立教大学文学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の難関私立大学群「GMARCH」のひとつである、立教大学。

1874年にアメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が設立した、聖書と英学を教える私塾「立教学校」をルーツとしています。創立以来、西洋の伝統的なリベラルアーツカレッジをモデルとして、現在まで発展してきました。

150年の歴史を持つ立教リベラルアーツ教育を再構築して生まれた、学びの体系”RIKKYO Learning Style”により、グローバルな課題と社会的要請に対応し、広い視野に立って課題を発見・解決できる能力を持った「新しい」グローバルリーダーの育成を目指しています。

文学部では、人間および人間に関わる諸分野を多角的・総合的に考察し、分析するために、学科や専修の枠を超えて学ぶことができる、柔軟性のあるカリキュラムを編成しています。「当たり前」にとらわれずに物事を見抜く知性を身につけ、自ら課題を見つけ出し、研究していきます。得られた知見を活用し、真の人間の姿を理解すること、時代や空間を超えて人間や社会のあるべき姿を創出していくことを目指しています。

この記事では、そんな立教大学文学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆総合型選抜入試の名称

立教大学文学部の総合型選抜入試は、「自由選抜入試」、「アスリート選抜入試」という名称で募集がなされています。

◆立教大学文学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

立教大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式ホームページより抜粋)

<教育目的>

世界の多様な文学・言語・文化・歴史・思想・教育に関するテキストや事象に触れることを通じて、幅広い人文的教養と深い人間理解に裏打ちされ、主体的な批評精神をもって社会に貢献できる人間を育てる。

<教育活動>

■教育内容

●学部共通のカリキュラム

広く複合的学問体験を持たせ、学生各自の学問的関心を喚起し、その知的主体性を涵養するために、全学科・専修共通の「基幹科目」を展開すると同時に、全学共通カリキュラムの履修を義務づけている。また、卒業後の将来や自らの人生と人文学との関係を見つめさせる「人文学とキャリア形成」を2年次必修で課し、3年次・4年次には「インターンシップ」科目を選択できるようにして、学習と実生活を有機的に結び付けるように促している。

●学科・専修のカリキュラム

各学科・専修のカリキュラムは、基礎的な知識・研究方法の習得のための入門講義・入門演習と、それぞれの領域に存在する諸問題について深く探究する講義・演習より構成されている。各学科・専修の講義科目の大半は、文学部の全学生が履修できるように開放されている。

●キリスト教学科

キリスト教の歴史と文化について広く深く理解し、宗教と社会の関連性を洞察できる能力を身につける。「入門演習」「キリスト教学基礎演習」では、キリスト教学の多様な領域(歴史・文化・思想など)の基礎を学ぶ。「キリスト教学講義」は、キリスト教という現象を広くかつ多角的に学ぶ基礎的講義群と、各領域についての知識をより専門的に深めていく専門的講義群とから構成されている。さらに、特定のテーマに関して自ら積極的に調査・研究する「演習」、机上の知識を批判的に見直す「フィールドワーク」、外国語文献を精読する「文献講読」を通して、講義で得た知識を応用的に展開させていく。

●文学科

言葉や文化・文学に対する理解を深めるとともに、文章や口頭による発信能力の養成を重視している。英米文学専修、ドイツ文学専修、フランス文学専修、日本文学専修、文芸・思想専修の5つの専修から成り、専修ごとに入学者選抜を実施している。

[英米文学専修]

英語の理解力・運用能力を鍛えるとともに、英語圏の多種多様な文化・文学に親しみ、広く深い理解を持つことをめざす。

[ドイツ文学専修]

ドイツ語の理解力・運用能力を鍛えるとともに、ドイツ語圏の多種多様な文化・文学に親しみ、広く深い理解を持つことをめざす。

[フランス文学専修]

フランス語の理解力・運用能力を鍛えるとともに、フランス圏の多種多様な文化・文学に親しみ、広く深い理解を持つことをめざす。

[日本文学専修]

古代から近・現代に至る日本の言語・文学・文化について広く深く学ぶ。日本文学と関わりの深い中国文学・思想に関する科目も設けている。

[文芸・思想専修]

古今東西の文芸・思想分野について広く深く学ぶとともに、自分の考えを自分の言葉(詩・小説などの創作を含む)で発信する力を身につける。

●史学科

世界史学専修、日本史学専修、超域文化学専修という3つの専修から成り、特定の文化的価値に縛られない自由な立場で私たちの拠って来たる所=「基層」を深く理解しようと努める。専修への所属は、2年次に選択する演習によって決定する。

日本史学専修では日本に関する史料に基づく歴史研究の手法および発想を学ぶ。世界史学専修では大陸世界と海域世界の史料に基づく歴史研究の手法および発想を学ぶ。超域文化学専修ではフィールドワークに基づき、文化・社会・環境の相互関係を解明する研究手法および発想を学ぶ。

●教育学科

教育学および教育事象について広く深く理解し、幅広い学問領域を総合的に学習するために、教育心理学、教育社会学、教育史、教育哲学などの教育諸科学分野を扱う専門科目を展開するとともに、学生それぞれの関心に応じて学べるように、多彩な科目を用意している。

3年次には、教育学専攻課程と初等教育専攻課程のいずれかの専攻課程に進む。教育学専攻では、3年次の必修科目である「演習」を足場として、特定の専門領域から教育学をより深く学ぶ。また、初等教育専攻では、小学校教員免許取得に必要なすべての科目を履修することができ、教員養成のための勉学が中心となる。

■指導体制

・入門演習、演習などの少人数授業を設けて、きめ細かな指導を行っている。

・オフィスアワーやアドバイザー制度により、すべての専任教員が学業その他についての学生の相談に日常的に対応している。

・卒業論文・制作履修者に対しては、専任教員による演習形式の指導(卒業論文指導演習)や、個別面談による指導を行っている。

・教員研究室近くに学生の自由研究スペースを設け、学生相互の学びや学生と教員の協働を可能にしている。

・大学院生をティーチング・アシスタント(TA)として起用し、学部学生に対する行き届いた指導を行っている。

■指導法

・学生の自主性・主体性を重視し、自ら問題を発見してそれを解決する経験を積ませ、その能力を育てることを指導の基本としている。

・すべての学科・専修の概説科目を1年次に履修可能とし、多様な問題の存在に早くから気づくことができるように配慮している。

・すべての学科・専修の講義科目を横断的に履修する場合の研究テーマを具体的に例示し、学生の視野の拡大に資している。

・卒業論文・制作で、所属学科の領域を超える問題に取り組む希望がある場合は、所属学科・専修以外の専任教員の指導を受けることが可能である。

<入学者に求める知識・技能・態度・体験>

■知識

高等学校を卒業するのに必要な単位を修得済であること、もしくはそれと同等の知識を有すること。

■技能

授業を理解し、調査・分析・発表・討論を行うために必要となる日本語の能力を有すること。コンピューターの基本ソフトをある程度操作できることが望まれる。「英語」に関しては、読む、書く、話す、聞くといった能力を高等学校で十分に身につけておくことが必要である。

■態度

文化の差異・性別・しょうがい等に対して偏見をもたず、さまざまな文化背景・生活体験を有する人たちと良好な人間関係を構築し、協働的に活動できる素地があること。また、言語・芸術など人間の営為全般に関する興味・関心があり、それを学問的に探究する志を有すること。

■体験

これまでの体験の意味を深く考え、それを今後に生かしていこうとする気持ちを持つことが望まれる。体験の内容は問わない。

<入試種別の目的>

1.一般入試

本学ならびに文学部の教育目的を理解し、文学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を測り、選抜することを目的とする。

2.大学入学共通テスト利用入試

本学ならびに文学部の教育目的を理解し、文学部での教育を志望する者に対して、高等学校における教科・科目の学習の達成度を、大学入学共通テストを利用して測定し、選抜することを目的とする。

3.自由選抜入試

志望する学部に関連した高い能力をもつ者、あるいは学業以外の諸活動の分野に秀でた個性をもつ者で、本学ならびに文学部の教育目的を理解し、そこで学びたいという熱意を提出書類及び面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。

4.アスリート選抜入試

スポーツ競技の実績が優秀であるだけでなく、人格的にも優れ学業に対する高い意欲をもつ者を、競技実績や提出書類、小論文、面接等の内容により多面的・総合的に評価し、選抜することを目的とする。

5.外国人留学生入試

国際交流の一環として、交換留学制度とは別に、本学での教育を希望する外国人留学生を選抜することを目的とする。書類選考による募集制度により、外国人留学生を、提出書類および日本留学試験の成績等の内容により、多面的・総合的に評価する。

6.指定校推薦入学

文学部が自らの教育目的に基づいて、特色ある教育を行っている高等学校を指定したうえで、文学部の教育目的を理解し、文学部が定める一定の学力を有する者を高等学校長が推薦し文学部が受け入れることを目的とする。

7.関係校推薦入学

日本聖公会に所属する高等学校を対象として、本学ならびに文学部の教育目的を理解し、キリスト教に基づく教育を継続して学びたいという意欲のある者を高等学校長が推薦し本学が受け入れることを目的とする。

8.学校長推薦による入学(NEXUS)

NEXUSプログラム日本語集中履修期間のカリキュラム内容ならびに2学期目以降に接続する文学部カリキュラムにおける教育目的に基づいて、特色ある教育や言語教育を行っている外国の高等学校を指定したうえで、次世代に繋がるグローバルな協働共生について日本語コミュニケーションを通じ実践する姿勢を持ち、かつ文学部の教育目的を理解し本学が定める一定の学力を有する者を当該の高等学校長が推薦し文学部が受け入れることを目的とする。

<入学前学習>

REO(Rikkyo English Online)を利用した英語学習を課している。指定校推薦、関係校推薦、アスリート選抜入試、自由選抜入試、外国人留学生入試合格者に対しては、推薦図書に関する読書感想文の提出も求めている。

公式HPのURL:

https://www.rikkyo.ac.jp/about/disclosure/educational_policy/arts.html

◆出願条件・日程

立教大学文学部の総合型選抜入試には、「自由選抜入試」、「アスリート選抜入試」があり、それぞれ出願条件に制約があります。

<1>自由選抜入試

・出願時期  2024年9月12日(木)~9月18日(水)

・試験日   【第1次選考】  書類審査のみ (※)

     【第2次選考】 11月16日(土)

(※)文学部文学科(ドイツ文学専修、フランス文学専修)は、第1次選考は実施しません。

・合格発表日  【第1次選考】 10月28日(月)

        【第2次選考】 12月2日(月)

出願条件は学科によって異なります。

学科ごとの出願条件は以下のとおりです。

また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/

<2>アスリート選抜入試

・出願時期  2024年9月2日(月)~5日(木)

・試験日   【第1次選考】  書類審査のみ

   【第2次選考】 10月16日(水)

・合格発表日  【第1次選考】 9月27日(金)

        【第2次選考】 11月1日(金)

出願条件は、以下のとおりです。

また、大学Webサイトから印刷した「志望理由書」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/

◆試験内容

<1>自由選抜入試

①第1次選考:書類選考

※文学科ドイツ文学専修、フランス文学専修は、第1次選考は実施しません。

②第2次選考:筆記試験、面接

①第1次選考:書類選考

第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。「志望理由書」は、大学Webサイトからダウンロードし、2000字程度で記入します。

キリスト教学科、文学科英米文学専修、文学科ドイツ文学専修、文学科フランス文学専修、史学科、教育学科は、「これまでの自分の実績や集中して行ってきたことに触れながら、入学後に何をどのように学びたいのか」について記述します。

文学科日本文学専修は、「これまでに読んだ文芸書・学術書5冊以上挙げたうえで、それらを読んで何を考え、何を得たか、また、それを踏まえて何をどのように学びたいのか」について記述します。

文学科文芸・思想専修は、「これまでに読んだ文芸書および哲学・学術書(新書を除く)を20冊以上挙げたうえで、これらの読書を通じて何を考え、何を得てきたか、そして、読書を手がかりに入学後に何をどのように学びたいのか」を、具体的な書名をあげて記述します。

②第2次選考:筆記試験、面接

第2次選考の内容は学科によって異なります。面接だけ行われる学科、面接と筆記試験が行なわれる学科があります。

文学部の全ての学科において、面接が行われます。面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。

文学科英米文学専修では、「英作文」の筆記試験が行われます。試験時間は75分です。英語の問題文が与えられ、それについての英作文を記述します。読解力・文章構成力・表現力などが総合的に評価されます。

文学科ドイツ文学専修、フランス文学専修では、「外国語総合」の筆記試験が行われます。試験時間は75分です。「外国語総合」では、ドイツ語総合・フランス語総合から1科目を選択します。ドイツ語・フランス語の語学力(読解・文法・語彙)を測る問題とともに、ドイツ語・フランス語の読解力と日本語による論理的構成力・表現力を測る総合問題が出題されます。

教育学科では「小論文」の筆記試験が行われます。試験時間は75分です。「小論文」では、教育や社会などをめぐるテーマについて記述します。読解力・論理的構成力・表現力などが総合的に評価されます。

詳細は、入試要項で確認してください。

https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/undergraduate/guidelines/

<2>アスリート選抜入試

①第1次選考:書類審査

②第2次選考:小論文、面接

①第1次選考:書類審査

第一次選考では、出願書類が総合的に判断されます。「志望理由書」は自身をアピールする書類として重要となりますので、入念に準備しましょう。

「志望理由書」はすべての志望学科(専修)に共通する内容を記述する「志望理由書①」と、各学科(専修)の志望理由を記述する「志望理由書②」の2種類提出する必要があります。

「志望理由書①」は、「高校在籍中の競技実績と、スポーツ活動を通じて学んだこと」、「立教大学を志望した理由」、「入学後の学業と体育会活動との両立に関して、どのような目標を定め、取り組みたいか」について、1500字以内で記述します。

「志望理由書②」は、志望学科(専修)に入学後、何をどのように学びたいかについて、500字以内で記述します。

②第2次選考:小論文、面接

第2次選考では、小論文試験が行われます。試験時間は60分です。与えられたテーマについて記述します。論理的構成力、文章表現力、知的素養、独創的発想などが総合的に評価されます。

面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。「志望理由書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は

<1>自由選抜入試

キリスト教学科、文学科ドイツ文学専修、文学科フランス文学専修、文学科日本文学専修、文学科文芸・思想専修、教育学科 若干名

史学科、文学部英米文学専修 10名程度

<2>アスリート選抜入試

キリスト教学科、文学科(英米文学専修、ドイツ文学専修、フランス文学専修、日本文学専修、文芸・思想専修)、史学科、教育学科 若干名

倍率は

<1>自由選抜入試

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
キリスト教学科5.34.32.2
文学科英米文学専修1.72.12.2
文学科ドイツ文学専修2.52.31.6
文学科フランス文学専修4.234
文学科日本文学専修4.84.79.3
文学科文芸・思想専修4.176.8
史学科2.81.12.2
教育学科15.523.55

<2>アスリート選抜入試

※全学部学科合わせた志願者数しか公開されておらず、学科ごとの倍率の計算ができないため、空欄にしています。

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
キリスト教学科
文学科英米文学専修
文学科ドイツ文学専修
文学科フランス文学専修
文学科日本文学専修
文学科文芸・思想専修
史学科
教育学科

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、立教大学文学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

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