立教大学理学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介
2024/09/06
関東の難関私立大学群「GMARCH」のひとつである、立教大学。
1874年にアメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が設立した、聖書と英学を教える私塾「立教学校」をルーツとしています。創立以来、西洋の伝統的なリベラルアーツカレッジをモデルとして、現在まで発展してきました。
150年の歴史を持つ立教リベラルアーツ教育を再構築して生まれた、学びの体系”RIKKYO Learning Style”により、グローバルな課題と社会的要請に対応し、広い視野に立って課題を発見・解決できる能力を持った「新しい」グローバルリーダーの育成を目指しています。
理学部は、数学科、物理学科、化学科、生命理学科の4つの学科で構成されています。基礎科学に基盤を置き、自然や数理の法則・体系を理解するために多数の演習・実験科目が用意されています。少人数教育により、アットホームな雰囲気で密度の高い教育を受けることができるのも特徴です。
この記事では、そんな立教大学理学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!
◆総合型選抜入試の名称
立教大学理学部の総合型選抜入試は、「自由選抜入試」、「アスリート選抜入試」という名称で募集がなされています。
◆立教大学理学部のアドミッションポリシー
各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。
立教大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。
(公式ホームページより抜粋)
<教育目的>
教育研究活動を通じて「科学の専門性を持った教養人」を育成します。 具体的には、
1.科学の専門知識を持ち、専門分野を中心とした領域での課題解決能力を発揮する人材、
2.これらの知識や能力を大学院教育によってさらに高度に発展させようとする人材、加えて、
3.自信と誇りを持って社会に出て、大学で学んだ科学的考え方を活用できる人材、
の育成をします。
<教育活動>
■教育内容
学士課程における修業年限4年間を「導入期」「形成期」「完成期」の3期に区分します。導入期は、「学びの精神」、「学びの技法」、言語教育科目、および専門における入門的科目と基礎的実験科目で構成し、大学での学びへのスムーズな着地をねらいます。形成期は、進んだ専門科目と隣接する分野の科目、実験系に於いては専門的な実験科目と専門に関係する英語科目で構成し、科学の専門知識と教養を醸成します。完成期は、発展的な専門科目、実験系に於いては実験科目で構成し、課題解決能力を醸成し社会での活躍や大学院での研究ができる能力を身につけます。
●学部共通
[理学とキャリア]では、「キャリア」を「生き方、道の選択」の意として捉え、本学理学部卒業生、理系企業の研究者や人事担当者などによる多彩な講演をもとに、今の自分自身を見つめ直し、将来について考えるきっかけを得ます。さらに、大学時代のすごし方や理学部で学ぶことの意味についてより深く考察します。
[理数教育企画]では、主に高校生に対して「理数教育の企画立案とその実践」を行い、課題発見力・企画力・企画実行力を身につけます。
[サイエンスコミュニケーション入門]では、科学の本質やその意義を理解し、多様な表現手法を用いて社会に正しく伝える能力を修得します。さらに、「科学史」、「数学ことはじめ」、「地学概説」、「理科総合実験」、「知的財産権」、「医学概論」では、学科の専門の分野に偏らず、広い視野を持つことができるよう、隣接する分野を学びます。「短期海外留学プログラム1、2」では、語学の学修とともに、海外の文化に触れたり、海外での仕事を考察したりする機会を持ちます。
●数学科
1年次春学期に「集合と写像」、「線形代数学入門」、「微分と積分入門」、「計算機入門1」を学ぶことにより、高校数学から大学で学ぶ数学へとゆるやかに移行していきます。1年次から3年次においては、「代数」・「解析」・「幾何」という数学を支える3本柱に沿い、講義とともに演習を行うことで確実な修得を目指します。同時に、計算機・情報数学にまつわる講義・演習を履修し、プログラミングの基礎や暗号理論などを学ぶことができます。大学院進学を考えている学生や、進んだ内容を学びたい学生は2、3年次に少人数制の「数学セミナー」を選択することができます。4年次には、3年次までに学んだ基礎的な知識をもとに、自分の志望する分野の教員のもとで卒業研究を行い、専門的知識を深く掘り下げ、学問の面白さに触れます。
●物理学科
1年次春学期の「物理学概論」と「物理入門ゼミナール」により、大学における物理の学び方に慣れることができます。物理学の基礎的な学問である古典力学・熱力学・電磁気学を1年次・2年次で学び、それらを基礎として発展した統計力学・量子力学を3年次に学習します。それらの学問の理解に必須となる数学(微分積分学、線形代数学、物理数学)も並行して学習します。基幹的な科目には全て「演習」の時間を設け、自らの手で問題を解くことにより、各科目をより深く理解することができます。1年次~3年次における実験科目により、現代の物理学の研究に必須であるコンピュータをはじめとした基礎的な実験技術を学びます。3年次までに学んだ知識・技術を基に、4年次の卒業研究では最先端の研究の一端を経験します。
●化学科
化学の主要分野である物理化学、分析化学、有機化学、無機化学、計算化学を1年次~3年次に系統的に学びます。化学の基礎の理解に必要な数学(微分積分、線形代数)を1年次で、物理学(力学、電磁気学、量子力学)を1、2年次で学びます。基幹的な科目には「演習」の時間を設け、自らの手で問題を解くことにより、各科目をより深く理解することができます。1年次〜2年次における実験科目により、現代の化学の研究に必須である基礎的な実験・計算技術を学びます。3年次には、学生実験と研究の橋渡しとなる、研究に近い条件での実験を行います。3年次までに学んだ知識・技術を元に、4年次の卒業研究では最先端の研究の一端を経験します。
●生命理学科
1年次には生命科学に関連の深い生物学、化学の基礎的な科目を中心に学習します。2年次以降には、分子科学に立脚した現代の生命像を理解するため、「分子生物学」「生物化学」及び「分子細胞生物学」を集中的に学びます。また日々進歩する生命科学の現状や応用技術の可能性など、生命科学の最先端を学んでいきます。3年間を通して実験に取り組み、生命科学分野の研究に必須な実験技術を身につけるとともに、講義で学んだ知識をより確かなものとします。またコンピュータ処理の手法なども学びます。4年次にはこれまでに学んだ事柄の集大成として、各研究室に所属して卒業研究に取り組み、総合力、課題解決能力を身につけます。
■指導体制
・専任教員1名あたり1学年少人数での教育を行っています。
・アドバイザーおよびオフィスアワーを導入しており、学生が常時相談できます。
・学習支援室などを設け、学習上の諸問題を上級生や先輩に相談できる機会を提供しています。
・演習科目と実験科目は教員および大学院生のティーチングアシスタント(TA)を複数配置し、一人一人の学生に指導が行き届くような環境を用意しています。
・コンピュータ室および実験室を開放し、授業時間以外での自習ができる環境を提供しています。
・自分の専門に隣接する分野の科目を用意し、理学的教養を学ぶ機会を提供しています。
・基幹的な科目については主な教科書・参考書・演習書が図書館に蔵書されています。毎年蔵書数を増やし、学生が深く・広く学ぶ環境を用意しています。
・4年次の卒業研究・数学講究(応用数学講究)では、一人の教員あたり少人数の学生が1年間にわたり実験的・理論的な課題に取り組み、主体的に学ぶ力、課題解決能力、発表力をのばすための訓練を行っています。
・指導力向上のための教員研修(FD)を実施し、指導力の向上に日々努めています。
■指導法
・基礎を重視した講義・実験・実習・演習を交えた体系的カリキュラムで、専門とする科学を系統立てて学習します。
・実験科目では全ての課題にレポートの提出を義務づけ、科学的な理解を深めるだけでなく、文章作成技術も合わせて指導しています。
・学生自らが課題設定をして企画・実行する活動を導入している科目もあります。
・筆記試験やレポートだけでなく、プレゼンテーションを重視した科目もあります。
・大学院科目の早期履修制度や学部・大学院共通科目を通じて、先端の研究に触れる機会を設けています。
<入学者に求める知識・技能・態度・体験>
■知識
●数学科
高等学校での1)数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学Bの内容を理解していることが必要です。
●物理学科
高等学校での2)物理基礎、物理、および1)数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学Bの内容を理解していることが必要です。
●化学科
高等学校での3)化学基礎、化学、および1)数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学Bの内容を理解していることが必要です。2)物理基礎、物理の内容を理解していることが望まれます。
●生命理学科
高等学校での4)生物基礎、生物、もしくは3)化学基礎、化学、もしくは2)物理基礎、物理、および1)数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学Bの内容を理解していることが必要です。
注
1)旧課程履修者は 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C
2)旧課程履修者は 物理Ⅰ、物理Ⅱ
3)旧課程履修者は 化学Ⅰ、化学Ⅱ
4)旧課程履修者は 生物Ⅰ、生物Ⅱ
■技能
コンピュータの基本操作をマスターしていることが望まれます。英語の読み・書きは大学における専門分野の学習・研究活動には必須ですので、高校レベルの英語を充分に修得していることが必要です。また、論理的思考力、および、発表やレポート作成を行うための充分な日本語能力を有していることが望まれます。
「英語」に関しては、読む、書く、話す、聞くといった能力を高等学校で十分に身につけておくことが必要です。
■態度
高い倫理性を持って、異なる文化・性別・しょうがい等に対しての偏見が無く、様々な文化背景・生活体験を有する人たちと良好な人間関係を構築し、協働的に作業ができる素地があることが望まれます。また、自然に対して真摯に向き合い、自然界に存在する「不思議さ」を常に探求し真理を求める志を持つことが望まれます。
■体験
日常の生活において自然現象に興味を持ち、自然の「偉大さ」「不思議さ」に触れ、それらを理解しようという努力をした経験を持つことが望まれます。
<入試種別の目的>
1.一般入試
本学ならびに理学部の教育目的を理解し、理学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を測り、選抜することを目的とする。
2.大学入学共通テスト利用入試
本学ならびに理学部の教育目的を理解し、理学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を、大学入学共通テストを利用して測定し、選抜することを目的とする。
3.自由選抜入試
志望する学部に関連した高い能力をもつ者、あるいは学業以外の諸活動の分野に秀でた個性をもつ者で、本学ならびに理学部の教育目的を理解し、そこで学びたいという熱意を提出書類及び面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。
4.アスリート選抜入試
スポーツ競技の実績が優秀であるだけでなく、人格的にも優れ学業に対する高い意欲をもつ者を、競技実績や提出書類、小論文、面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。
5.外国人留学生入試 国際交流の一環として、交換留学制度とは別に、本学での教育を希望する外国人留学生を選抜することを目的とする。
・書類選考による募集制度
外国人留学生を、提出書類および日本留学試験の成績等の内容により、多面的・総合的に評価する。
6.指定校推薦入学
理学部が自らの教育目的に基づいて、特色ある教育を行っている高等学校を指定したうえで、理学部の教育目的を理解し、理学部が定める一定の学力を有する者を高等学校長が推薦し理学部が受け入れることを目的とする。
7.関係校推薦入学
日本聖公会に所属する高等学校を対象として、本学ならびに理学部の教育目的を理解し、キリスト教に基づく教育を継続して学びたいという意欲のある者を高等学校長が推薦し本学が受け入れることを目的とする。
<入学前学習>
指定校推薦入学・関係校推薦入学・アスリート選抜入試・自由選抜入試合格者に対しては、入学前にオリエンテーションを実施し、入学前課題を課しています。また、REO(Rikkyo English Online)を使った英語のオンライン学習を課しています。
公式HPのURL:
https://www.rikkyo.ac.jp/about/disclosure/educational_policy/science.html
◆出願条件・日程
立教大学理学部の総合型選抜入試には、「自由選抜入試」、「アスリート選抜入試」があり、それぞれ出願条件に制約があります。
<1>自由選抜入試
・出願時期 2024年9月12日(木)~9月18日(水)
・試験日 【第一次選考】 書類審査のみ
【第二次選考】 11月16日(土)
・合格発表日 【第一次選考】 10月28日(月)
【第二次選考】 12月2日(月)
出願条件は以下のとおりです。
また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/)
<2>アスリート選抜入試
・出願時期 2024年9月2日(月)~5日(木)
・試験日 【第1次選考】 書類審査のみ
【第2次選考】 10月16日(水)
・合格発表日 【第1次選考】 9月27日(金)
【第2次選考】 11月1日(金)
出願条件は、以下のとおりです。
また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/)
◆試験内容
<1>自由選抜入試
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:筆記試験、面接
①第1次選考:書類選考
第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。「志望理由書」は、大学Webサイトからダウンロードし、「これまでの自分の実績や集中して行ってきたことに触れながら、入学後に何をどのように学びたいのか」について2000字程度で記入します。
②第2次選考:小論文、面接
第2次選考では、小論文試験と面接が行われます。
小論文試験では、主に科学の基礎を内容とし、独創的発想、問題理解力、論理的構成力、文章表現力、科学的素養などを測る問題が出題されます。試験時間は90分です。
面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。
<2>アスリート選抜入試
①第1次選考:書類審査
②第2次選考:小論文、面接
①第1次選考:書類審査
第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。
「志望理由書」はすべての志望学科(専修)に共通する内容を記述する「志望理由書①」と、各学科(専修)の志望理由を記述する「志望理由書②」の2種類提出する必要があります。
「志望理由書①」は、「高校在籍中の競技実績と、スポーツ活動を通じて学んだこと」、「立教大学を志望した理由」、「入学後の学業と体育会活動との両立に関して、どのような目標を定め、取り組みたいか」について、1500字以内で記述します。
「志望理由書②」は、志望学科(専修)に入学後、何をどのように学びたいかについて、500字以内で記述します。
②第2次選考:小論文、面接
第2次選考では、小論文試験が行われます。試験時間は60分です。与えられたテーマについて記述します。論理的構成力、文章表現力、知的素養、独創的発想などが総合的に評価されます。
面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。
◆募集人員・倍率情報
募集人員は
<1>自由選抜入試
数学科2名程度、物理学科2名程度、化学科4名程度、生命理学科4名程度
<2>アスリート選抜入試
数学科、物理学科、化学科、生命理学科 若干名
倍率は
<1>自由選抜入試
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
数学科 | 2.3 | 2 | 4 |
物理学科 | 2 | 2.5 | – |
化学科 | 3 | 3 | 2.5 |
生命理学科 | 3 | 8 | 2.6 |
<2>アスリート選抜入試
※全学部学科合わせた志願者数しか公開されておらず、学科ごとの倍率の計算ができないため、空欄にしています。
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
数学科 | |||
物理学科 | |||
化学科 | |||
生命理学科 |
出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。
以上、立教大学理学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。
オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。
自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。
話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。
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