日本大学生物資源科学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の有名中堅私立大学群である日東駒専の1つ、日本大学。

1889年(明治22年)に創立された日本法律学校を前身としています。現在は16学部86学科を有する、我が国最大規模の総合大学です。「自主創造」を教育理念として掲げており、自ら学び、自ら考え、自ら道をひらく人材を育成しています。

規模が大きい一方で、ゼミナールや外国語教育、実験・実習は少人数による指導を徹底しています。総合大学の特色を生かしつつ、少人数教育で専門性を高めて個性を伸ばし、社会で求められる専門力・実践力を養う教育を展開しています。

生物資源科学部では、微生物を含むあらゆる生物及び生物を起源とするすべての物質の生産と利用、生命の仕組みを学びます。11の学科と獣医学科を設置しており、DNAなどの分子レベルの研究から、植物や動物の生態、森林や海洋の資源、食物品の製造、そして環境から流通までを総括的に学ぶことができます。

この記事では、そんな日本大学生物資源科学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆日本大学生物資源科学部の総合型選抜入試の名称

日本大学生物資源科学部の総合型選抜入試は「日本大学生物資源科学部 総合型選抜」という名称で募集がなされています。

◆日本大学生物資源科学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

日本大学生物資源科学部の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

日本大学生物資源科学部(学士(生物資源学))では、ディプロマ・ポリシーに掲げた人材を育成するために、多様な選抜方法によって、以下の能力・資質を有する者を受入れる。

【知識・技能】

〔AP1〕 高等学校で習得すべき自然科学の基礎知識を有している。

〔AP2〕 高等学校で習得すべき基礎的な数理能力、論理的思考力を有している。

〔AP3〕 日本や国際社会が直面している生命・食料・資源・環境の諸問題に関する基礎知識を有している。

【思考力・判断力・表現力等の能力】

〔AP4〕 入学後にさまざまな分野の文献を調査し、プレゼンテーション、レポート作成を行うにあたって必要とされる国語力を有している。

〔AP5〕 入学後に生物資源科学に関連する英語文献の講読、英語でのコミュニケーションに必要とされる基本的な語学力を有している。

【関心・意欲・態度・志向性】

〔AP6〕 生物(植物・動物・微生物等)とそれらに由来する生物資源や自然環境に加え、日本や国際社会が直面している生命・食料・資源・環境に関する問題に強い関心を持っている。

〔AP7〕 「生産・利用科学」、「生命科学」、「環境科学」に関する学びを通して自ら課題を見出し、それを積極的・創造的に解決しようとする強い意欲を持っている。

〔AP8〕 日本や国際社会における科学・技術の持続的な発展に貢献しようとする強い意欲を持っている。

〔AP9〕 入学後、本学部での「総合的フィールドサイエンス教育」に関連する実験・実習・演習科目の受講において、多様な人々と協働しつつ主体性を持って学修できる。

公式HPのURL:

◆出願条件・日程

日本大学生物資源科学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

・出願時期   2023年は9月19日(火)~22日(金)

・試験日  【第一次選考】  書類審査のみ

【第二次選考】<バイオサイエンス学科、森林学科、環境学科、アグリサ 

                            イエンス学科、食品ビジネス学科>  

                             10月21日(土)

                         <動物学科、海洋生物学科、食品開発学科、国際共生学  

                            科、獣医保健看護学科> 

                        10月21日(土)・22日(日)※両日ともに参加のこと

・合格発表日  【第一次選考】 10月6日(金)

        【第二次選考】 11月1日(水)

出願条件は、

「本学部のアドミッション・ポリシー及び教育・研究内容を十分理解し、志望学科を第一志望とし、合格した場合は、入学することを確約できる者」 です。

また、「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。

◆試験内容

①書類審査(第1次選考)

②各学科内容に関連する実験・実習・演習、それらに関連する発表、口頭試問(第2次選考)

①書類審査(第1次選考)

第1次選考は書類審査のみとなります。出願書類が総合的に判断されます。出願書類の中でも「志望理由書」は、自身をアピールできる書類です。志望理由を明確に説明し、大学でどのように学びたいのか、また、大学での学びを将来どのように活かしたいのか、論理的にわかりやすくまとめるようにしましょう。また、小論文課題も重要となります。入念に準備したうえで提出しましょう。

2023年度入試の各学科の小論文テーマは以下のとおりでした。

<バイオサイエンス学科>

生物に関連する特定の学術や研究、あるいは技術の中から具体的なテーマを一つ選定し、その概要を説明した上で、それがどのように社会に貢献するか、自分の考えを述べなさい。その際、あなたが本学科アドミッションポリシーの6番[AP6]にふさわしい入学者であることが分かるように書きなさい。

<動物学科>

哺乳類の歯の構造や特徴と食性との関係について論じなさい。

<海洋生物学科>

動物の「行動」は、一般的に、外部環境からの刺激に対する反応としての動作である。身体中で成長ホルモン遺伝子が多く発現する成長ホルモン遺伝子組換えサケは、遺伝子を組換えていない普通のサケと較べて最大で40倍もの高成長を示す。この遺伝子組換えサケと同じ大きさの非遺伝子組換えサケをペアにして1つの水槽に収容した。このようなペアを薄暗い部屋に10セット準備し、1つの水槽に5個の餌を投げ込んで、どちらが食べるのか競争させた。その結果、成長ホルモン遺伝子組換えサケが偶然ではなく、統計的により多くの餌を食べることを確認できた。この結果からどのような事柄を推測できるのかを記せ。

<森林学科>

森林の持つ以下の機能の中から3つの機能を選び、私たちの生活との関係、今後さらに期待される役割について、各自の考えを述べなさい。

 1.生物多様性保全 2.地球環境保全 3.土砂災害防止機能/土壌保全機能 

 4.水源涵養機能 5. 保健・レクリエーション機能 6. 快適環境形成機能 

   7. 文化機能  8. 物質生産機能

<環境学科>

人は地球上で生き物と密接に関係しながら環境を形作っています。その環境を保全する意義について、あなたの考えを述べなさい。

<アグリサイエンス学科>

最近のわが国の農業には、国内外の期待に応えられるような価値のある農産物の生産が求められています。今後、農産物の価値をより一層高めるために、あなたならどのような研究を行いますか。そして、その価値を高めたことによって、どのような利点が生まれることを期待しますか。対象とする農産物の種類と、高めようとする価値ならびにそれらを選んだ理由を明らかにして、論じてください。独創的な考えを期待します。

<食品開発学科>

醤油・食酢・納豆・日本酒といった日本の伝統的な発酵食品をはじめ、世界には様々な発酵食品があり、最近では微生物を利用した新たな食品の開発が試みられています。そこで、国内外を問わず、近年の微生物の食品への利用に関する新しい取組を紹介してください。また、未知の有用な微生物を得ることができる微生物の分離源(場所やもの等)として期待が持てるものを考え、それに関して期待できる理由も含めて説明してください。

<食品ビジネス学科>

近年、私たちの身の回りの食料品価格の上昇が続いています。この値上がりの背景にある社会経済的要因について考察し、説明しなさい。

<国際共生学科>

SDGsの17の目標から1つを選び、その目標を達成するためにはどうしたらよいのか、グローバルビジネス、文化・社会環境、情報・コミュニケーションのいずれかの観点から具体的に論じなさい。

<獣医保健看護学科>

現在の動物看護師の資格は、民間団体によって認定され、その民間団体も複数存在するため、それぞれの資格の趣旨や認定条件はバラバラなのが実態です。このような状態が長年続きましたが、令和元年6月に愛玩動物看護師法が制定されたことにより動物看護師は「愛玩動物看護師」という新名称で国家資格化され、来年には第1回愛玩動物看護師国家試験が実施されます。そこで、なぜ社会は愛玩動物看護師を必要とするようになり、さらに国(環境省と農林水産省)は愛玩動物看護師を国家資格として法整備したのか、その背景となる事例も含めてわかりやすくまとめてください。その上で、将来、あなたは愛玩動物看護師となって、社会にどのように貢献しようと考えているのか、述べて下さい。

※過去の小論文テーマは学校HPに掲載されています。

https://www.nihon-u.ac.jp/admission_info/application/past_test/ao/

②各学科内容に関連する実験・実習・演習、それらに関連する発表、口頭試問(第2次選考)

バイオサイエンス学科、森林学科、環境学科、アグリサイエンス学科、食品ビジネス学科では、第2次選考の試験日に、各学科内容に関連する実験・実習・演習、それらに関連する発表、口頭試問が行われます。

動物学科、海洋生物学科、食品開発学科、国際共生学科、獣医保健看護学科では、第2次選考の試験日1日目に各学科内容に関連する実験・実習・演習が行われ、2日目にそれらに関連する発表、口頭試問が行われます。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は

 バイオサイエンス学科15名、動物学科10名、海洋生物学科10名、

   森林学科8名、環境学科8名、アグリサイエンス学科10名、

   食品開発学科10名、食品ビジネス学科10名、国際共生学科10名、

   獣医保健看護学科5名 です。

倍率は

2023年度入試2022年度入試2021年度入試
バイオサイエンス学科1.1
動物学科1.6
海洋生物学科1.9
森林学科1.4
環境学科1.0
アグリサイエンス学科1.1
食品開発学科1.5
食品ビジネス学科2.01.6
国際共生学科1.0
獣医保健看護学科2.5

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、日本大学生物資源科学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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