ら問題解決を図る意志と能力、さらには他者と協調・協働する能力を有した人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。

❶生物学の専門的な知識や技能を修得するため、高等学校または相当する教育機関において、理科・数学・外国語を中心とした幅広く基礎的な学力を身につけている。

❷生物学科の教育目標を理解して勉学に励み、生物学における専門的な知識や技能、効果的なプレゼンテーション能力を、主体性をもって身につけることができる。

❸生物学科で身につけた専門知識や技能、優れた協調性とコミュニケーション能力を礎に、科学技術を基盤とした現代社会の発展に貢献する意欲をもっている。

■機能分子化学科

機能分子化学科では、化学および関連分野に関する専門的な知識、技能を修得し、これらを活用できる論理的思考力および表現力を備え、自ら問題解決を図る実行力、さらには他者と協調・協働する能力を有した人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。

❶機能分子化学科で学ぶ専門的な知識や技能を修得するため、高等学校または相当する教育機関において、理科・数学・外国語を中心とした幅広く基礎的な学力を身につけている。

❷機能分子化学科の教育目標を理解して勉学に励み、化学及び関連分野に関する専門的な知識や技能、効果的な発表能力を、主体性を持って身につけることができる。

❸機能分子化学科での学びを通して論理的思考力を養い、高度な専門知識やコミュニケーション能力に基づく問題解決力を活かして現代社会の発展に貢献する意欲をもっている。

公式HPのURL:

https://ch.konan-u.ac.jp/admission/course/admission-policy

◆出願条件・日程

甲南大学理工学部の総合型選抜入試には、「公募制推薦入学試験(探究活動評価型)」、「公募制推薦入学試験(女子特別推薦型)」、「公募制推薦入学試験(教科科目型)」があり、それぞれ出願条件に制約があります。

<1>公募制推薦入学試験(探究活動評価型)

・出願期間:  2024年9月1日(日)~9月7日(土)

・第1次選考(書類選考)合格発表日: 9月26日(木)

・第2次選考試験日:      10月12日(土)

・第2次選考合格発表日:   11月1日(金)

出願条件は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「探究活動に関するレポート」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/

<2>公募制推薦入学試験(女子特別推薦型)

・出願期間: 2024年9月1日(日)~9月7日(土)

・第1次選考(書類選考)合格発表日: 9月26日(木)

・第2次選考試験日: 10月12日(土)

・第2次選考合格発表日:11月1日(金)

出願条件は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「自身の将来像に関するレポート」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/

<3>公募制推薦入学試験(教科科目型)

・出願期間:  2024年10月3日(木)~10月15日(火)

・試験日:   11月10日(日) 

・合格発表日: 11月22日(金)

出願条件は以下のとおりです。

また、「志望理由書」や「自己推薦書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/

◆試験内容

試験内容は試験型によって異なります。各試験型の試験内容は以下のとおりです。

<1>公募制推薦入学試験(探究活動評価型)

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:面接

①第1次選考:書類選考

第1次選考は、出願書類により行われます。「志望理由書」および「探究活動に関するレポート」 については、内容、文章表現、探究活動の独自性などが評価されます。

「志望理由書」は、志望した理由、目指す将来の進路および自らを志望する学科に推薦する理由について、1,000字程度にまとめて記述します。

「探究活動に関するレポート」は、探究した研究課題(50字以内、探究した内容がわかるようなタイトルにすること)、研究背景(350~500字)、設定した目的・仮説(125字以内)、課題を解決するためにとった方法(100~300字)、得られた結果(300~500字)、グループ活動の場合は、探究活動で果たした役割(125字以内)を記述します。

②第2次選考:面接

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では面接が行われます。

面接では探究活動に関して質問されます。探究活動の内容を自身の言葉でわかりやすく説明できるように準備しておきましょう。

<2>公募制推薦入学試験(女子特別推薦型)

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:面接

①第1次選考:書類選考

第1次選考は、出願書類により行われます。「志望理由書」および「自身の将来像に関するレポート」 については、内容、文章表現、文章構成などが評価されます。

「志望理由書」は、理工学部・物理学科を志望した理由、目指す将来の進路および自らを理工学部・物理学科に推薦する理由に ついて、1,000字程度にまとめて記述します。

「自身の将来像に関するレポート」は、理工系の知識を持った人材としての自己の将来像について、および、それを実現するために在学中に取り組みたいことについて、800字程度で記述します。自己の将来像に関しては志望理由書に書かれている内容と重複があっても問題ありません。

②第2次選考:面接

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では面接が行われます。

面接では、卒業後の将来像についておよび物理・ 数学に関する基礎的な内容が問われます。「自身の将来像に関するレポート」の内容について、自分の言葉でわかりやすく説明できるように準備しておきましょう。

<3>公募制推薦入学試験(教科科目型)

筆記試験の結果、調査書、志望理由書、自己推薦書の評価の合計点により合否が決定します。1教科でも欠席した場合、合否判定の対象となりませんので注意しましょう。なお、合格者の選考は一般方式、外部英語試験活用方式それぞれに行われます。外部英語試験活用方式を選択した場合は、外部英語試験の得点をみなし得点に換算し、外国語(英語)の得点に充当します。みなし得点の換算についての詳細は、入試要項で確認してください。(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/

試験教科、科目、配点は以下のとおりです。(過去問データなし)

◆募集人員・倍率情報

<1>公募制推薦入学試験(探究活動評価型)

募集人員は

物理学科 約2名、機能分子化学科 約2名 です。

倍率はデータがありませんでした。

<2>公募制推薦入学試験(女子特別推薦型)

募集人員は

物理学科 約2名 です。

倍率はデータがありませんでした。

<3>公募制推薦入学試験(教科科目型)

募集人員は

物理学科10名、生物学科8名、機能分子化学科 15名 です。

倍率は

※倍率のデータは大学HP(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/result/)から転記しています。2023年度・2022年度は入試方式、試験教科・科目が異なり、データの掲載がないので空欄です。

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
物理学科一般方式1.6
外部英語試験活用方式1.6
生物学科一般方式5.7
外部英語試験活用方式4.3
機能分子化学科一般方式1.5
外部英語試験活用方式1.3

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、甲南大学理工学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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