近畿大学産業理工学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介
2025/05/21
関西の準難関私立大学群、産近甲龍のひとつである近畿大学。
近畿大学は「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神とし、「人に愛され、信頼され、尊敬される」人づくりを教育の目的として、1925年創立の大阪専門学校と、1943年創立の大阪理工科大学を母体として、1949年に設立されました。創設者、世耕弘一の「学びたい者に学ばせたい」という信念をもとに、医学から芸術まで学ぶことのできる総合大学として発展しました。現在は15学部49学科が設置される総合大学となっており、西日本一帯に6つのキャンパスと水産研究所や原子力研究所など、様々な施設を有しています。
産業理工学部は福岡キャンパスに設置されており、経営ビジネス学科(文系)、生物環境化学科、電気電子工学科、建築・デザイン学科、情報学科の5学科13コースを有しています。少人数学部ならではのきめ細かな教育環境のもと、「食品」「エネルギー」「環境」「電気」「建築」「情報」「マネジメント」をキーワードに、文系・理系の各専門分野を横断した研究で、産学連携や地域貢献など、学生が能動的に学修できる場を提供しています。その結果、毎年全国トップクラスの就職実績を誇り、「就職に強い学部」として評価されています。
この記事では、そんな近畿大学産業理工学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!
◆近畿大学産業理工学部の総合型選抜入試の名称
近畿大学産業理工学部の総合型選抜入試は、「総合型選抜入試」という名称で募集がなされています。
◆近畿大学産業理工学部のアドミッションポリシー
各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。
近畿大学の入試要項にはこのように書いてあります。
(入試要項より抜粋)
産業理工学部は、近畿大学建学の精神に則り、実学教育のもとに、理系4学科では技術に偏らずコミュニケーション能力を持ったフロンティア人材を育成し、経営ビジネス学科では専門的知識に基づいた分析により組織をマネジメントしチームの潜在能力を高める能力を備えた人材を育成します。このために、次のような入学者を受入れます。
1 .自然科学や人文・社会科学の学修に必要な基礎知識、思考力、判断力、表現力を 持っている人。
2 .新たなテクノロジーやイノベーション、世界の動向に強い関心があり、専門分野 に偏ることなく広く学ぶ意欲のある人。
3 .これからの新しい社会を築く試みに主体性を持って取り組み、多様な人々と協働 する姿勢を持っている人。
4 .大学で学んだことを生かして、地域社会や国際社会に貢献したい人。
5 .実学教育と文理協働の発想に基づく教育に共感する人。
(入学前に学習すべきこと)
高等学校で学ぶ数学、国語、外国語はすべての分野に通じるので、十分な基礎学力を身に付けておいてください。理科、地理歴史・公民、情報については、専門分野と関係のある科目を中心に応用力も磨き、専門分野と直接関係の無い科目についても多様性を広げ世界の動向を理解するのに役立つので興味を持って学習してください。また、思考力、判断力、表現力を身に付けるとともに、物事に対する探究心と主体的に問題を解明・解決する姿勢を養ってください。
各教科では、とくに以下の能力を身に付けるように努めてください。
国 語
・社会生活に必要な国語の特質を理解し適切に使う能力。
・他者との間で的確に伝え合い、思考し想像する力。
・我が国の言語文化の担い手としての自覚と、生涯にわたり国語能力の向上を図 る態度。
外 国 語
・外国語を聞くこと、読むこと、話すこと、書くことによる実際のコミュニケー ションにおいて、目的や場面、状況などに応じて適切に活用できる技能。
・日常的な話題や社会的な話題について、外国語で話し手や書き手の意図などを 的確に理解し適切に表現することができる能力。
・外国文化に対する理解を深め、相手に配慮しながら主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度。
数 学
・数学における基本的な概念や原理・法則を理解していること。
・物事を論理的に考察し、その本質や他との関係を数学的に表現・処理する技 能。
・より具体的には、数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B・数学Cで学ぶ基礎的な知識 と計算力。
理 科
・自然現象についての理解を深めるために必要な観察、実験などに関する技能。
・見通しを持って観察や実験などを行い、科学的に探究する力。
・自然の事物・現象に主体的に関わり、科学の法則・原理に照らし合わせて探究 しようとする態度。
・「物理基礎・物理」、「化学基礎・化学」、「生物基礎・生物」から1科目以上 に関する基礎的な知識。
地歴・公民
・日本と世界の歴史、および現代の倫理・政治・経済の仕組みを理解するととも に、資料から様々な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能。
・地理や歴史的出来事の意義、および相互の関連を多面的に考察し、効果的に説 明する力。
・現代社会の問題について、多面的に考察し公正に判断する力や社会参画を視野 に入れて議論する力。
・地理や歴史的問題に加え、現代の諸問題について、よりよい社会の実現を視野 に入れて主体的に解決しようとする態度。
情 報
・情報社会と人との関わりを理解し、情報と情報技術およびこれらを活用して問 題を発見・解決する技能。
・様々な事象を情報とその結び付きとして捉え、問題の発見・解決に向けて情報 と情報技術を適切かつ効果的に活用する力。
・情報と情報技術を適切に活用し、情報社会に主体的に参画する態度。
(入学者選抜の基本方針)
産業理工学部では、上記に示す人材を選抜するために、多様な入試制度を設けています。
1 .推薦入試(一般公募)では、個別学力検査において外国語、および数学もしくは 国語からの1教科(計2教科)選択により高等学校卒業レベルの基礎学力を評価 し、加えて高等学校長が提出した推薦書等により各専門分野の修学に必要な科目 の履修修得状況と学習意欲等を評価します。なお、外国語力についてはTOEFL® やTOEIC®等の外部試験の受験成績で評価することも可能です。
2 .一般入試では、個別学力検査において外国語、数学①または数学②もしくは国語 からの1教科選択、および理科(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生 物)もしくは地理歴史(世界史探究、日本史探究、地理探究)からの1科目(計3 教科3科目)選択により高等学校卒業レベルの基礎学力を評価します。
3 .共通テスト利用方式(大学入学共通テスト利用)入試では、外国語5科目(英語、 ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語)、国語、数学3科目(数学Ⅰ、数学Ⅰ・ 数学A、数学Ⅱ・数学B・数学C)、理科4科目(物理、化学、生物、地学)、地 理歴史3科目(歴史総合・世界史探究、歴史総合・日本史探究、地理総合・地理探 究)、公民3科目(公共・倫理、公共・政治・経済、地理総合・歴史総合・公 共)、情報からの3教科3科目選択又は5教科5科目選択を基本として課すことによ り高等学校卒業レベルの基礎学力を評価します。
※共通テスト利用方式には前期、中期、および後期の3方式があり、また共通テストと本学一般入試から各2科目の成績を選択し評価する共通テスト併用方式による判定も行っています。
4 .総合型選抜では、数学もしくは英語(経営ビジネス学科)に関する学力試験によ り高等学校卒業レベルの基礎学力を評価し、出願書類(調査書・自己紹介書・プ レゼンテーションシート)、および口頭試問もしくは課題に対するプレゼンテー ション(建築・デザイン学科、経営ビジネス学科)により各専門分野を学ぶ意欲 と思考力、判断力、表現力を評価します。
5 .指定校推薦入試・附属特別推薦入試・準附属特別推薦入試では、高等学校長が提 出した調査書等の書類により高等学校卒業レベルの基礎学力を評価し、口頭試問 により各専門分野を学ぶ意欲と思考力、判断力、表現力を評価します。
6 .スポーツ推薦入試では、高等学校長が提出した調査書等の書類により高等学校卒 業レベルの基礎学力を評価し、技能試験と口頭試問により当該スポーツ種目(硬 式野球)に関する技能・実績と当該学科(経営ビジネス学科)で学ぶ意欲を評価 します。
7 .外国人留学生入試では、「日本留学試験」の日本語に加え、理科、数学コース1、 数学コース2、総合科目から志望学科で定める1科目(計2科目)試験を課すことに より基礎学力を評価し、口頭試問により専門分野を学ぶ意欲と思考力、判断力、 表現力を評価します。
8 .編入学試験では、大学はじめ出願資格に定める各種学校が発行した成績証明書等 により専門分野に関する科目の修得状況を評価し、さらに外国語もしくは数学 (電気電子工学科)、および編入志望学科が指定する専門科目(無機化学、有機化 学、生物化学・生物学、電気回路、構造力学、情報処理概論、経営学、会計学) から1科目(計2科目)試験を課すことにより学力を評価し、口頭試問により各専 門分野を学ぶ意欲と思考力、判断力、表現力を評価します。
(総合型選抜の特徴)
総合型選抜は、志願者の個性など人物像を重視する試験です。
プレゼンテーションシートにもとづいて、高等学校・中等教育学校・高等専門学校での活動や取得資格など、個性を評価するとともに、大学で学びたい分野や目標などを口頭試問(またはプレゼンテーション)で質疑応答し、学力試験と合わせて総合的に合否を判定します。
◎ あなたの個性・向上心を尊重します。
◎ 他大学との併願が可能な入試です。
入試要項のURL:
https://kindai.jp/exam/system/ao
◆出願条件・日程
近畿大学産業理工学部の総合型選抜入試には、出願条件に制約があります。
・出願期間: 2024年9月16日(月)~9月27日(金)
・試験日: 0月12日(土) ※予備日:10月19日(土)
・合格発表日: 11月6日(水)
※試験日の日時を指定することはできません。
台風・地震等による災害その他特別な事情(受験生個別の理由によるものは除く)により、試験が実施できず、または完了しなかった場合については、予備日に試験を実施します。さらに予備日での実施が困難な場合は、状況が回復次第、できるだけ速やかに実施します。
出願条件は以下のとおりです。
産業理工学部の出願条件は以下のとおりです。
また、「自己紹介書」や「プレゼンテーションシート」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://kindai.jp/exam/system/ao/)
◆試験内容
書類選考、学力試験(60分)、口頭試問またはプレゼンテーションにより、総合的に評価され合否が決定します。
①書類選考
②学力試験(60分)
③口頭試問またはプレゼンテーション
①書類選考
「自己紹介書」は、出願条件に関連する活動・資格・能力等について具体的に記述します。
「プレゼンテーションシート」は、志望学科を選んだ理由と自己アピールを記入します。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできる文章を作成するようにしましょう。
②学力試験(60分)
試験内容は、理系の4学科(生物環境化学科、電気電子工学科、建築・デザイン学科、情報学科)は数学で、範囲は数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列)・数学C(ベクトル)です。
文系の経営ビジネス学科は英語で、範囲は英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ、英語コミュニケー ションⅢ、論理・表現Ⅰ、論理・表現Ⅱ、論理・表現Ⅲです。(過去問データなし)
③口頭試問またはプレゼンテーション
生物環境化学科・電気電子工学科・情報学科では、口頭試問(自己アピール等含む)が課されます。口頭試問の時間はおおむね20分程度で、専門分野に関する知識の有無は問われません。口頭試問の際に、自己アピールが求められます。自己アピールでは、自身の夢の実現のため、これまで取り組んできた活動について説明し、その活動を通じて獲得した知識や能力を、志望理由を踏まえて大学でどのように発揮するかについて説明します。
建築・デザイン学科、経営ビジネス学科では、課題に対するプレゼンテーションが課されます。建築・デザイン学科のプレゼンテーションの課題は、「建築やデザインなど『ものづくり』に関するこれまでの取り組み等について、または将来どんな『ものづくり』がしたいのかについて」、経営ビジネス学科のプレゼンテーションの課題は、 「自らの経験を当学科の学びにどう活かすか」です。プレゼンテーションの時間は5分以内です。プレゼンテーション後には質疑応答が行われます。プレゼンテーションの課題は、プレゼンテーション用ソフトウェア(Microsoft PowerPoint等)で作成し、1スライド1ページずつを A4またはA3の用紙に印刷したもの、あるいは厚紙または八つ切りの画用紙に手書きしたものを用いて、 発表します。
◆募集人員・倍率情報
募集人員は
生物環境化学科、電気電子工学科、建築・デザイン学科、情報学科、経営ビジネス学科(文系)、各学科10名程度です。
倍率のデータは入試要項から転記しています。https://kindai.jp/exam/system/ao/
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
生物環境化学科 | 1 | 1 | |
電気電子工学科 | 1.3 | 1 | |
建築・デザイン学科 | 2.3 | 1.5 | |
情報学科 | 3.5 | 4 | |
経営ビジネス学科(文系) | 1.3 | 1.4 |
出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。
以上、近畿大学産業理工学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。
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自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。
話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。
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