合格・入学準備

<目次>

総合型選抜(AO入試)の試験当日の注意点

総合型選抜入試(AO入試)に向けて入念な準備をしてきた受験生は、試験直前や当日に実力を発揮すべくどのようなことに注意すればよいのでしょうか。以下に、受験生が意識すべき注意点とポイントを詳しく解説します。

総合型選抜入試の試験当日は、入念な準備と当日の冷静な対応が合否を左右する重要な日です。以下に、受験生が意識すべき注意点とポイントを詳しく解説します。

1. 試験前日の準備

(1) 試験会場の確認

試験会場までのアクセス方法(電車やバスの路線、所要時間)を事前に調べておきましょう。

試験会場の配置図や、受付場所も確認しておくと安心です。1度も行ったことがない場合は特に注意してください。

(2) 持ち物の準備

必須の持ち物:

受験票

身分証明書(学生証や保険証など)

筆記用具(黒のボールペン、鉛筆、消しゴムなど)

腕時計(試験会場によってはスマートウォッチが禁止されている場合があります)

場合によって必要なもの:軽食、マスク、プレゼンのために必要な資料やPCなどのデバイス

(3) 試験内容の最終確認

小論文や面接がある場合、出題テーマや想定質問を復習しましょう。

面接対策では、志望理由や大学に関連する内容を口に出して練習します。

新しいことを色々と考えるよりも、これまでやってきたことを丁寧に思い出すほうが良いでしょう。

(4) 十分な睡眠をとる

試験前日は早めに就寝し、6~8時間の睡眠を確保してください。心身の調子を整えるために重要です。小論文や面接の受け答えにはかなり頭を使います。思考が冴えるためにも睡眠んは不可欠です。

2. 試験当日の注意点

会場には早めの到着し、自分をリラックスさせる

試験開始の1時間前には会場に到着することを目指しましょう。

交通トラブルに備えて、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

また、深呼吸など、自分なりのリラックス方法を実行して緊張をほぐしましょう。他の受験生の様子に惑わされず、自分の準備に集中することが大切です。

3. 小論文試験のポイント

(1) 時間配分を意識する

導入・本論・結論の構成を短時間で決め、書き始める前に簡単なメモを作成しましょう。

解答時間の10%程度は見直しの時間に充てると、誤字や表現のミスを修正できます。

本番となると過去問で練習していたときよりも細かいことを気にしてしまい、時間切れになるというケースはよくある失敗のひとつです。

(2) 問題文をしっかり読む

指示を見落とさないよう、テーマや条件を丁寧に確認してください。

問題文から外れると減点対象になるため、出題意図に合った内容を書くことが重要です。

緊張したり焦っていると「聞かれていることに答える」という最も当たり前のところがズレてしまうことがありますので、十分注意してください。

4. 面接試験のポイント

(1) 第一印象を大切に

会場に入室する際のノック、挨拶、表情、姿勢が評価に影響します。最初の印象次第で、その後の発言がポジティブに捉えてもらえるか、ネガティブに捉えられてしまうかが変わることもあります。

ハキハキとした声で挨拶し、面接官の目を見て話すことを心がけましょう。

(2) 質問への答え方

質問には結論から簡潔に答え、その後に理由や具体例を加えます。

例:「この大学を志望した理由は〇〇です。それは△△という経験を通じて、□□に関心を持ったからです。」

質問が分からない場合は、落ち着いて聞き返すことが大切です。

緊張するといつもよりダラダラと話してしまう人は意外と多いため、よく練習しておきましょう。

(3) 感謝を忘れない

面接の最後には、感謝の言葉を伝えます。これも印象を上げるポイントの1つです。

例:「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。」

5. 試験全体を通じた注意点

(1) 体調管理

試験当日は緊張で食欲が落ちる場合もありますが、軽くでも朝食をとることで集中力が高まります。試験会場の冷暖房対策として、上着やストールを持参するのがおすすめです。

(2) トラブルへの備え

道に迷ったり、電車の遅延があった場合は、大学に連絡を入れましょう。

万が一、持ち物を忘れた場合も、落ち着いて係員に相談することが重要です。

(3) 周囲の受験生に惑わされない

試験会場では、他の受験生が落ち着いて見えたり、過剰に準備しているように感じることがありますが、自分のペースを保つことが大切です。

総合型選抜入試は、試験当日の行動や準備が結果に大きく影響します。落ち着いて試験に臨むためには、前日の準備、当日のスケジュール管理、心構えが欠かせません。自分の力を最大限発揮するために、以上のポイントを意識して試験に臨んでください。応援しています!

総合型選抜(AO入試)の合格は辞退できる?

総合型選抜入試(AO入試)で合格を獲得した受験生が入学を辞退できるかどうかについては、大学や試験方式のルールにより異なります。総合型は辞退出来ないと思い込んでいる受験生も多いのですが、必ずしもそうではありません。一般的なルールと注意点を以下に説明します。

1. 総合型選抜入試での合格は「専願」である場合が多い

総合型選抜では、多くの場合「専願制」が採用されています。

専願制においては、その大学に合格した場合、他の大学を受験せず、必ずその大学に入学する意思を持つことが求められています。

この場合、合格後の入学辞退は基本的に認められていないため、慎重に志望校を選ぶ必要があります。

2. 入学辞退が可能なケース

一部の大学や学部では、以下のような場合に入学辞退が可能です:

(1) 併願が認められている場合

一部の大学では「併願制」を採用しており、他の大学と併願することが可能です。この場合、合格しても辞退は可能です。

ただし、大学によっては、入学金など一部費用の支払いを条件とする場合もあります。

(2) 入学手続きを行わない場合

総合型選抜の合格後、大学が指定する入学手続きの期限までに必要書類を提出したり、入学金を支払ったりしない場合、入学が辞退されたと見なされることがあります。

(3) 特別な事情がある場合

病気や家庭の事情など、やむを得ない理由で入学を辞退する場合は、大学に相談することで対応が考慮される場合があります。

3. 入学辞退に伴うリスクや注意点

(1) 入学金の返金について

入学手続きの一環として支払った入学金や諸費用は、辞退しても返金されないのが一般的です。大学の募集要項や入学手続き案内に記載されている返金ポリシーを事前に確認しておきましょう。

(2) 他大学の受験ができなくなる可能性

高校によっては調査書の発行枚数を制限している場合があります。専願制の場合、その1校を第一志望として受験するという前提にたち、1通しか調査書が発行してもらえないケースがあります。その場合、入学を辞退して他大学の総合型選抜を受験しようとしてもできなくなる可能性があります。

4. 辞退をする場合の流れ

もし合格後に辞退を考える場合は、以下の手順で手続きしましょう。

⑴高校の教員に相談

辞退を検討している場合、高校の教員などに念のため相談するとよいでしょう。上記のように調査書の件などを確認しておくと安心です。

⑵大学の担当部署に連絡

入学課や入試課に連絡し、辞退の意思を伝えるとともに、具体的な手続きを確認します。大学側が用意している辞退届などの書類をもらい、記入するのが一般的な流れです。

⑶次の進路を早めに決定する

既に次の進路が決まっているために辞退するのであれば良いのですが、そうでない場合は言わずもがな辞退後の進路を明確にし、必要な準備を進めることが重要です。

総合型選抜入試で合格後の入学辞退は、大学ごとのルールや入試方式によって異なります。特に専願制の場合、辞退は基本的に認められないという思想があります。受験前に募集要項を十分に確認し、自分の進路や希望に合った大学を選ぶことが大切です。もし辞退を検討する場合は、誠実な態度で早めに大学へ相談するようにしましょう。

総合型選抜(AO入試)の合格は取り消しになることがある?

滅多に聞くことがない話ではありますが、総合型選抜入試(AO入試)で合格を獲得した後でも、特定の事情により合格が取り消される可能性があります。以下に、考えられるケースを説明します。

1. 入学手続きの不備

合格後に指定された入学手続きが完了していない場合、合格が取り消されることがあります。

手続き期限を守らない

入学金や学費の支払い期限を過ぎる。

入学に必要な書類(誓約書や健康診断書など)の提出が期限までに行われない。

書類の記載ミス

提出書類に記入漏れや誤りがある場合、訂正が求められることがあります。対応が遅れると取り消しのリスクが高まります。

2. 提出書類の虚偽記載

志願時に提出した書類に虚偽や不正な内容が含まれていた場合、合格が取り消される可能性があります。

活動実績や受賞歴の偽造

実際に経験していない課外活動や受賞歴を記載していたことが発覚した場合

成績証明書の改ざん

高校の評定平均や成績が不正に書き換えられている場合

志望理由書や推薦書の偽造

他者が代筆したものや虚偽の内容が記載されたものが発覚した場合

など、これは受験生本人も故意におこなっているケースだと思いますが、大学側に不正が露見すれば合格取消となることがあります。

3. 試験中の不正行為の発覚

入試の過程で、不正行為が行われた場合も合格が取り消されます。

試験中のカンニングや不適切な行為。

面接試験での虚偽の発言。

他者への依頼や代行行為による小論文や提出課題の作成。

通常は試験中に発覚するケースが多い不正行為ですが、後から何らかの理由で発覚した場合には合格取消となる可能性があります。

4. 入学前の重大な問題行為

高校卒業までの期間に、重大な問題行動があった場合、合格が取り消されることがあります。

暴力行為や犯罪行為

警察沙汰になるような行為や学校での懲戒処分が理由となる場合があります。

重大な校則違反

高校在学中の不適切な行動が大学に報告され、入学不可となることがあります。

また、単位や出席の不足などでそもそも高校を卒業できなくなってしまった場合は、入試方式に限らず大学への入学自体が不可能となります。

5. 健康診断結果の問題

入学にあたり健康診断が求められる場合、診断結果に重大な異常があった場合、特定の学部や学科では入学が認められないことがあります。ただし、通常は大学が対応策を協議するため、即座に取り消されることは少ないです。

以上のように合格が取り消しとなるケースは、多くが不正行為や重大な手続きミスに関連しています。これらを防ぐためには、事前準備を丁寧に行い、誠実な対応を心がけることが重要です。合格を確実なものにするために、大学からの案内やルールをよく読み、適切な対応を徹底してください。

入学前までに課題はあるの?

総合型選抜入試(AO入試)で合格した受験生に対し、大学が入学前課題を与えるケースは珍しくありません。これには、受験生が入学後の学習や活動にスムーズに移行できるよう準備させる目的があります。以下に、入学前課題の具体例や特徴を説明します。

1. 入学前課題が与えられる理由

大学学部ごとに様々な狙いがありますが、まずは入学後の学習に備えるべく、学問の基礎知識を強化するためであることが一般的です。

ただ、それ以外にも、大学での活動のイメージをつかませるために自らの目標を再確認させるような課題や、入学までのモチベーション維持のために定期的に課題を配信する大学なども存在しています。以下によくある具体例を列挙します。

2. 入学前課題の具体例

以下は、総合型選抜入試で課されることがある入学前課題の具体例です。

(1) 課題レポート

内容:指定されたテーマについてのレポート作成

例:環境問題や社会課題に関するレポート(環境学部、国際学部など)。

例:志望分野に関する最新の研究動向を調べる(理系学部)。

(2) 読書感想文や書籍レビュー

内容:大学が指定した書籍を読み、その感想や考察をまとめる

例:文学部の場合、古典文学や現代文学の著作を読む課題。

例:経済学部の場合、経済関連のベストセラー書籍を読む。

(3) プロジェクト型課題

内容:グループでのディスカッションや、仮想プロジェクトを計画させる

例:教育学部では、実際の教育課題に対する解決策を考える。

例:観光学部では、地域振興の企画書を作成する。

(4) 英語や数学の基礎問題集やアプリ学習

内容:大学の学問内容に直結する英語や数学の基礎問題を解く

例:理工学部では、微分積分や物理の基礎問題を解く課題。

例:国際学部では、英語でのエッセイ作成や長文読解課題が与えられる。

(5) 自己分析や学習計画

内容:自己の目標や志望理由について再度深く考える課題

例:「大学4年間で達成したい目標」を具体的に記す。

例:「卒業後にどう社会で活躍したいか」を計画としてまとめる。

(6) 動画視聴やオンライン講義受講

内容:大学が提供する動画教材やオンライン講義を視聴→レポート提出など

例:AIやデータサイエンスに関する基礎講義を視聴(情報系学部)。

例:SDGsに関する基礎講義を視聴し意見をまとめる(国際学部)。

3. 課題が与えられる学部や大学の例

・東京大学 教養学部

入学前に指定図書を読み、テーマに基づいたエッセイを作成。

・立命館アジア太平洋大学(APU)

入学後の国際的な学びを意識した英語プレゼンテーション課題。

・早稲田大学 スポーツ科学部

自身のスポーツ経験を振り返り、学問と結びつけた考察文を作成。

総合型選抜入試(AO入試)で合格後、大学から入学前課題が課されることはよくあります。これらの課題は、大学での学びをスムーズに始めるための重要な準備です。課題内容は大学や学部によって異なりますが、受験生は与えられた課題を計画的に取り組み、入学後のスタートダッシュに備えましょう。