近畿大学理工学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関西の準難関私立大学群、産近甲龍のひとつである近畿大学。

近畿大学は「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神とし、「人に愛され、信頼され、尊敬される」人づくりを教育の目的として、1925年創立の大阪専門学校と、1943年創立の大阪理工科大学を母体として、1949年に設立されました。創設者、世耕弘一の「学びたい者に学ばせたい」という信念をもとに、医学から芸術まで学ぶことのできる総合大学として発展しました。現在は15学部49学科が設置される総合大学となっており、西日本一帯に6つのキャンパスと水産研究所や原子力研究所など、様々な施設を有しています。

理工学部は、現在、理学科(数学コース・物理学コース・化学コース)、生命科学科、応用化学科、機械工学科、電気電子通信工学科、社会環境工学科、エネルギー物質学科の7学科で構成されています。理工学部では、理学と工学の両方を兼ね備え、自然科学の探求から技術の実践まで、幅広い分野に関する最先端研究を行っています。学部が運営するセミナーでは分野を超えた交流もあり、さまざまなものの見方に触れることができます。海外の研究者や民間企業、行政とも連携したプロジェクトでは、生活を豊かにし、持続可能な社会を実現するための技術開発をめざしています。 大学院への進学や研究者、教員をめざす学生が多いのも特徴です。

この記事では、そんな近畿大学理工学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆総合型選抜入試の名称

近畿大学理工学部の総合型選抜入試は、「総合型選抜入試」という名称で募集がなされています。

◆近畿大学理工学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

近畿大学の入試要項にはこのように書いてあります。

(入試要項より抜粋)

理工学部は、近畿大学建学の精神に則り、実学教育のもとに社会で求められる創造性豊かな人材を育成します。このため学部教育での到達目標として、ディプロマ・ポリシーを達成するためのカリキュラムを提供し、国際化に対応できる学問的素養、的確な判断力、社会をリードできる能力の伸長を重視します。従って、各学科への適性を兼ね備えた基礎学力を持つ人材はもちろんのこと、基礎学力のみにとらわれず社会のニーズ変化に即した多種多様な能力を持つ人材も併せて受け入れます。具体的には、カリキュラム・ポリシーに従った教育課程に従って学修に励み、ディプロマ・ポリシーを達成できることが期待される、次のような資質を持つ人材を受け入れます。

1 .理工学部での履修に必要な基礎学力、思考力および表現力を有し、学修の遂行に   

  意欲を持つ人。

2 .社会への貢献、公共の福祉を理解し、これらを尊重することのできる倫理観を持  つ人。

3 .知的好奇心があり、自然科学および科学技術に対して強い関心を有する人。

4 .将来の目標を定め、目的意識と主体性を持ち、多様な人々と協働して学修に取り 組むことができる人。

また、理工学部に入学するまでに、次のようなことを身につけていることが望まれます。

 国   語:日本語の読解力、表現力、論理的な思考力

 外 国 語:英語文章の大意を汲み取り、表現できる能力、平易な英語を聞きとる       能力

 数   学:数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B・数学Cのうち、理工学部各  学科・コースでの学修に必要な内容の基礎知識、計算能力および論理  的思考力

 理   科:物理、化学、生物のうち、理工学部各学科・コースの学修に関連する  分野の基礎的知識、実験に基づく考察力および計算力

 地歴・公民:社会の仕組みと変化する社会情勢に対応していくための基礎知識およ  び社会的素養

 特 別 活動:自主的、協調的な態度と社会への貢献および公共の福祉と倫理観に関す る基本的理解

 ※数学・理科については各学科・コースのアドミッション・ポリシーをご参照くだ  さい。 https://www.kindai.ac.jp/about-kindai/principle/policy/undergraduate/science-engineering/ 

 (総合型選抜の特徴)

 理工学部の総合型選抜は、理工学部の各学科・コースを第一志望として入学を志し、理数分野における秀でた能力を有する者、もしくは専門分野における高度な探究心とグローバルな視点による多面的な課題の発見、解決に向けた強い意欲を有する者に対する入試です。

入試要項のURL:

https://kindai.jp/exam/system/ao

◆出願条件・日程

近畿大学理工学部の総合型選抜入試には、出願条件に制約があります。

・第1次審査出願期間: 2024年9月2日(月)~9月9日(月)

・第1次審査合格発表日: 9月27日(金)

・第2次審査出願期間:   9月27日(金)~10月3日(木)

・第2次審査試験日:    10月12日(土) ※予備日10月19日(土)

・第2次審査合格発表日: 11月7日(木)

※第2次審査の日時を指定することはできません。

 台風・地震等による災害その他特別な事情(受験生個別の理由によるものは除く)により、試験が実施できず、または完了しなかった場合については、予備日に試験を実施します。さらに予備日での実施が困難な場合は、状況が回復次第、できるだけ速やかに実施します。

出願条件は以下のとおりです。

理工学部の出願条件は以下のとおりです。

また、「自己紹介書」や「志望理由書」、「活動報告書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://kindai.jp/exam/system/ao/

◆試験内容

試験内容は学科・コースによって異なります。各学科・コースの試験内容は以下のとおりです。

【理学科 数学コース】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:講義、課題

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、理学科・数学コースを志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は理学科・数学コースに関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:講義、課題

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では約45分間の講義を行なった後、その内容に関連した課題(約45分間)が課され、評価されます。

【理学科 物理学コース】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:筆記試験、口頭試問(面接)

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、理学科・物理学コースを志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は理学科・物理学コースに関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:筆記試験、口頭試問(面接)

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では「物理基礎」・「物理」の筆記試験(60分)および口頭試問(面接)(約20分)が行われます。

【理学科 化学コース】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:講義、筆記試験、口頭試問(面接)

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、理学科・化学コースを志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は理学科・化学コースに関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:講義、筆記試験、口頭試問(面接)

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では講義の受講、筆記試験、口頭試問(面接)が課されます。「化学」に関する20分間の講義を受講後、講義に関連した筆記試験(40分)が行われます。筆記試験の後、約20分間の口頭試問(面接)が行われ、評価されます。

【生命科学科】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:筆記試験、口頭試問(面接)

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、生命科学科を志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は生命科学科に関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:筆記試験、口頭試問(面接)

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では「生物基礎」・「生物」の筆記試験(60分)および口頭試問(面接)(約10分)が行われ、評価されます。

【応用化学科】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:筆記試験、口頭試問(面接)

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、応用化学科を志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は応用化学科に関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:筆記試験、口頭試問(面接)

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では「化学基礎」・「化学」の筆記試験(60分)および口頭試問(面接)(約30分)が行われ、評価 されます。

【機械工学科】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:口頭試問(面接)

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、機械工学科を志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は機械工学科に関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:口頭試問(面接)

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では「数学」や「物理」の基本的な知識に基づいた思考力についての口頭試問(面接)(約30 分)が行われ、評価されます。

【電気電子通信工学科】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:口頭試問(面接)

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、電気電子通信工学科を志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は電気電子通信工学科に関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:口頭試問(面接)

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では出願書類の内容についての口頭試問(面接)(約30分)が行われ、評価されます。口頭試問は対面またはオンラインで実施されます。

【社会環境工学科】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:小論文、プレゼンテーション

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、社会環境工学科を志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」は社会環境工学科に関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:小論文、プレゼンテーション

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では小論文とプレゼンテーションが課されます。

小論文は社会基盤・環境・防災などに関するもので、字数は1000文字以内です(約60分)。プレゼンテーションは、第1次審査の際に提出した「活動報告書」の内容について行います(約15分)プレゼンテーションでは発表資料を保存したノート型パソコンと、プレゼンテー ションのファイルを保存したUSBを持参する必要があります。

【エネルギー物質学科】

①第1次審査:書類選考

②第2次審査:プレゼンテーション、ディスカッション

①第1次審査:書類選考

第1次審査は、出願書類により総合的に評価され合否が決定します。

審査資料として「自己紹介書」、「志望理由書」、「活動報告書」をパソコンを利用して作成します。「自己紹介書」は、自己PRをこれまでの学習状況、活動履歴、資格取得などを含めて具体的に記述します。「志望理由書」は、エネルギー物質学科を志望する理由について、「大学入学後の学修意欲」、「自己の将来像や目標」なども含めて具体的に記述します。「活動報告書」はエネルギー物質学科に関連して、高等学校入学以降に取り組んだ探求学習や課題研究、コンテストへの参加などの活動成果や実績について、図や写真を挿入するなど工夫して具体的に記述します。

②第2次審査:プレゼンテーション、ディスカッション

第1次審査の合格者に対し、第2次審査では、第1次審査の際に提出した「活動報告書」の内容についてのプレゼンテーション(5分)およびディスカッション(25分)が課され、評価されます。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は

理学科、生命科学科、応用化学科、機械工学科、電気電子通信工学科、社会環境工学科、エネルギー物質学科 全学科で30名程度です。

倍率は

※理工学部の総合型選抜は2025年度入試から始まったため、倍率データはありません。

https://kindai.jp/exam/system/ao

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、近畿大学理工学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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