甲南大学文学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介
2025/06/04
関西の準難関私立大学群、産近甲龍のひとつである甲南大学。
甲南大学は関西唯一の私立の7年制高等学校であった旧制甲南高等学校を前身とし、1951年に開学しました。創立者の平生釟三郎は、「人格の修養と健康の増進を重んじ、個性を尊重して各人の天賦の特性を啓発する人物教育の率先」を教育理念として掲げました。この「人物重視の教育の実践」が、日本に数多くのリーダーを送り出してきた甲南の原点となっています。現在では、学生数約9000人、人文科学から社会科学、自然科学まで幅広い教育・研究分野を有する「ミディアムサイズの総合大学」となっています。総合大学でありながら、1クラスあたりの受講者数を150名以下とするなどの取り組みにより、きめ細やかで「顔がわかる少人数教育」を推進しています。学部学科に関係なく学べる共通教育や融合型カリキュラムが充実しており、視野を広げ、社会で活躍できる実践力を身につけることができます。
文学部は、日本語日本文学科、英語英米文学科、社会学科、人間科学科、歴史文化学科の5学科で構成されており、ことば・文学・社会や歴史、心や哲学、芸術、人文学などの分野を学びます。各学科では、自分の専攻分野を学びながら、自ら問題を発見し、解決する能力を養います。さらに自分の考えを整理して、他者に的確に伝える能力を身につけることで、様々な問題を解決できる人を社会に送り出すことを目指しています。
この記事では、そんな甲南大学文学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!
◆甲南大学文学部の総合型選抜入試の名称
甲南大学文学部の総合型選抜入試は、「公募制推薦入学試験(個性重視型)」、「公募制推薦入学試験(教科科目型)」という名称で募集がなされています。
◆甲南大学文学部のアドミッションポリシー
各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。
甲南大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。
(公式HPより抜粋)
文学部では、人間・社会・歴史・文化全般への知的好奇心と国際的視野をもった学生を求めています。特に、自分の専攻分野についての基礎的な学力を持つとともに、主体的に問題を発見し、解決する能力を有し、自分の考えを整理して、他者に的確に伝える意思と能力のある人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。
❶高等学校または相当する教育機関において、日本語、外国語双方における基本的リテラシーと社会についての基礎知識を身につけている。
❷文学部において、社会の文化的諸問題と接しながら、読書、調査、討論を通じて深く問題を考え、より高度な知を身につけるために努力する意欲がある。
❸文学部での学習を通じて、各種の集団活動の中で他者と積極的に対話して問題を発見し、協働して問題を解決しようとする実践的な力を身につけるための努力ができる。
■日本語日本文学科
日本語と日本文学の学びを通じて、世界のなかの日本文化の価値と意義について深 く考えようとする学生を求めます。特に、大学の学びで得た日本語の高度な運用能 力と表現能力を生かして社会の諸分野で活躍するとともに、グローバル化する社会 に情報発信を行おうとする意欲のある人材を養成するため、下記の能力・資質・意 欲をもつ学生を求めます。
❶高等学校または相当する教育機関において、国語・外国語を中心とした幅広く基礎的な学力を身につけている。
❷日本語や日本文学・日本文化、外国人への日本語教育に興味を持ち、日本語日本文学科の学びのなかで、それらの問題について、主体性を持ってより深く追究しようとする姿勢を有している。
❸日本語と日本文学の価値と意義を、さまざまな人と協力しながら、広く世界に発信したいという意欲をもっている。
■英語英米文学科
英語の学習を通じて、国際的視野をもちながら英語圏の文化の価値と意義について考えようとする学生を求めます。特に、大学で身につけた英語の高度な運用能力と表現能力を生かしながら社会の諸分野で活躍するとともに、グローバル化する社会に情報発信を行おうとする意欲のある人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。
❶高等学校または相当する教育機関において、英語圏の文化の基礎的な知識を修得するために必要な基礎的英語力、社会常識、基礎学力を身につけている。
❷英語英米文学科において語学力の向上のために日々努力を行うことができ、かつ自ら的確な問いを立て、英語圏の文化やことばのしくみについて多角的に探求する意欲および能力を有し、さらに自国と世界の関わりについても関心を広げる姿勢がある。
❸自らの学習と他者との対話を通じて、英語圏の文化と言語についての知見をもとにグローバルな視点から自ら率先して社会に貢献する意欲をもっている。
■社会学科
社会学・人類学の学習を通じて、国際的教養力に裏付けられた世界に通用する行動力を身につけようとする学生を求めます。特に、大学の学びを通して得た高度な社会分析力を生かしながら社会の諸分野で活躍するとともに、グローバル化する社会に情報発信を行おうとする意欲のある人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。
❶高等学校または相当する教育機関において、国語・外国語・数学・社会の基礎力を身につけている。
❷社会学科での学びのなかで、他者と意見を交換し合い、集団の中で自らの知見を高めるとともに、社会の諸側面を調査・分析する能力を身につけようとする意欲がある。
❸自らのアイディアを発信し、社会的な行動につなげる実践力を有している。
■人間科学科
心理学・哲学・芸術学・環境学等の学習を通じて、社会のなかの人間について考え ようとする学生を求めます。特に、大学の学びを通じて得た現代社会の多角的分析 能力を生かして社会の諸分野で活躍するとともに、グローバル化する社会に情報発 信を行おうとする意欲のある人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ 学生を求めます。
❶人間・社会・文化について、強い知的関心を有し、高等学校または相当する教育機関において、国語、外国語と、地理歴史あるいは数学の基礎的な学力を身につけている。
❷国語、外国語と社会や文化についての基礎知識に基づいて、人間科学科における専門的な知識や現代社会の問題を多角的にとらえる理解力を身につけ、それを主体的に表現することができる。
❸他者に対する共感的な関心を持ち、創造的で柔軟な発想に基づいて、現代社会の多様な問題を解決する意欲をもっている。
■歴史文化学科
歴史学、地理学、民俗学の学習を通じて、人類の過去・現在・未来を考えようとする学生を求めます。特に、大学での学びを通じて広い時空間のなかで現在を考える力を身につけ、それを生かしながら社会の諸分野で活躍するとともに、グローバル化する社会に情報発信を行おうとする意欲のある人材を養成するため、下記の能力・資質・意欲をもつ学生を求めます。
❶高等学校または相当する教育機関において、国語、外国語の基礎力と歴史・地理・民俗についての基礎的知識を身につけている。
❷歴史や地理・民俗について強い知的関心を有し、歴史文化学科での学びのなかで、その関心を生かして自らの問題を発見し、解決しようとする意欲がある。
❸自らの学習と他者との対話のなかで、自分の考えを発信し、実践する意欲をもっている。
公式HPのURL:
https://ch.konan-u.ac.jp/admission/course/admission-policy
◆出願条件・日程
甲南大学文学部の総合型選抜入試には、「公募制推薦入学試験(個性重視型)」と「公募制推薦入学試験(教科科目型)」があり、それぞれ出願条件に制約があります。
<1>公募制推薦入学試験(個性重視型)
・出願期間: 2024年9月1日(日)~9月7日(土)
・第1次選考(書類選考)合格発表日: 9月26日(木)
・第2次選考試験日: 10月12日(土)
・第2次選考合格発表日: 11月1日(金)
※公募制推薦入学試験(個性重視型)は、歴史文化学科のみ実施。
出願条件は以下のとおりです。
また、「志望理由書」や「修学活動計画書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/)
<2>公募制推薦入学試験(教科科目型)
・出願期間: 2024年10月3日(木)~10月15日(火)
・試験日: 11月10日(日)
・合格発表日: 11月22日(金)
出願条件は以下のとおりです。
また、「志望理由書」や「自己推薦書」などの書類も作成して提出する必要があります。
詳細は、入試要項で確認してください。
(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/)
◆試験内容
試験内容は試験型によって異なります。各試験型の試験内容は以下のとおりです。
<1>公募制推薦入学試験(個性重視型)
①第1次選考:書類選考
②第2次選考:グループワーク、面接
①第1次選考:書類選考
第1次選考は、出願書類により行われます。「志望理由書」および「修学活動計画書」 については、内容、文章表現、文章構成などについて総合的に評価されます。
「志望理由書」は、歴史文化学科を志望するにあたって、歴史や地理のどこに強い関心をもっているか、およびその関心を深めるために自主的に行った活動(例:クラブ活動や読書、調査旅行など)を、具体的に記入します。字数は1,200字程度です。また、それらの活動を客観的に証明できる資料があれば、一緒に提出します。
「修学活動計画書」は、志望理由書で述べた関心事を深めるために、入学後、主体的にどのような勉強をしたいかについて記述します。また、自主的に行いたい活動があれば、あわせて具体的に記述します。字数は600字程度です。
②第2次選考:グループワーク、面接
第1次選考の合格者に対し、第2次選考ではグループワークと面接が行われます。
グループワークの内容は、歴史や地理の資料読解および記述です。
面接では入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかどうかが問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求める学生であることをアピールできるようにしましょう。また、「志望理由書」や「修学活動計画書」の内容について、より詳しく説明を求められることも想定されます。信頼できる学校の先生や塾の先生と練習し、自信を持って面接に臨むことができるように対策しましょう。
<2>公募制推薦入学試験(教科科目型)
筆記試験の結果、調査書、志望理由書、自己推薦書の評価の合計点により合否が決定します。1教科でも欠席した場合、合否判定の対象となりませんので注意しましょう。なお、合格者の選考は一般方式、外部英語試験活用方式それぞれに行われます。外部英語試験活用方式を選択した場合は、外部英語試験の得点をみなし得点に換算し、外国語(英語)の得点に充当します。みなし得点の換算についての詳細は、入試要項で確認してください。(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/application/)
各学科の試験教科、科目、配点は以下のとおりです。(過去問データなし)
◆募集人員・倍率情報
<1>公募制推薦入学試験(個性重視型)
募集人員は
歴史文化学科 約2名です。
倍率は
※倍率のデータは大学HP(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/result/)から転記しています。2022年度はデータが見つからないため空欄です。(データシートにもなし)
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | |
歴史文化学科 | 7.3 | 5.5 |
<2>公募制推薦入学試験(教科科目型)
募集人員は
日本語日本文学科14名、英語英米文学科12名、社会学科12名、人間科学科15名、歴史文化学科6名 です。
倍率は
※倍率のデータは大学HP(https://ch.konan-u.ac.jp/admission/result/)から転記しています。2023年度・2022年度は入試方式、試験教科・科目が異なり、データの掲載がないので空欄です。
2024年度入試 | 2023年度入試 | 2022年度入試 | ||
日本語日本文学科 | 一般方式 | 7.8 | ||
外部英語試験活用方式 | 8.4 | |||
英語英米文学科 | 一般方式 | 6.2 | ||
外部英語試験活用方式 | 5.9 | |||
社会学科 | 一般方式 | 9.3 | ||
外部英語試験活用方式 | 9.7 | |||
人間科学科 | 一般方式 | 11.2 | ||
外部英語試験活用方式 | 11.3 | |||
歴史文化学科 | 一般方式 | 12.1 | ||
外部英語試験活用方式 | 13.3 |
出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。
以上、甲南大学文学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。
オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。
自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。
話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。
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