同志社大学神学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関西の私立難関大学群、関関同立のひとつ、同志社大学。

同志社大学は、1875年京都の地に設立された同志社英学校をルーツとする、14学部・16研究科で構成される総合大学です。創立者、新島襄の教育にかける情熱を現代にいたるまでの約150年間引き継ぎ、「良心を手腕に運用する人物の養成」という建学の精神に基づいて「良心教育」を展開しています。建学の精神を実現するために、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」の3つの教育理念を打ち立てています。徳育の価値判断の基準をキリスト教に置き、一人ひとりの学生を大切にし、束縛せず、学生が自らを律しながらも自由に行動することを尊重し、大きな視野でものごとを考えることを重視しています。

神学部は、キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教を本格的に学べる世界でも稀有な研究・教育機関です。宗教を深く理解することで人間の精神性を学び、世界中のさまざまな問題へのアプローチを考えます。1学年あたりの定員は、全学部の中でもっとも少ない63人。学生と教員の距離が近く、アットホームな雰囲気の中での対話型の教育を重視しています。必修はキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教の基礎を知る「神学入門」1科目のみ。3つの宗教を幅広く学ぶ、1つの宗教に特化して学ぶ、関連した歴史、芸術、哲学を学ぶ、他学部の設置科目を多数履修するなど、自らの関心や将来像に応じて自由に学びを設計することができます。

この記事では、そんな同志社大学神学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆同志社大学神学部の総合型選抜入試の名称

同志社大学神学部の総合型選抜入試は「自己推薦入学試験」という名称で募集がなされています。

◆同志社大学神学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

同志社大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

神学部は、人類が作り上げ蓄積してきた生きるための知恵である宗教、とりわけキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教とその世界について、文献の分析やフィールド調査などによって様々な角度から研究を行います。そうした研究をとおして、3つの一神教を、人間・言語・歴史・文化・社会の様々な側面と連関させつつ、客観的に考察するための知識と技能を身につけます。そして、それらの知識・技能に基づいて、3つの一神教に関する問題を主体的に発見し、その問題を他者と共有するとともに、学術的に解決を導くための思考力・学問的方法論・語学力などを養います。

神学部は、上記の知識・技能・思考力・表現力などを活用し、キリスト教会において、あるいは、企業人・公務員・研究者などとして、ビジネス・福祉・教育・研究・文化事業・国際貢献などの多様な分野で、国内外を問わず、主体性と協働性をもって活躍できる人材を育成することを目的としています。そのために、次のような学生を求めています。

―神学部の求める学生像

知識・技能

宗教、とりわけキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教に関する諸問題を客観的に考察するための知識・技能を積極的に習得しようとする学生を求めています。そのため、地理歴史・公民、宗教、国語、英語、美術、音楽などの様々な教科の学習をとおして、あるいは、報道や普段の生活、教会活動、課外活動、ボランティア活動などをとおして、上記の3つの一神教に対する強い関心を抱くようになり、それらの宗教の思想や、それらの宗教が人間の精神や芸術、社会や文化、政治や経済などとの間に取り結んできた豊かな関係について、高等学校の教科書程度の基礎的な知識を身につけていることが望まれます。

思考力・判断力・表現力

キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教とその世界について様々な角度から学習・研究を行うためには、物事を筋道たてて考察する論理的な思考力と的確に批評する判断力を身につけ、調べたり考えたりしたことを明快に表現して他者と共有し、積極的に議論しようとする姿勢が求められます。そのため、高等学校の基礎的な数学の学習などをとおして論理的な思考方法を訓練し、国語や英語、美術や音楽などの学習をとおして建設的な批評を経験し、教会活動、課外活動、ボランティア活動などをとおして自分の考えを他者に説明して議論することを体験しておくことが望まれます。

主体性・多様性・協働性

神学部では、宗教という人間の精神や価値観の根本に関わる事柄について、学生自身が主体的に問題を発見し、自発的に学習・研究を進めていくことを重視しています。そのため、自らの精神を見つめ、人間の生きるべき道について謙虚に問い求める学生を求めています。同時に、世界には様々な宗教があり、キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教の間にも、多くの共通点とともに多くの相違点もあります。そのため、人間・言語・歴史・文化・社会の多様性を重んじ、異なるものの見方を学術的に理解し、他者と協働しながら様々な問題を究明する態度を育もうとすることが望まれます。

―高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと

英語

英語で書かれた基礎的な文献を読解でき、基本的な口語表現を用いて意思疎通ができ、自分の考えを正確に文章化することを学んでおくことが望まれます。英文法、語彙、リスニング、発音、英作文の基礎をしっかりと身につけておくことが期待されます。

3つの一神教を、人間・言語・歴史・文化・社会の様々な側面と連関させて学ぶためには、英語文献を読みこなし、フィールド調査などで諸外国の人々と交流する必要があります。ひとつの水準として、実用英語技能検定(英検)2級(あるいはTOEFL®テスト、TOEIC®LISTENING AND READINGテストなどの同等水準)程度の英語力を身につけておくことが望ましいでしょう。学んだ知識・技能を国際的な環境で活用し、分析や思考の成果を諸外国の人々と共有していくためにも、英語運用能力はますます必要となってきています。

国語(現代文)

宗教に関する様々な問題を分析するためには、日本語で書かれた文献を正確に読解する力が必須です。分析の成果を的確に表現し、他者と協働していくためには、論理的な日本語を用いて自らの考えを文章化するとともに、発表・議論することも学んでおくことが望まれます。また、小説、評論、随想、古典など、読書の幅を広げておくことも期待されます。キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教には、それぞれ経典(聖典)があり、それらの経典を読み解き、豊かに理解していくことは、神学部での学びの基本であり、そのための基礎として国語力と幅広い読書経験が必要とされるからです。

さらに、3つの一神教に関する研究を主体的に深めていく知識・技能として、ヘブライ語、ギリシア語、アラビア語といった、経典で使われている様々な言語を習得することが求められます。母語としての日本語の読解力と表現力を高めておくことは、外国語の習得にも不可欠の力となります。

地理歴史・公民

キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教は長い歴史を持つ宗教です。これら3宗教の信徒は、現在の世界人口の半分以上を占め、世界各地の歴史や社会と深く関わってきました。たとえば、日本におけるキリスト教は、戦国時代に伝来し、江戸幕府による禁教と明治政府による解禁を経て現在に至っています。ユダヤ教とイスラーム教は、中東の長く豊かな歴史に深く根ざすとともに、過激派の台頭など、現在の国際社会が直面する問題とも関連しています。

こうした3宗教に関して高度な専門的知識を学び、主体的に考察するための知的洞察力を身につけるための基礎として、高校までの学習で、日本史、世界史、あるいは、現代社会の教科書程度の知識を充分に理解しておくことが期待されます。その際、学んだ知識を相互に関連づけて、歴史や現代社会の流れをつかむように心がけてください。

数学

基本的な数学の知識と技法を学んでおくことが望まれます。これらは論理的思考力の基盤となります。3つの一神教に関する諸問題を、学術的・科学的見地から分析する思考力を身につけるためにも、高校までの数学の学習をとおして、論理的なものの考え方を学んでおくことが重要です。ある問題に対して、筋道を立てて厳密に論証していく能力は、神学部における学びにも必須だからです。さらに、3つの一神教に関して主体的に学んだ知識や分析・考察した成果を他者と共有し、様々な問題に対して他者と協働するための表現力を身につけるためにも、数学的な思考法に親しんでおくことは有用です。

―入学者選抜制度

神学部では、高等学校で学習する教科の学力のほかに、宗教、とりわけキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教に対する関心、学習意欲、表現力やコミュニケーション力などを評価する多様な入学者選抜を行うことにより、多様な学生を受け入れています。本学独自の学力試験のほかに、大学入学共通テスト、書類審査、面接、小論文などを取り入れることにより、学力の3要素「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性・多様性・協働性」について、それぞれの入試方式において重み付けを行い評価し、志願者の能力や資質などを適正かつ総合的に審査します。

自己推薦選抜入学試験

神学部で学ぶ高い意欲と多様な背景を持つ学生を選抜するために、出願書類と口頭試問によって、「主体性・多様性・協働性」を重点的に評価しつつ、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」などとあわせて総合的に審査します。出願書類では、神学部で学ぶ高い意欲とその背景を確認し、高等学校卒業程度の学力を持ち、神学部での学習・研究の基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を身につけているかを中心的に評価します。口頭試問では、神学部で学ぶ高い意欲がどのような背景に支えられ、それらが神学部での学習・研究の内容と合致しているかといった点を中心に、「主体性・多様性・協働性」を重点的に評価します。

公式HPのURL:

https://www.doshisha.ac.jp/admissions_undergrad/admission_policy/undergrad/index.html#sin

◆出願条件・日程

同志社大学神学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

・出願期間:           2024年9月2日(月)~9月6日(金)  

・第1次選考(書類選考)合格発表日:    9月27日(金)

・第2次選考試験日:           10月5日(土) 

・第2次選考合格発表日:            11月1日(金)

出願資格は以下のとおりです。

また、「自己アピールを含む志望理由書」や「自由テーマによる小論文」などの書類を提出する必要があります。

詳細は入試要項で確認してください。

https://www.doshisha.ac.jp/admissions_undergrad/preferred_application/index.html

◆試験内容

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:口頭試問

①第1次選考:書類選考

第1次選考では出願書類をもとに選考が行われます。

出願書類の中でも、「自己アピールを含む志望理由書」と「自由テーマによる小論文」は自身をアピールする書類として重要ですので、入念に準備しましょう。

「自己アピールを含む志望理由書」は、日本語2000字以内で記述します。入学意欲、大学での学習に対する熱意が感じられる志望理由書を作成しましょう。

「自由テーマによる小論文」は、テーマを記載のうえ、本文は日本語2000字以内で記述します。

②第2次選考:口頭試問

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では口頭試問が行われます。

志望理由や自己アピールなど、出願書類の内容について質問されることが想定されます。自身の言葉でわかりやすく説明できるよう、練習しましょう。

面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求めている学生であることをアピールできるようにしましょう。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は 

神学部 神学科 6名です。

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
神学部神学科6.75.65

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、同志社大学神学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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