試験(論文・面接など)対策

<目次>

総合型選抜(AO入試)の試験の内容は?

総合型選抜入試(AO入試)では、大学や学部の特性に応じて、受験生の個性や能力を多面的に評価するさまざまな試験が行われます。

以下に、総合型選抜入試で一般的に実施される試験の種類と具体例を挙げて説明します。

1. 書類審査

提出書類(志望理由書、活動報告書、調査書など)をもとに、受験生の適性や実績を評価します。多くの大学学部で1次試験に用いられます。

〇具体例

志望理由書で「大学で学びたい具体的な内容」や「将来の目標」を確認。

活動報告書で「部活動やボランティア活動での成果」や「リーダーシップ」を重視。

2. 小論文・課題型試験

与えられたテーマに基づいて意見や考察を述べる試験です。論理的思考力、表現力、課題解決能力が評価されます。事前課題として1次試験の書類と共に提出するケースもあれば、書類審査通過後の2次試験として試験会場で書く場合もあります。

〇具体例

社会系学部:「少子高齢化における地域社会の課題を挙げ、それに対する解決策を述べなさい」

理系学部:「CO2排出削減に向けた新たな技術について考察しなさい」

芸術系学部:「あなたが影響を受けた作品について述べ、その理由を説明しなさい」

3. 面接

受験生の人間性、志望動機の深堀り、将来の展望、アドミッションポリシーとの適合などを直接確認する試験です。個別面接とグループ面接があり、大学によって形式が異なります。

〇具体例

個別面接:「志望理由について具体的に教えてください」「本学で学びたいことは何ですか?」

グループ面接:「他の受験生とディスカッションしながら意見をまとめる形式」

プレゼンテーション型面接:「自身の活動や研究内容をプレゼン資料を使って発表し、それについて質疑応答を行う形式」

4. グループディスカッション

複数の受験生が1つのテーマについて意見交換を行い、議論の進行や他者との協調性、他者の意見を理解する理解力や、自身の考えを発想し発信する力などが評価されます。

〇具体例

テーマ:「地方創生のために若者ができること」

グループ内で話し合い、議論の内容をまとめて発表する。

5. プレゼンテーション

自分の活動、研究、志望理由などをまとめ、発表する試験です。内容の独自性や表現力、説得力が評価されます。プレゼンの後にそのまま質疑応答が行われるケースも多く存在します。

〇具体例

理系学部:「高校で行った科学研究のプロセスと成果を発表」

社会系学部:「地域活性化プロジェクトでの実践経験を発表」

芸術系学部:「自身の制作物や創作活動について説明」

6. 実技試験

芸術系やスポーツ系の学部で実施され、実技の技能を直接評価します。

〇具体例

音楽学部:ピアノや声楽の演奏試験

美術学部:デッサンや絵画の制作試験

スポーツ学部:特定の競技における技能テスト(タイム測定や動作チェックなど)

7. 学部適性試験

学部で求められる基本的な能力や思考スタイルを測る試験です。

〇具体例

心理学部:「論理的推論を問う問題」や「心理実験に関する基礎的知識の確認」

医療系学部:「医療倫理に関する簡単な設問に答える問題」

8. デザイン型課題

創造力や問題解決能力を評価する試験です。課題に対する独自のアプローチや発想が問われます。

〇具体例

建築学部:「与えられた敷地に最適な建物のスケッチを作成する」

情報学部:「新しいアプリケーションのアイデアを提案し、その機能を説明する」

9. 英語や他の言語のスキルテスト

グローバル系や国際学部で行われることが多く、英語や他の外国語の運用能力を測ります。

〇具体例

TOEFLやIELTSのスコア提出に加え、独自の英語面接やエッセイライティングを課す場合もあります。

大学ごとに多様な試験形態があり、準備をする側の受験生は大変ですが、自身との相性などを考慮しながら受験校を検討することで合格可能性を高めることが可能です。

総合型選抜(AO入試)の小論文の書き方

総合型選抜入試(AO入試)の小論文は、受験生の論理的思考力や表現力、課題解決能力を評価する重要な試験です。書く方も評価する方も大変ではありますが、小論文ひとつで受験生の上記能力を速やかに測ることができます。

以下に、小論文の作成方法と注意点を詳しく解説します。

1. 小論文作成の基本ステップ

(1) 出題文やテーマをしっかり読む

問題文や指示に従い、テーマの意図を正確に理解します。

キーワードを確認し、「何を問われているのか」「どの視点で考えるべきか」を把握します。

(2) アイデアを整理する

書き始める前に構成(アウトライン)を作成します。設計図のようなものですね。

一般的な流れは

導入:テーマに対する背景や現状を説明。

本論:自分の意見や根拠を具体的に展開。

結論:自分の主張を簡潔にまとめ、提案や将来の展望を加える。

のような構成になります。

(3) 具体例を用いて論理的に展開

本論を記述する際には、自分の経験やニュース、学んだ知識を活用して具体例を示し、説得力を持たせます。

例:「少子高齢化の問題について」→地域の現状、統計データ、関連する社会活動を引用。

自分の意見だけでなく、反対意見への理解を示しながら自分の主張を補強するのも効果的です。

(4) 文法・表現に注意しながら執筆

論理的かつ簡潔に書きます。冗長な表現は避け、主張を明確に示します。例えば1文があまりに長くなると読みづらい文章となりますので注意が必要です。

(5) 推敲・校正を行う

書き終えた後は、必ず見直して誤字脱字や論理の矛盾を修正します。

2. 小論文の構成例

例題:「地域社会における若者の役割について考えるところを述べよ」

(1) 導入

テーマの背景を説明:

「現代日本では少子高齢化が進行し、地域社会の活力低下が懸念されている。その中で、若者が果たすべき役割が注目されている。」

(2) 本論

若者が地域社会で果たすべき役割について具体例を挙げる:

「若者は情報技術に強く、SNSを活用して地域の魅力を発信することで観光促進に寄与できる。また、地域活動への積極的な参加を通じて、高齢者との世代間交流を深めることができる。」

問題点や課題も併記:

「一方で、若者が地域社会に関与する機会は限定的であり、行政や地域住民との連携が十分ではないという課題が存在する。これに対しては~」

(3) 結論

主張の再提示と提案:

「若者が地域社会で重要な役割を果たすためには、自治体や学校が協力し、若者の意欲を引き出す環境づくりが不可欠である。」

3. 小論文作成時の注意点

(1) テーマに正確に答える

問題の指示から外れた内容は減点対象になります。テーマに沿った内容を展開しましょう。

(2) 論理的な一貫性を持たせる

主張、理由、具体例、結論がつながるように意識します。自分の核となる主張から逸れる話や、主張のサポートにならないような具体例を書いてしまわないように注意しましょう。

(3) 主張は明確に

自分の意見を曖昧にせず、明確に示します。例:「~だと思う」ではなく「~である」と断定形を使う。また、結論を最初と最後に明記することで分かりやすい文章になります。

(4) 客観的な根拠を示す

データや具体例を使い、意見に信頼性を持たせます。ただし、無理に難しいデータを引用しないこと。

(5) 誤字脱字や文法に注意

誤字や文法ミスがあると印象が悪くなります。必ず見直しを行いましょう。

(6) 制限字数を守る

大幅な字数不足や超過は減点の対象になります。時間を計って練習し、字数感覚を身につけましょう。

例えば「1000字以内」という指示があれば、最低でも900字は書きたいところです。

4. 合格する小論文を書くための練習方法

(1) 過去問を解く

志望大学の過去問を解き、出題傾向を把握しましょう。

(2) 模範解答を読む

模範解答や優秀な例文を参考にし、論の構成や論拠の内容などを分析しましょう。自分の文章と比較して改善点を見つけるなど、まずは高評価を得られる小論文がどのようなものなのかを理解しておくことが大切です。

(3) 制限時間内での執筆練習

時間制限を設けて、素早く構成を考え執筆する練習を繰り返します。

具体的に、構成を考える時間に〇分、執筆する時間に〇分というように時間配分も決めておけると良いでしょう。

(4) 必ず添削指導を受ける

高校の先生や予備校の講師に添削を依頼し、客観的なフィードバックをもらうことが重要です。自分では気づけない論理矛盾や文章表現の悪い癖などを指摘してもらいましょう。

5. 小論文で評価されるポイント

大学学部ごとに評価基準は様々ですが、一般的な評価項目が下記になります。

・テーマ理解度:テーマや指示を正確に把握しているか。その受験学部らしいテーマと紐づけて考えられているか。

・論理性:意見が明確で、根拠が説得力を持っているか。

・表現力:簡潔かつ正確な日本語で書けているか。

・独自性:オリジナリティがあり、自分の視点が活かされているか。

・課題意識:社会問題への理解や解決意識が示されているか。

総合型選抜の小論文は、自分の考えを論理的かつ説得力を持って伝える試験です。テーマ理解、論理的展開、具体例の活用、誤字脱字の防止を徹底することが成功の鍵です。十分な練習と添削を重ね、完成度の高い小論文を目指しましょう!

総合型選抜入試(AO入試)の面接の注意点

総合型選抜入試(AO入試)は多面的な人物評価をおこなうため、面接試験を課す大学学部が多いです。

一次試験として書類や小論文を課し、その合格者に二次試験として面接を実施する大学などもあります。

この項では、総合型選抜の面接試験で気をつけたいことを確認します。

面接の目的

大学側は様々な書類を提出させたうえで、なぜさらに面接を実施するのでしょうか。

一言で言うとすれば「受験生の思考の深さ、中身の真価を見ている」と考えておくとよいと思います。

乱暴に言えば、書類は誰か大人に代筆させることができます。実際、学校の先生や塾で添削指導を受けたり、家族からアドバイスをもらうことは往々にしてある、というかそっちのほうが恐らく普通です。

ということは、大学が受け取る出願書類には、受験生の本来の実力以上のものが出ていたり、文面としては立派なことが書かれているけれども、実際本当のところはどうなのか疑わしかったりという状態が発生しているわけです。

そこで面接をして対話をすることにより、その受験生の「実態」を測っているわけです。

大学にとって、面接を実施することはかなり負荷の大きいことです。教授たちを面接官として配置し、何人もの受験生と面談させることには相当なコストがかかります。

しかし受験生の実態を見極めて、本当に入学にふさわしい人を選抜するために、大学側は面接試験を実施しているのです。

面接の評価

面接試験対策の方法を紹介する前に、面接で大学側がどのように受験生を評価しているのかを理解しておきましょう。

もちろん大学学部によって評価方法や評価基準は様々であり、その内容は非公開です。ですのであくまでも一般論になります。

評価は基本的には「ルーブリック」というものを使って行われます。

例えば

➀アドミッションポリシーに合致している 1  2  3  4  5

②学習計画が明確である 1  2  3  4  5

③主体的に探究できる力がある 1  2  3  4  5

④論理的に思考し、表現することができる 1  2  3  4  5

というように、大学側が必要だと思う素養を項目にし、それを5段階や7段階で評価しています。

残念ながらペーパーテストのような明確な正解があり、点数がはじき出されるものではありません。

上記のような評価方法である以上、その面接官個人の主観に基づく評価がベースになります。ここが総合型選抜入試の難しいところです。面接官との相性に左右される部分も少なからずあります。しかしそこはブラックボックスですので、仮に不合格だったとして、何が悪かったのか知る術はありません。

面接で必ずされる質問とポイント

とはいえ、しっかりと対策をすれば面接試験で高評価を得ることは可能です。しかし簡単ではありません。

ⅰ)探究や活動実績に対する深堀り質問

まず最も重要な対策は「自身の探究を実体験に根差して深く理解していること」です。

前述の通り、志望理由書や自己PR書などの書類を通して、受験生が何を学びたいのか、どんな活動をしてきたのか面接官は既に知っています。そしてそれを本当に受験生が心からやりたいと思っているのか、精力的に活動してきたのかを探ろうとしてきます。

それを探るために、面接官は「掘り下げ質問」をしてきます。

「●●を探究していたんだね。そこで1番苦労したことはなに?」

「●●をやっていたんなら、きっと■■が難しかったと思うけど、それはどう乗り越えた?」

「●●の研究に関しては△△大学が有名だけど、なんでうちの大学なの?」

「●●って既に多くの人が研究しているけど、今からあなたがやる必要性はどこにある?」

下の2個はなかなか意地悪な質問ですが、SFCなどの難関大では当たり前に質問されます。

大学教授はその道のプロです。受験生の探求テーマの魅力も難点も大体経験してきて分かっています。ですから、受験生が本気で主体的に活動しているのかどうかは、上記のような質問に対する回答の中身の濃さを聞けばすぐに分かってしまいます。

よって「自身の探究を実体験に根差して深く理解していること」が最重要となるわけです。

ⅱ)志望理由に関する質問

志望理由書を提出する大学学部でも、面接で改めて志望理由を聞かれることは多くあります。志望理由において重要なことは「志望理由書の書き方」の記事を確認してみてください。

そのうえで、面接で志望理由を語るときに気をつけたいポイントは2点です。

・志望理由書に書ききれなかったソフトな情報を追加する

・身体全体で熱意を伝える

志望理由で絶対に欠かせない情報は「なぜその大学学部でなければいけないのか」でした。しかし書類には字数制限があるため、その重要ポイントを書いただけで字数いっぱいになってしまうこともあります。そこで面接では、追加情報を言葉で伝えましょう。

例えば、オープンキャンパスで感じたこと、教授や学生の言葉で感銘を受けたもの、自分がそのときどのような気持ちになったかなどは、なかなか細かく書類に書くことはできません。しかし言葉であれば臨場感を持って自分の想いを伝えることができます。

そして是非それを伝えるときには熱意を込めてください。面接官の目を見ること、大事な部分で語気を強めること、身振り手振りを加えることも効果的です。

対面の面接でしか伝えられない情報が必ず存在しますので、それを余すことなく表現しましょう。

面接試験の対策方法

では具体的にどのような準備、練習をしておけばよいのでしょうか

ⅰ)王道の質問に対して回答を準備する

いわゆる鉄板質問というものがあります。

志望理由、自分の長所短所、高校時代1番頑張ったことなど、聞かれる可能性が高い質問については、1度文章に書き起こすなどして回答を作っておきましょう。

ⅱ)自分が受験する大学学部の面接試験情報を集める

上記に加え、自分が受験する大学学部の面接試験で過去にどのような質問がされたのか調査しましょう。

ネット検索、学校の先生にOBのアンケートを見せてもらう、塾でデータをもらう、先輩に聞くなど、ここは頑張って行動し、情報を集めましょう。

もちろん本来あるべき姿は、面接試験のその場で面接官から聞かれたことに対して、自分の想いや考えを自分の言葉で紡ぎ出して回答することです。

ただ、それが納得のいくレベルでできるためにも、事前準備は重要です。準備のために色々と考え、頭の中を整理し、言葉にする作業も、自分の探求を深める一助になります。

ⅲ)口に出して練習をする

回答の準備が頭の中や文章化することによって整ったら、必ず喋る練習をしてください。

頭の中にあるものを言語化することは、得意不得意の分かれるところです。せっかく良い考えがあっても、うまく言葉にできなければ相手には伝わりません。

想定される質問に対する回答は、何度も声に出して練習してください。そのうち勝手に言葉が出るぐらい、自信をもって話すことができるようになるはずです。

このときに大切なことは「誰かに見てもらう」ことや「スマホで録画する」ことです。

面接をうまくいかせるためには話の内容だけではなく、全体的な「印象」が重要になります。

例えば自信なさげに下向き加減で喋っている人は、例えその内容が素晴らしくても面接官を不安にさせてしまいます。

声の明るさ、大きさ、表情、目線、身振り手振りなどを必ずチェックしてください。

ⅳ)(できれば)専門家に模擬面接をしてもらう

最後に仕上げとして行いたいのが、本番を想定した模擬面接練習です。

面接試験はナマモノです。色々と回答を用意しても、全く想定していなかった質問をされることはもちろんあります。また面接はひとつのコミュニケーションですから、あなたの回答に対して、それに紐づく次の質問がなされ、深く深く話を掘り下げられることもあります。

そういったケースに臨機応変に対応するためのトレーニングもしておきたいところです。

学校の先生に頼んだり、専門塾で実施してもらうのが一般的ですが、できればここまで練習をしておきましょう。

総合型選抜(AO入試)対策には塾に行くべき?

総合型選抜入試(AO入試)の対策において、専門の塾や予備校に通うことは、多くのメリットがあり、受験生にとって非常に有益です。以下ではその具体的なメリットを挙げながら、なぜ塾や予備校を利用するべきかを説明します。

1. 専門的な指導を受けられる

総合型選抜は、一般入試とは異なる対策が求められます。たとえば、小論文、面接、プレゼンテーションなど、学力だけでなく表現力や個性が重要視されます。

塾や予備校では、総合型選抜に特化したカリキュラムが用意されており、出題傾向を熟知したプロの指導を受けることができます。

志望理由書や小論文の添削、面接練習など、大学ごとの出題や評価基準に合った対策が可能です。

2. 効率的な学習が可能

総合型選抜では、通常の高校生活や部活動と並行して対策を進める必要があります。そのため、効率的な学習計画が重要です。

塾や予備校では、受験までのスケジュールを的確に立て、効率的に進める方法を教えてくれます。

限られた時間の中で重点的に取り組むべき内容を明確にできるため、無駄なく準備を進められます。

3. 志望理由書や小論文の質が格段に向上

総合型選抜では、志望理由書や小論文の出来栄えが合否を大きく左右します。

塾や予備校の講師は、多くの受験生を指導してきた経験があり、具体的なアドバイスをもらえます。

たとえば、「自分の経験や志望理由をどう具体的に表現すべきか」「論理的な文章構成はどうするか」といった指導を受けることで、独自性のある高品質な書類を作成できます。

4. 面接対策で自信を持てる

面接は、多くの受験生が緊張や苦手意識を持つ試験です。特に、大学ごとに異なる質問内容や評価ポイントに対応する準備が欠かせません。

塾や予備校では専門の講師が模擬面接を実施し、適切なフィードバックを提供してくれます。

実際の試験を想定した環境で練習を重ねることで、本番で落ち着いて対応する力を養えます。

非言語的な要素(表情や姿勢、声のトーンなど)にもアドバイスをもらえます。

5. 仲間と切磋琢磨できる環境

塾や予備校には、同じ目標を持つ仲間が集まります。この環境は、受験対策を進めるうえで大きな励みになります。

仲間と意見交換や情報共有をすることで、新たな視点を得たり、モチベーションを高めたりできます。

他の受験生の取り組みを見ることで、自分に足りない点を見つけ、改善につなげることができます。

6. 最新情報を得られる

大学ごとに出題傾向や選考基準が変化する総合型選抜では、最新の情報を得ることが非常に重要です。

塾や予備校は、大学の最新動向や過去の試験傾向に精通しており、適切なアドバイスを提供してくれます。

例えば、「昨年度から新たに導入された課題型試験」や「面接でよく聞かれる質問」などの情報を把握し、対策を取ることができます。

7. モチベーションの維持

個人の独学で対策を進める場合、スケジュール管理やモチベーションの維持が難しくなることがあります。

塾や予備校では、定期的な進捗確認やアドバイスを受けることで、やる気を保ちながら計画的に進めることができます。

自分一人では気づかない課題を指摘してもらえるため、安心して受験準備を進められます。

8. 家庭や学校では得られない専門的な支援

家庭や学校の先生がサポートしてくれる場合もありますが、総合型選抜の専門知識を持った人材はまだまだ限られています。

塾や予備校では、総合型選抜に特化したプロフェッショナルが指導にあたり、受験生一人ひとりの状況に合わせた対応が可能である場合が多いです。

塾・予備校を選ぶ際の具体的なアクションプラン

情報収集:志望校に強い塾や予備校を、総合型選抜塾比較コンシェルジュを使って調べる

コンタクト:資料請求や個別面談を申し込んで各塾の特徴詳細を知る

体験授業:無料体験授業に参加して、実際の指導内容を確認する

総合型選抜入試は、一般入試とは異なる特別な対策が求められます。専門の塾や予備校に通うことで、効率的かつ質の高い対策が可能になり、合格への可能性を大きく引き上げることができます。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、プロの指導を受けて、ぜひ志望校合格を目指しましょう!

総合型選抜入試と一般入試は両立は可能?

総合型選抜(AO入試)の受験者の多くは、その対策を始める前に誰もが1度は「一般入試は受験すべきか」と悩みます。

もちろん早期に結果が出る総合型選抜で第一志望校の合格が出れば、その先の一般入試は受験しなくても済むでしょう。

しかし総合型選抜で仮に志望校に合格できなかった場合は、一般入試でリベンジをしたいと思う人が多いはずです。ただ、その合否が判明する時点で、一般入試までは残り数カ月・・・。急に対策を開始しても間に合う可能性は低い残り時間です。

つまり理想的には「最初から総合型選抜と一般入試の両立」をきちんと計算して取り組んでおくことが求められますが、実際にそれは可能なのでしょうか?

1.総合型と一般の両立はかなりハードだが可能

結論から述べれば「可能」です。ただしかなりハードな受験生活になる覚悟が必要です。

現状の学力と志望校の距離感にもよるため一概には言えませんが、一般入試のライバルには一般入試だけの対策をずっとしてきた人たちが多くいます。両立を目指すのであれば、総合型選抜の準備をしながら、そのようなライバルに負けないように一般入試の準備をする必要があるわけですので当然大変です。

しかし、両立すべく頑張ることには大きなメリットもあります。

2.総合型選抜と一般入試を両立させるメリット

ⅰ)受験機会を複数確保でき、合格の確率を高められる

受験はその試験一発勝負で結果が決まります。今は様々な選抜方式が増え、同じ大学学部でも方式を変えて何度もチャレンジできる大学が増えていますが、総合型と一般の両方で受験をすれば、その分だけ合格の確率を高めることができるのは言うまでもありません。

逆に言えば、総合型選抜一本で受験をする人は大きなリスクを抱えていることを意味します。総合型で合格が1校も出ず、一般入試の対策もゼロであれば、その年に大学に合格する見込みは限りなく少なくなります。

総合型選抜のみで受験をするつもりの人は、その点を十分考慮に入れたうえで覚悟を持って対策する必要があります。

ⅱ)ハイレベルな大学に安心してチャレンジできる

もし総合型選抜で合格が1校でも確保できれば、それは一般入試に挑む際に大きな自信・精神安定剤となるでしょう。一般入試では第一志望など、ハイレベルな大学に安心してチャレンジができ、後悔なく自身の可能性を試すことができます

ⅲ)基礎学力が向上する

当然ですが大学での研究にも、基本的な学力が必要です。総合型選抜までで受験勉強をやめてしまうよりも、一般入試を視野に入れて冬まで勉強をし続けていれば、その分だけ学力が向上します。大学入学後も英語のクラス分けテストなどがあるところが多いですが、そのようなシーンで役に立つ力を身につけられるはずです。

3.総合型選抜と一般入試を両立させる方法

では、どうすればこの大変な両立を成功させることができるのでしょうか。

ⅰ)対策を1日でも早く開始する

総合型選抜の対策も一般入試の対策も、可能な限り早く始めることが、まず第一に大切なことです。受験学年になってから思いついたように対策を開始しても、両方の試験の準備を両立させることはかなり困難です。なるべく自分の未来を想像し、高1高2のうちから対策を開始しましょう。

ⅱ)スケジュール管理、バランス管理を徹底する

これは受験を初めて経験する高3生にはかなり難しいことではあるのですが、総合型の対策と一般入試の対策のバランス管理を徹底して行うことが大切です。

ざっくりとしたイメージは一般入試の対策が基盤にあり、必要なときに総合型選抜の対策を織り交ぜる感覚になります。

この点においては、やはり専門家の視点がとても重宝しますので、塾などで管理を手伝ってもらうことで成功に近づくことは明らかです。

ⅲ)英検など資格試験の活用

英検で2級や準1級を獲得することは、昨今の大学受験をとてもスムーズなものにしてくれます。

まず総合型選抜では英検取得が出願条件になっているところなどがあり、英検を保持しておくことで出願の幅が広がります。一般入試では英検が一定スコア以上あれば英語試験が免除になるような大学もあり、それらを利用すれば験英語の勉強が不要になり得ます。

うまく英検などを活用することで両立がしやすくなる可能性があるのです。

以上、総合型選抜と一般入試の両立は大変ですがメリットも多くあると言えます。

今後は総合型選抜(AO入試)においても共通テストのスコアが必要になるなど、基礎学力を重視するような傾向が高まると予想されています。

なるべく早く対策を開始し、まずは両立を目指して対策を始めると良いかもしれません。