東京大学医学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

最難関国公立大学、東京大学。

1877年に東京開成学校と東京医学校が合併し、東京大学が創設されました。以後、工部大学校や東京農林学校等、様々な学校と合併しながら総合大学となり、2004年、国立大学が法人化され、国立大学法人東京大学となりました。現在は3つのキャンパスと10の学部を有する総合大学となっています。

東京大学の教育課程には前期課程と後期課程があります。前期課程では、リベラルアーツ教育を重視し、多様な授業科目が提供されています。特定の学問領域に偏ることなく社会・人文・自然を幅広く学び、自らの思考を理路整然と自在に展開できる能力を培うことに、その教育の重点を置いています。入学時点の限られた判断力に基づいて専門分野を決定するのではなく、前期課程のリベラルアーツ教育を十分に受けたうえで、進学先の後期課程を主体的に選ぶことを尊重する「Late Specialization(遅い専門化)」を教育の基本方針としています。

東京大学医学部では、患者さんを全人的に治療する医療人を育成し、ヒトの生命システムを解明し、新しい医学・医療を開拓することを目指しています。東大医学部の基礎医学は世界のトップレベルにあると言われており、神経科学、免疫学、がん、細胞生物学などの基礎医学研究が盛んに行われています。また、病気の発症のメカニズムや新しい治療法の確立へと応用可能な基礎研究が精力的に進められています。先端医療をリードする附属病院が臨床教育の場となっており、医学科の5年生、6年生になるとほとんどの実習は附属病院で行われます。

この記事では、そんな東京大学医学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆東京大学医学部の総合型選抜入試の名称

東京大学医学部の総合型選抜入試は、「学校推薦型選抜」という名称で募集がなされています。厳密には総合型選抜とは種類が違うものになります。

◆東京大学学校推薦型選抜のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

東京大学学校推薦型選抜の入試要項にはこのように書いてあります。

(入試要項より抜粋)

1 東京大学の使命と教育理念

1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は、国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野を持った市民的エリート」(東京大学憲章)を育成することが、社会から負託された自らの使命であると考えています。このような使命のもとで本学が目指すのは、自国の歴史や文化に深い理解を示すとともに、国際的な広い視野を持ち、高度な専門知識を基盤に、問題を発見し、解決する意欲と能力を備え、市民としての公共的な責任を引き受けながら、強靭な開拓者精神を発揮して、自ら考え、行動できる人材の育成です。

そのため、東京大学に入学する学生は、健全な倫理観と責任感、主体性と行動力を持っていることが期待され、前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)から可能な限り多くを学び、広範で深い教養と更に豊かな人間性を培うことが要求されます。この教養教育において、どの専門分野でも必要とされる基礎的な知識と学術的な方法が身につくとともに、自分の進むべき専門分野が何であるのかを見極める力が養われるはずです。本学のカリキュラムは、このように幅広く分厚い教養教育を基盤とし、その基盤と有機的に結びついた各学部・学科での多様な専門教育へと展開されており、そのいずれもが大学院や研究所などで行われている世界最先端の研究へとつながっています。

2 期待する学生像

東京大学は、このような教育理念に共鳴し、強い意欲を持って学ぼうとする志の高い皆さんを、日本のみならず世界の各地から積極的に受け入れたいと考えています。東京大学が求めているのは、本学の教育研究環境を積極的に最大限活用して、自ら主体的に学び、各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生です。何よりもまず大切なのは、上に述べたような本学の使命や教育理念への共感と、本学における学びに対する旺盛な興味や関心、そして、その学びを通じた人間的成長への強い意欲です。そうした意味で、入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも、学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を東京大学は歓迎します。

3 学校推薦型選抜の基本方針

東京大学の学校推薦型選抜は、学部学生の多様性を促進し、それによって学部教育の更なる活性化を図ることに主眼を置いて実施します。実施に当たっては、日本の中等教育における先進的取組を積極的に評価し、高等学校等の生徒の潜在的多様性を掘り起こすという観点から、日本の高等学校等との連携を重視します。 

学校推薦型選抜に当たっては、本学の総合的な教育課程に適応しうる学力を有しつつ、本学で教育・研究が行われている特定の分野や活動に関する卓越した能力、若しくは極めて強い関心や学ぶ意欲を持つ志願者を求めます。東京大学は、学校推薦型選抜で入学した学生が、東京大学、ひいてはグローバル社会の活力の源として活躍することを期待しています。

入試要項のURL:

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_28.html

◆出願条件・日程

東京大学医学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

・出願期間:【志願者によるインターネット入学志願票作成】

         2024年10月15日(火)正午頃 ~11月6日(水)17時

      【高等学校による出願(提出書類・資料のアップロード)】

             11月1日(金)正午頃 ~11月6日(水)17時

・第1次選考(書類選考)結果発表: 12月2日(月)15時

・第2次選考: 12月14日(土)

・大学入学共通テスト(本試験): 2025年1月18日(土)・19日(日)

・大学入学共通テスト(追試験): 1月25日(土)・26日(日)

・最終合格者発表: 2月12日(水)12時頃

出願資格は以下のとおりです。

医学部医学科の求める学生像と推薦要件は以下のとおりです。

医学部健康総合科学科の求める学生像と推薦要件は以下のとおりです。

また、各学部共通の「調査書」等のほか、上記の推薦要件に該当すると判断できる客観的根拠を示す資料も提出する必要があります。

詳細は入試要項を確認してください。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_26.html

◆試験内容

提出書類・資料、面接、大学入学共通テストの成績が総合的に審査され、合否が決定します。学科ごとに試験内容を説明します。

【医学科】

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:面接

③大学入学共通テスト

①第1次選考:書類選考

第1次選考は、出願書類による書類選考が行われます。「調査書」や「推薦書」の他に、「推薦要件に該当すると判断できる客観的根拠を示す資料(少なくとも一つ、複数提出可)」を提出する必要があります。

「推薦要件に該当すると判断できる客観的根拠を示す資料」は、例えば、

・日本生物学オリンピック、国際生物学オリンピック、高校生科学技術チャレンジ、International Science and Engineering Fair (ISEF)、全国物理コンテスト、国際物理オリンピック、全国高等学校化学グランプリ、国際化学オリンピックなど各種コンテストにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する資料

などです。

・きわめて高い英語の語学力(TOEFL iBT 100点以上あるいはIELTS 7点以上に相当する英語力)及び豊富な国際経験を示す資料をオプションとして提出することもできます。

これらは例示であり、これら以外の資料を提出することも可能です。

※各種コンテストにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する資料を提出する場合は、以下の情報について記載した資料を提出します。

  ・参加したコンテストの名称、参加年度

  ・国内大会の成績

  ・国際大会の準備チームに選出されたか

  ・国際大会に選手として出場したか

  ・国際大会に出場した場合の成績

 参加、成績等の証明書が存在する場合にはそのコピーを添付します。

※きわめて高い英語の語学力及び豊富な国際経験を示す資料を提出する場合は、以下の2種類の資料を提出します。

  ・語学力については、TOEFLあるいはIELTSの成績を示す書類を添付します。それ以外の検定試験の場合には、TOEFL iBT 100点以上あるいはIELTS 7点以上という基準と同等であることが明確である書類を添付します。

  ・国際経験についてはA4用紙3ページ以内(およそ5,000字以内)で具体的な経験を本人が説明する文章を添付します。

②第2次選考:面接

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では面接が行われます。

面接では、高等学校等からの推薦書類に記載された能力や経験を確認するためのプレゼンテーションが課されます。プレゼンテーションの内容や能力の確認のための質疑応答が行われ、適性が判断されます。

面接では、パワーポイントファイルを投影し、それを使って高等学校等在学中に行った主に自然科学に関連した活動と大学入学後の抱負について10分程度でプレゼンテーションをします。そのため、事前にプレゼンテーションで使用するパワーポイントファイルを作成し、提出する必要があります。パワーポイントファイル及びプレゼンテーションの使用言語は、原則として日本語ですが、英語も使用できます。グループで行った活動の場合は、本人の貢献した部分が明確になるように説明します。

また、出願時に発表の概略をA4用紙5ページ以内で説明したものを提出する必要があります。

③大学入学共通テスト

大学入学共通テストのうち、医学部が指定する教科・科目の全てを受験する必要があります。指定された教科・科目を一つでも受験していない場合、合格者にはなりませんので注意が必要です。なお、大学入学共通テストは、入学後の学修を円滑に行い得る基礎学力を有しているかどうかを判断する観点から、概ね8割以上の得点であることを目安とします。

医学部が指定する教科・科目は以下のとおりです。

【健康総合科学科】

①第1次選考:書類選考

②第2次選考:面接

③大学入学共通テスト

①第1次選考:書類選考

第1次選考は、出願書類による書類選考が行われます。「調査書」や「推薦書」の他に、「推薦要件に該当すると判断できる客観的根拠を示す資料(少なくとも一つ、複数提出可)」を提出する必要があります。

「推薦要件に該当すると判断できる客観的根拠を示す資料」は、例えば、

・高いチャレンジ精神を示す課外活動についての資料

・高いリーダーシップ、チームの調整力を示す組織のリーダー的役割の経験を証明す る資料

・学内外における研究発表会・コンテストなどにおいて顕著な成績を挙げたことを証 明する資料

・高い英語の語学力を示す資料

などです。

これらは例示であり、これら以外の資料を提出することも可能です。

※高いチャレンジ精神を示す課外活動についての資料を提出する場合は、A4用紙5ページ以内(およそ 8,000字以内)で具体的な体験内容を本人が説明する文章を添付します。参加の証明書等が存在する場合にはそのコピーを添付します。

※高いリーダーシップ、チームの調整力を示す組織のリーダー的役割の経験を証明する資料を提出する場合は、A4用紙3ページ以内(およそ 5,000字以内)で具体的な経験内容を本人が説明する文章を添付します。活動内容を示す資料(広報等)があればコピーを添付します。

※学内外における研究発表会・コンテストなどにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する資料を提出する場合は、以下の情報について記載した資料を提出します。

  ・参加したコンテストの名称、参加年度

  ・学内外の研究会やコンテストにおける成績(個人かチームかについて明記しま  す)

  参加、成績等の証明書が存在する場合にはそのコピーを添付します。このほかに、学業や研究活動に対して表彰(都道府県レベル以上)を受けた場合は、受賞内容を記載した資料と、証明書のコピーを添付します。

  ・語学力については、英検、TOEFL、IELTSなどの成績を示す書類を添付しま   す。

②第2次選考:面接

第1次選考の合格者に対し、第2次選考では面接が行われます。

面接では、高等学校等からの提出書類、資料に記載された能力や経験を確認するためのプレゼンテーションが課されます。プレゼンテーションの内容や能力の確認のための質疑応答が行われ、適性が判断されます。

面接では、パワーポイントファイルを投影し、それを使って高等学校等在学中に行った自然科学・健康科学・人文科学等に関連した活動と大学入学後の抱負について10分程度でプレゼンテーションをします。そのため、事前にプレゼンテーションで使用するパワーポイントファイルを作成し、提出する必要があります。パワーポイントファイル及びプレゼンテーションの使用言語は、原則として日本語ですが、英語も使用できます。グループで行った活動の場合は、本人の貢献した部分が明確になるように説明します。

また、出願時に発表の概略をA4用紙5ページ以内で説明したものを提出する必要があります。

③大学入学共通テスト

大学入学共通テストのうち、医学部が指定する教科・科目の全てを受験する必要があります。指定された教科・科目を一つでも受験していない場合、合格者にはなりませんので注意が必要です。なお、大学入学共通テストは、入学後の学修を円滑に行い得る基礎学力を有しているかどうかを判断する観点から、概ね8割以上の得点であることを目安とします。

医学部が指定する教科・科目は以下のとおりです。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は 

医学科 3名程度、健康総合科学科 2名程度 です。

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
医学科83.33.8
健康総合科学科314

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、東京大学医学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

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