慶應義塾大学法学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の私立最難関大学のひとつ、慶應義塾大学。

1858年、福澤諭吉が江戸に開いた蘭学塾から始まりました。慶應義塾大学には多様な領域をカバーする10の学部があり、建学以来「実学の精神」のもと、特色ある教育・研究活動を行なっています。就職に強い大学としても有名で、様々な業界で毎年高い就職実績を残しています。学生・卒業生・教職員など、全ての慶應義塾関係者(=社中)が固い絆でつながり、互いに協力しあう「社中協力」の精神は慶應ならではのもので、在学中はもちろん、卒業後も強固なネットワークから多くのチャンスや出会いがあります。

法学部は、法律を専門に学ぶ法律学科と、政治を専門に学ぶ政治学科の2つの学科で構成されています。いずれの学科においても、社会のルールを作るのに必要な法律や政治はもちろんのこと、人文科学や自然科学についても学びます。また、世界で活躍するためには外国語の習得も必要です。法学部では、これらの科目を有機的に結びつけて、国際的に活躍できる「スペシャリスト」兼「ジェネラリスト」の育成を目指しています。

この記事では、そんな慶應義塾大法学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆総合型選抜入試の名称

慶應義塾大学法学部の総合型選抜入試は「FIT入試」という名称で募集がなされています。

◆慶應義塾大学法学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

慶應義塾大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

法学部では、慶應義塾の建学の精神を理解し、国際的な視野に立ちつつ、新しい社会を創造し先導する気概を持つ学生を求めている。入学する学生には、法学部の教育目標(カリキュラムポ リシー)をよく理解し、そのカリキュラムの下で学習するために必要な学力、能力、そして意欲を有していることが求められる。その具体的な考査方法は、一般選抜、帰国生入試、留学生入試、指定高校による推薦入試、そして自己推薦形式でのFIT入試と多様であり、それぞれに制度の趣旨は異なるが、それらに共通する目標は、一定の知識水準を有し、その上で知的好奇心に溢れ、かつ個性豊かな学生を選考することである。

公式HPのURL:

https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/examinations/policies/#section03

◆出願条件・日程

慶應義塾大学法学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

・出願登録期間     2024年8月1日(木)10:00~ 9月4日(水)17:00

・出願書類受付期間      9月2日(月)~9月4日(水)

・第1次選考合格発表     9月17日(火)10:00

・第2次選考  

【両学科・A方式】   9月21日(土)9:40~

【両学科・B方式】   9月22日(日)9:40~

・第2次選考合格発表     11月1日(金)10:00

出願条件は、以下のとおりです。

また、大学ウェブサイト入学案内ページから印刷した、「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。

◆試験内容

A方式、B方式共に、第1次選考(書類選考)が行われます。

法律学科、政治学科、それぞれA方式は60名程度、B方式は100名程度が第1次選考を通過します。

第1次選考の合格者に対し、第2次選考が行われます。

第2次選考の内容は方式によって異なります。それぞれの方式について説明していきます。

①第1次選考:書類選考(A方式・B方式)

②第2次選考:【A方式】論述試験、口頭試問

       【B方式】総合考査、面接

①第1次選考:書類選考(A方式・B方式)

第1次選考では、A方式・B方式共に書類選考が行われます。出願書類が総合的に判断されます。A方式、B方式共に提出が必要な「志望理由書」は、自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。「志望理由書」は、大学ウェブサイト入学案内FIT入試ページ

https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/examinations/ao-law/)からダウンロードして作成します。「志望理由書」には、慶應義塾大学法学部を志望した理由と、入学後、何をどのように学び、また自分の夢をどう実現したいかを、志望理由と関連させて2000字以内で記述します。

A方式で提出が必要な「自己推薦書」の内容も、自身をアピールする書類として重要といえるでしょう。「自己推薦書」は、中学校卒業から出願に至るまでの期間で特筆すべき活動内容を具体的に記載したうえで、自分自身がいかに魅力的な人物であるかを自由に表現します。

②第2次選考:【A方式】論述試験、口頭試問 【B方式】総合考査、面接試験

    第2次選考では、A方式は論述試験と口頭試問、B方式は総合考査と面接が行われます。それぞれについて説明していきます。

【A方式】論述試験、口頭試問

A方式では、最初に50分間の模擬講義が行われます。講義の内容は、大学1年生が受講して理解できるレベルの内容です。模擬講義受講後に、講義の内容を踏まえたうえで、自身の意見を記述させる「論述試験」が行われます。試験時間は45分です。法律学や政治学の修得に必要な理解力、考察力、表現力などが評価されます。

「口頭試問」では、開始前に2分間の自己アピールを兼ねた自己紹介を行ないます。その後、複数の教員と1名の受験生で、口頭で与えられたテーマについての質疑応答が約15分間行われます。学問的な理解力や知的表現力などが評価されます。

【B方式】総合考査、面接試験

B方式では、「総合考査Ⅰ」(45分)、「総合考査Ⅱ」(45分)、「面接試験」(約10分)が行われます。「総合考査Ⅰ」では、与えられた資料(グラフ、表、データ、判例など)から読み取れることを400字程度で記述させる問題が出題されます。社会科学に必要な論理的な思考力、考察力が評価されます。「総合考査Ⅱ」では、与えられたテーマについての小論文(400字程度)が課せられます。創造力、独創性、発想力が評価されます。総合考査終了後、約10分間の面接試験が行われます。

大学ホームページに、過去の第2次選考試験の概要が掲載されています。確認して対策するようにしましょう。(https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/examinations/ao-law/

◆募集人員・倍率情報

募集人員は

法律学科 A方式・B方式合計 最大80名

政治学科 A方式・B方式合計 最大80名  です。

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
法律学科(A方式)4.85.44.9
法律学科(B方式)2.32.32.8
政治学科(A方式)65.46.7
政治学科(B方式)2.92.32.7

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、文章力に自信がある人には是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、慶應義塾大学法学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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