東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の有名中堅私立大学群である日東駒専の1つ、東洋大学。

1887年の設立から130年以上、日本で唯一、「哲学教育」を実践している私立大学です。

ものごとの本質を見極める目を養い、自身の基軸を確立する「哲学教育」をあらゆる専門教育の基盤として重視し、全学共通の講義を設定しています。

「グローバル人財の育成」を教育のスローガンに掲げており、2014年度には文部科学省の「スーパーグローバル大学」に採択されたことを受け、新たな教育プログラムを導入し、大学の国際化への取り組みをさらに推進しています。

キャンパスは、白山キャンパス、赤羽台キャンパス、川越キャンパスがあり、いずれも都内はもちろん、埼玉県や千葉県、神奈川県からもアクセスが良い場所にあります。2024年度からは、朝霞キャンパスが新設されます。

福祉社会デザイン学部は赤羽台キャンパスに設置されています。

福祉社会デザイン学部では、社会福祉、こども支援、人間環境デザイン、それぞれの専門領域に関する深い理解力をもって連携し、誰もが尊重され、健やかに生きる共生社会の実現・発展を目指し、福祉社会をデザインするための知識と実践力を身に着けます。

この記事では、そんな東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試の名称

東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試は「自己推薦入試」という名称で募集がなされています。

◆東洋大学福祉社会デザイン学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

東洋大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式ホームページより抜粋)

【東洋大学福祉社会デザイン学部 社会福祉学科】

社会福祉学科は、学士課程教育を行うにあたり、次のような学生を受け入れることとする。

(1)現代社会が直面する課題の解決に自ら取り組もうとする主体性と学習意欲をもつ学生。

(2)人間と社会について深い洞察力を持ち、思考力と表現力に富む学生。

(3)人間の成長・発達に深い関心を持ち、すべての人々を包摂する実践を通して地域共生社会の実現に貢献する意欲のある学生。

<入学までに修得すべき学習等への取り組み>

社会福祉の専門性を身につけようと志望する者として、特に次の4点について常に意識的に学習することを求める。

(1)社会福祉の専門性は、広範な知識と教養、人間性によって裏打ちされるものであるため、机上の学習だけでなく、社会的活動、文化・芸術活動などにも自主的に取り組むこと。

(2)多様な考え方や意見に対して、一定の距離を置くスタンスを身につけるため、論説文などの論理的文章を十分に理解し、自らの考えを論理的に表現できるスキルの習得を目指すこと。

(3)現代社会における政治・経済など、地球規模の社会諸事象について、歴史的観点を含めて、関心を持ち、基礎的知識を獲得しておくこと。

(4)グローバルな支援活動も視野に収めることを踏まえ、外国語や外国文化に興味・関心を持ち、外国語を用いた積極的なコミュニケーション能力の向上に努めること。

【東洋大学福祉社会デザイン学部 子ども支援学科】

以下のような点を入学者の条件として求める。

(1)子どもの成長発達や保育・幼児教育・子ども家庭福祉の問題に深い関心を持ち、それを学ぼうとする知的好奇心と強い意志があること。

(2)入学後の修学に必要な基礎学力としての知識や実技能力を有していること。

(3)対人援助専門職者は援助の過程で他者との連携が求められる。よって、積極的に他者とかかわり、対話を成立させ、対話を通して相互理解に努めようとする態度を有していること。

【東洋大学福祉社会デザイン学部 人間環境デザイン学科】

人間環境デザイン学科は、人間を取り巻く環境を「デザイン」という視点から学びを深める学科である。デザインに関わる分野は幅広く多様な人材が参加している世界であり、知識と意志があれば、誰でもデザインの世界の中で活動できる可能性がある。

特に、これからの社会ではモノを生み出す行為と共に、コトを創り出す能力も求められ、モノ・コトのデザインは人の暮らしを取り巻く環境のすべてに影響を及ぼす行為だと柔軟に理解した上で、

(1)自分の可能性を信じ、探求する意欲を持つ学生

(2)自分のデザイン能力を磨こうとする意欲のある学生

(3)問題の本質を探り、柔軟な解決方法を発想しようとする熱意をもった学生を受け入れる。

公式HPのURL:

https://www.toyo.ac.jp/nyushi/undergraduate/wsd/policy

◆出願条件・日程

東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

2023年は以下の通りでした。

・出願時期 9月11日(月)~9月14日(木)

・試験日 10月15日(日)

・合格発表日 11月1日(水)

出願条件は、「大学入学資格を有する者(含見込者)で、本学当該学科を第一志望として入学を志す者(合格した場合、必ず入学することを確約できる者)。」です。

高校での評定平均値などは出願条件に含まれません。

また「自己推薦入試 推薦書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入学試験要項を参照してください。

https://www.toyo.ac.jp/nyushi/admission/admission-data/requirements-special

◆試験内容

東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試は、学科によって試験内容が異なります。それぞれの学科ごとに内容を説明していきます。

<1>東洋大学福祉社会デザイン学部 社会福祉学科

社会福祉学科では、書類選考、小論文、面接で選考が行われます。面接の際には口頭試問も行われます。配点は、書類選考(100点)、小論文(100点)、面接(100点)です。

①書類選考

②小論文(60分)

③面接(口頭試問含む)

①書類選考

所定の用紙に、志願理由と、これまでの体験をもとにした自己PRを1000字以内で記述する必要があります。大学でどのように学びたいのか、また、大学での学びを将来どのように活かしたいのか、論理的にわかりやすくまとめるようにしましょう。自己PRについては、何をアピールするかよく考え、具体的なエピソードと共に記述するようにしましょう。

②小論文(60分)

2023年度入試では、新型コロナウイルスによる影響で表面化した様々な社会的な課題に対し、アフターコロナにおいてどのような解決が求められるか、自身の考えを600字以上800字以内で記述させる問題が出題されました。普段から現代社会が直面する課題に関心を持ち、それを解決するために何ができるか、自分の考えをまとめるようにするとよいでしょう。

③面接(口頭試問含む)

面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。また、面接の際には口頭試問も行われます。口頭試問では、出願時に提出された志願理由書や小論文に関する内容が問われます。

<2>東洋大学福祉社会デザイン学部 子ども支援学科

子ども支援学科では、書類選考、小論文、グループディスカッションで選考が行われます。配点は、書類選考(50点)、小論文(100点)、グループディスカッション(100点)です。

①書類選考

②小論文(60分)

③グループディスカッション

①書類選考

所定の用紙に、志願理由を明らかにするとともに、保育・幼児教育・子ども家庭福祉の専門職に対する自己の適正について、根拠となる活動体験など具体的な理由を含めて、1000字以内で記入する必要があります。志願理由については、大学でどのように学びたいのか、また、大学での学びを将来どのように活かしたいのか、論理的にわかりやすくまとめるようにしましょう。専門職に対する自己の適正については、どのようにアピールするかよく考え、具体的なエピソードと共に記述するようにしましょう。

②小論文(60分)

2023年度入試では、子供の安全や安心をおびやかしている状況、その要因はどのようなものか、また、子供の安全・安心な育ちを支えるために、保育者に何が求められるかについて触れながら、保育者に求められる役割や責任について700字以上800字以内で記述させる問題が出題されました。試験時間は60分です。

③グループディスカッション

子ども支援に関するテーマについて、複数名によるグループディスカッションが行われます。

グループディスカッションでは、自身の意見を論理的に考えて発言するとともに、相手の意見も聞きながらメンバーと協力して議論を進め、結論を導くことに貢献できるようにしましょう。

<3>東洋大学福祉社会デザイン学部 人間環境デザイン学科

人間環境デザイン学科では、書類選考、実技、面接で選考が行われます。配点は、書類選考(50点)、実技(100点)、面接(100点)です。

①書類選考

②実技(60分)

③面接

①書類選考

所定の用紙に、志願理由と、これまでの体験をもとにした自己PRを1000字以内で記述する必要があります。大学でどのように学びたいのか、また、大学での学びを将来どのように活かしたいのか、論理的にわかりやすくまとめるようにしましょう。自己PRについては、何をアピールするかよく考え、具体的なエピソードと共に記述するようにしましょう。

②実技(60分)

実技は、平面構成と解説文です。テーマに関するイメージをスケッチし、そのテーマについて自分の意見を記述します。そのため、試験当日には「2B~4Bの黒鉛筆およびシャープペンシル」と「プラスチック製の消しゴム」を持参する必要があります。

③面接

面接時には、自分で制作したデザイン作品や調査レポート等を持参することが推奨されています。「面接は持参した作品等の内容、持参の有無によって評価するものではありません」と入試要項には記載がありますが、面接の際の話題作りにもなり、自身をアピールするチャンスですので、持参した方がよいでしょう。

作品は、平面・立体とも自分で持ち込める大きさのもので、内容は基本的に自由です。例えば、高校の授業や行事等で制作した作品、個人の興味により自主製作した作品(絵画、スケッチ、グラフィックデザイン、模型、木工制作物等)やその記録写真、何らかのテーマでまとめたレポート等、撮影した写真等の表現作品等です。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は、

社会福祉学科 15名、子ども支援学科 15名、人間環境デザイン学科 15名 です。

倍率は

2023年度入試2022年度入試2021年度入試
社会福祉学科
1.71.5
子ども支援学科1.61.8
人間環境デザイン学科1.71.6

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、東洋大学福祉社会デザイン学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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