関西大学環境都市工学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介
2024/11/18
関西の私立難関大学群、関関同立のひとつ、関西大学。
1886年に関西初の法律学校として設立されました。関西大学には5つのキャンパスと13の学部があり、「学の実化」を学是(理念)に掲げ、様々な教育活動を展開しています。SDGsへの取り組みをはじめ、デジタルトランスフォーメーションに向けた計画の実行など、先駆的な取り組みを行なっています。就職支援も充実しており、専門のカウンセラーが学生一人ひとりを支援しています。学内には各種資格取得、難関国家試験合格を目指す学生をバックアップする専門機関も設置されており、学生の資格取得をサポートしています。
環境都市工学部は、より快適な未来の都市を創造・再生するために、環境、都市デザイン、建築、社会基盤、情報、資源、エネルギー、環境化学プロセスをキーワードとして新しい総合的な科学技術を構築し、研究する学部です。人と自然・都市が調和する、暮らしやすい「まち」の創出を目指して、各学科それぞれの切り口から学びを深めていきます。
この記事では、そんな関西大学環境都市工学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!
◆関西大学環境都市工学部の総合型選抜入試の名称
関西大学環境都市工学部の総合型選抜入試は「アドミッション・オフィス入学試験(AO入試)」「スポーツ・フロンティア入学試験(SF入試)」という名称で募集がなされています。
◆関西大学環境都市工学部のアドミッションポリシー
各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。
関西大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。
(公式HPより抜粋)
環境都市工学部(以下、「本学部」という)では、地球環境にやさしい「まちづくり」を基本コンセプトに、環境、都市デザイン、建築、社会基盤、情報、資源、エネルギー、環境化学プロセスをキーワードに位置付けて、環境問題をはじめ、様々な課題の解決に向けて科学技術の力を発揮し、持続可能な開発目標に向けて国際的に活躍できる人材を養成するために、次に掲げる知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力を備えた入学者を広く受け入れます。
1.(知識・技能)
現象をモデル化して記述するために必要となる、数学的な能力や、物理・化学を中心とした理科の基礎力を有している。さらに、建築学科については、建築と密接に関連する地理歴史、家庭、芸術などの教科についての基本的知識や技術を、都市システム工学科については、都市とそれが抱える諸問題に対する関心と基本的知識を、エネルギー環境・化学工学科については、エネルギー問題や環境問題の現状について基本的知識を、それぞれ有している。
2.(思考・判断・表現)
数学・理科に関する基本的知識や、それぞれの学科で必要となる基本的知識に基づいて、本学部における様々な問題に取り組む思考判断力を有している。
3.(主体性・協働)
人々の基本的な都市活動を豊かなものにしていくための「まちづくり」に取り組み、技術者・研究者として快適な都市環境を創造・再生することに対する意欲をもって取り組む姿勢を有している。
4.(考動力)
自らの思考に基づいて、社会に貢献する行動力を有している。さらに、建築学科については、「すまい」や「まち」に深い関心を持ち、それらのあり方や課題について考える能力を、都市システム工学科については、都市のシステムの変化や問題、あるべき姿などに関して常に問題意識を持って考える能力を、エネルギー環境・化学工学科については、世界が抱えるエネルギー問題や地球環境の変化に関心を持ち、新しい技術に関して興味を持って考える能力を、それぞれ有している。
公式HPのURL:
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/about/outline/faculty.html#sec13
◆出願条件・日程
関西大学環境都市工学部の総合型選抜入試には「アドミッション・オフィス入学試験(AO入試)」と「スポーツ・フロンティア入学試験(SF入試)」があります。
それぞれの入試の出願条件は以下のとおりです。
<1>アドミッション・オフィス入学試験(AO入試)
・出願期間: 2024年9月1日(日)~9月5日(木)
・第一次選考(書類選考)合格発表日: 10月3日(木)
・第二次選考試験日: 10月20日(日)
・第二次選考合格発表日: 11月1日(金)
出願資格は以下のとおりです。
また、「入学志望理由書」などの書類を提出する必要があります。
詳細は入試要項で確認してください。
(https://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/admission/ao/)
<2>スポーツ・フロンティア入学試験(SF入試)
・出願期間: 2024年9月3日(火)~9月6日(金)
・第一次選考(書類選考)合格発表日: 10月3日(木)
・第二次選考試験日: 10月20日(日)
・第二次選考合格発表日: 11月1日(金)
出願資格は以下のとおりです。
また、「志望理由書」や「競技成績証明書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項を確認してください。
(https://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/admission/sf/)
◆試験内容
<1>アドミッション・オフィス入学試験(AO入試)
環境都市工学部のAO入試には、【活動実績評価型】と【SDGs型】があり、試験内容が異なります。それぞれの試験内容について説明します。
【活動実績評価型】
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:面接(口頭試問含む)
①第1次選考:書類選考
第1次選考では出願書類をもとに選考が行われます。
出願書類の中でも、「入学志望理由書」と「活動報告書」は自身をアピールする書類として重要ですので、入念に準備しましょう。
「入学志望理由書」は、環境都市工学部を志望した理由と、入学後は何を、どのように学びたいかについて、2000字以内で記述します。
「活動報告書」は、「自らが誇りをもって第三者に説明・アピールできる事柄」に関しての活動と成果について2000字以内で記述します。活動を通して得たものが、今後の学習意欲や大学での学生生活とどのように結びついているかを含めて記述するようにしましょう。
②第2次選考:面接(口頭試問含む)
第2次選考では、3名の面接官による個人面接が約30分間行われます。
学科ごとの面接の評価ポイントは以下のとおりです。
<評価ポイント(建築学科)>
●受験生本人のアピールしている内容が、今後の学習意欲や大学での学生生活とどのように結びつき、建築学科において建築学の専門教育を受けることにそれがどのように関係し、またどのように活かされるのか。
●関西大学環境都市工学部建築学科の特徴、教育理念を十分理解し、建築学科で建築学を専攻することの意義、目的を明確に自覚しているか。
●一般入学試験を経て入学した学生との学力差がなく、建築学科の講義・演習・実習の内容を修得するに足る基礎的能力が備わっているか。
<評価ポイント(都市システム工学科)>
●受験生本人のアピールしている内容と都市システム工学科における専門教育との関係性や有用性
●関西大学環境都市工学部都市システム工学科の特徴、教育理念および都市システム工学科で学ぶことの意義に関する理解、ならびに理工系全般で学ぶための基礎知識
●一般入学試験を経て入学した学生と同等程度の基礎学力を有していること
●都市システム工学と建築学との違いに関する理解度
●勉学などへの意欲、努力、熱意
●大学で学んだ専門を将来に活かすビジョン
<評価ポイント(エネルギー環境・化学工学科)>
●受験生本人のアピールしている内容が、エネルギー環境・化学工学科において化学工学などの専門教育を受けることにどのように関係し、どのように活かされるのか。
●関西大学環境都市工学部エネルギー環境・化学工学科の特徴、教育理念、具体的なカリキュラムを理解し、専門教育科目を勉強する意義を理解しているか。
●一般入学試験を経て入学した学生との学力差がなく、エネルギー環境・化学工学科の教育プログラムについていけるか。
昨年度のAO入試の実施概要や評価のポイント等については、「AO入試ガイドブック」に掲載されていますので、確認して対策しましょう。
(https://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/admission/ao/)
【SDGs型】
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:プレゼンテーション(5分)、面接(口頭試問含む)
①第1次選考:書類選考
第1次選考では出願書類をもとに選考が行われます。
出願書類の中でも、「入学志望理由書」と「課題レポート」は自身をアピールする書類として重要ですので、入念に準備しましょう。
「入学志望理由書」は、環境都市工学部を志望した理由と、入学後は何を、どのように学びたいかについて、2000字以内で記述します。
「課題レポート」は、SDGsの17の目標の中から1つ以上を選び、それらと関連づけながら、「学部で特に定める基準1~3」に関する内容について、1200字程度で記述します。知識や意欲、あるいは活動実績が、今後の学習や大学での学生生活とどのように結びついているかを含めて記述するようにしましょう。
②第2次選考:プレゼンテーション(5分)、面接(口頭試問含む)
第2次選考では、「課題レポート」に関するパワーポイントを用いたプレゼンテーションと、それに対する面接(口頭試問を含む)が行われます。第2次選考日当日までに、「課題レポート」に関するパワーポイントを作成します。スライドは、5分間のプレゼンテーションに相当する枚数を想定して作成します。作成したパワーポイントはUSBに保存して、第2次選考日当日に持参します。当日は、大学が用意したパソコン、プロジェクター、レーザーポインタを使用して、パワーポイントを投影してプレゼンテーションを行ないます。
学科ごとの面接の評価ポイントは以下のとおりです。
<評価ポイント(建築学科)>
●課題レポートの内容に関して、SDGsをよく理解し、受験生独自の視点からの考察や提案内容について、今後の学習意欲や大学での学生生活とどのように結びつき、建築学の専門教育を受けることにそれがどのように関係し、またどのように活かされるのか。
●関西大学環境都市工学部建築学科の特徴、教育理念を十分理解し、建築学科で建築学を専攻することの意義、目的を明確に自覚しているか。
●一般入学試験を経て入学した学生との学力差がなく、建築学科の講義・演習・実習の内容を修得するに足る基礎的能力が備わっているか。
<評価ポイント(都市システム工学科)>
●受験生本人のアピールしている内容およびSDGsに関するプレゼンテーションの内容と都市システム工学科における専門教育との関係性や有用性
●SDGsに関するプレゼンテーションについての質疑応答
●関西大学環境都市工学部都市システム工学科の特徴、教育理念および都市システム工学科で学ぶことの意義に関する理解、ならびに理工系全般で学ぶための基礎知識
●一般入学試験を経て入学した学生と同等程度の基礎学力を有していること
●都市システム工学と建築学との違いに関する理解度
●勉学などの意欲、努力、熱意
●大学で学んだ専門を将来に活かすビジョン
●国際化社会への意識の有無と外国語の取り組み姿勢
<評価ポイント(エネルギー環境・化学工学科)>
●課題レポートに関するプレゼンテーションと質疑応答を通じて、SDGsに関する深い知識と課題解決への意欲をこれまで学んだことに基づいて強く説明できているか。
●受験生本人のアピールしている内容が、エネルギー環境・化学工学科において化学工学などの専門教育を受けることにどのように関係し、どのように活かされるのか。
●関西大学環境都市工学部エネルギー環境・化学工学科の特徴、教育理念、具体的なカリキュラムを理解し、専門教育科目を勉強する意義を理解しているか。
●一般入学試験を経て入学した学生との学力差がなく、エネルギー環境・化学工学科の教育プログラムについていけるか。
昨年度のAO入試の実施概要や評価のポイント等については、「AO入試ガイドブック」に掲載されていますので、確認して対策しましょう。
(https://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/admission/ao/)
<2>スポーツ・フロンティア入学試験(SF入試)
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:総合問題(90分)、面接(口頭試問含む)
①第1次選考:書類選考
出願書類をもとに、競技実績等に基づいて選考が行われます。
「志望理由書」は、自身をアピールする書類として重要ですので、入念に準備しましょう。「志望理由書」は、環境都市工学部を志望する理由と将来の抱負を中心に、800字以上1000字以内で記述します。志望理由や入学後の将来設計を明確に記述するようにしましょう。
②第2次選考:総合問題(90分)、面接(口頭試問含む)
第2次選考では90分間の筆記試験(総合問題)と面接が行われます。
2024年度入試では、志望理由、大学生としてどのような方針で学生生活を送ることが必要かについて記述させる問題、英文読解問題、数学、物理の知識を問う問題が出題されました。昨年度の過去問が学校HPに掲載されていますので、確認して対策しましょう。(https://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/admission/sf/)
面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求めている学生であることをアピールできるようにしましょう。
◆募集人員・倍率情報
<1>アドミッション・オフィス入学試験(AO入試)
募集人員は
環境都市工学部 【活動実績評価型】【SDGs型】合わせて 5名 です。
倍率は
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
環境都市工学部 | 4 | 4.1 | 2.3 |
<2>スポーツ・フロンティア入学試験(SF入試)
募集人員は
環境都市工学部 3名 です。
倍率は
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
環境都市工学部 | 2 | 1.5 | 3 |
出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。
以上、関西大学環境都市工学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。
オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。
自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。
話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。
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