上智大学総合人間科学部の総合型選抜入試の倍率や過去問を紹介

関東の私立難関大学のひとつ、上智大学。

上智大学は1913年、当時のローマ教皇ピウス十世の命を受けた3人のイエズス会神父によって創立されました。開学以来、国や言語、学問の境界線を越え、キリスト教ヒューマニズムに基づく教育を展開してきました。キリスト教ヒューマニズムとは、「自分の才能や学びの成果を他者のために役立てることが、人間としての成長につながる」という考え方です。不確実で変化の激しい世界で、自分が生きる現実を直視しながら、よりよい世界を目指し、他者に寄り添い協働できる人―持続可能な未来のために、For Others, With Othersを実践できる人を育てることを目指しています。

上智大学の各学部学科には、個々の分野の専門性をじっくりと養うことができる体制が整備されています。四谷キャンパスに人文科学系・理工学系の9学部29学科すべてが集結する「小さな総合大学」だから実現できる、他学部他学科との連携による学際的、横断的なアプローチで、自身の専門分野をさまざまな角度から深めていくことができます。

総合人間科学部は、教育学科、心理学科、社会学科、社会福祉学科、看護学科の5つの学科で構成されています。これらの学科はいずれも人間および人間が構成する社会を研究対象としており、人間と社会が抱える問題の解明とその解決を目指しています。「ヒューマン・サイエンス(科学の知)」「ポリシー・マネジメント(政策・運営の知)」「ヒューマン・ケア(臨床の知)」という「知の3本柱」を核として、人間の尊厳実現のために学校や病院、企業、地域などで、人を支え貢献できる人、ソーシャル・イノベーションを担うことができる人を育成しています。

この記事では、そんな上智大学総合人間科学部の総合型選抜入試について詳細を解説したいと思います!

◆上智大学総合人間科学部の総合型選抜入試の名称

上智大学総合人間科学部の総合型選抜入試は、「推薦入学試験(公募制)」という名称で募集がなされています。

◆上智大学総合人間科学部のアドミッションポリシー

各大学学部のアドミッションポリシーは必ず読みましょう。大学側がどのような人材を求めているのかを把握し、そのための準備ができているかどうか自分を省みて試験対策をおこなっていく必要があります。

上智大学の公式ホームページにはこのように書いてあります。

(公式HPより抜粋)

人間の尊厳とは何かを理解しその実現に向けて、教育、医療、福祉、さらには日々の生活の中で実践できる人材の養成を目指している総合人間科学部では、以下のような学生を受け入れています。

1.個人や社会、さらには諸外国で起きている人間の尊厳に関わるさまざまな事象に対して強い関心を持っている。

2.それらの事象を論理的かつ客観的に分析し表現するために必要な基礎的な知識と能力を持っている。

3.コミュニケーション能力を高め、他の専門領域の人々とも積極的に協働すること ができる。

4.困難な状況にある個人や地域社会を支援し、国際社会の発展に貢献したいとい う意欲に満ちている。

公式HPのURL:

◆出願条件・日程

上智大学総合人間科学部の総合型選抜入試には出願条件に制約があります。

・出願期間:  2024年11月1日(金) 10:00 ~ 11月7日(木) 23:59

・試験日:      11月30日(土)

・合格発表日:    12月12日(木)午前10時

出願資格は以下のとおりです。

また、「自己推薦書」や「レポート等特定課題」などの書類も作成して提出する必要があります。

詳細は入試要項を確認してください。

◆試験内容

出願書類による書類審査と、「学科試問」、「面接」によって総合的に判断され、合否が決定します。

①書類審査

②学科試問

③面接

①書類審査

出願書類の中でも、「自己推薦書」と「レポート等特定課題」は、自身をアピールする書類として重要ですので入念に準備しましょう。

「自己推薦書」には、「志望動機」、「学力」、「学業成績以外の卓越した能力」、「課外活動・社会活動の実績」、「特技」等を記述します。A4サイズ1枚以内、写真や図などは使用せず、文章のみで作成します。

2025年度入試の各学科の「レポート等特定課題」は以下のとおりです。

【教育学科】

以下の指定図書のうち、いずれか一冊を選んで読み、本の内容の要約と内容に基づいて自ら考えたことを記述します。字数はA4用紙2000字程度、横書きで、PC入力・手書き両方可です。

<指定図書>

・アマルティア・セン、2006年 『人間の安全保障』 東郷えりか 訳、集英社

・木村元、2015年 『学校の戦後史』 岩波新書

【心理学科】

「自分にとって心理学を学ぶことの意味」について記述します。字数はA4用紙1枚(1200字程度、40字×30行)横書き、横書き原稿用紙の場合は400字詰3枚程度です。PC入力・手書き両方可です。

【社会学科】

自身の関心のあるテーマについて書かれた社会学者の本(何冊でも可。ただし、著者、書名等を明記すること)を読み、その内容に適宜言及しながら、自身が社会学で何を、なぜ、どのように学びたいかについて記述します。字数はA4用紙2枚程度・横書きで、PC入力・手書き両方可です。

【社会福祉学科】

現代において社会福祉の果たす役割が重要になっている理由についてまとめ、自身の考えを記述します。 なお、その時に参考にした社会福祉についての専門的文献を明記します。字数はA4用紙3000字程度・横書きで、PC入力のみ可です。

また、面接試験では、提出したレポートについてのプレゼンテーション(3分以内)と、その内 容に関する質疑応答が行なわれます。プレゼンテーションは模造紙サイズ1枚程度にまとめた資料を提示しながら行ない、その資料は面接試験後に提出する必要があります。それを踏まえたうえでレポートを作成しましょう。

【看護学科】

以下の2つについて、レポートを作成して提出する必要があります。

①1日看護体験や病院でのボランティア活動に類する体験を実施し、そこからのあなたの学びついて述べなさい。

②新聞に掲載された看護に関連する記事を素材として用い、社会にある医療・看護の問題や課題について文献を使用してまとめ、あなたの考えを述べなさい。

字数は、①と②それぞれA4用紙2枚(2000字程度)・横書きで、PC入力のみ可です。

②学科試問

学科試問の内容は学科によって異なります。それぞれの学科の学科試問の内容は以下のとおりです。

【教育学科】

教育に関する小論文試験が行われます。試験時間は90分です。過去には、少子高齢化が学校教育にもたらす影響や、移民・難民の受け入れと教育処遇を巡る問題について、自身の考えを記述させる問題が出題されています。日頃から新聞やニュースなどで時事問題に触れ、教育との関連について自身の考えをまとめるようにするとよいでしょう。

【心理学科】

課題文に関する論述試験が行われます。試験時間は90分です。問題の内容は年度によって様々ですが、心理学に関する文章を読んだうえで、現代文の記述問題に類似した問題が多く出題される傾向があります。文章が長いため、速読する力が求められます。

【社会学科】

文章理解力、表現力、思考力についての試問が行われます。試験時間は60分です。文章を読んだうえで、設問に答えていく形式の試験です。

【社会福祉学科】

社会および社会福祉に関する理解力と思考力を問う試験が行われます。試験時間は90分です。グラフを読み取り解答する問題や、与えられた文章を読んだうえで設問に解答する形式など、年度によって出題形式が異なります。普段から社会問題に目を向けておくようにしましょう。また、社会保険や社会福祉、社会保障制度などについて、文献などに触れて知識を身につけておくとよいでしょう。

【看護学科】

小論文試験が行われます。試験時間は60分です。例年、課題文を読んだうえで自分自身の体験を交えながら記述させる問題が出題される傾向にあります。60分という試験時間の中で、与えられた文章を理解し、自身の考えを論理的に記述する力が求められます。

③面接

面接では志望理由や自己アピールなど、出願書類の内容について質問されることが想定されます。自身の言葉でわかりやすく説明できるよう、練習しましょう。

また、入学意欲が高いか、アドミッションポリシーに合致しているかについても問われます。アドミッションポリシーをしっかりと確認し、大学が求めている学生であることをアピールできるようにしましょう。

なお、社会福祉学科では、提出したレポートについてのプレゼンテーション(3分以内)と、その内容に関する質疑応答が行なわれます。プレゼンテーションは模造紙サイズ1枚程度にまとめた資料を提示しながら行ないます。使用した資料は面接試験後に提出する必要があります。

◆募集人員・倍率情報

募集人員は 

教育学科7名、心理学科12名、社会学科10名、社会福祉学科15名、看護学科20名 

です。

倍率は

2024年度入試2023年度入試2022年度入試
教育学科3.955.3
心理学科4.76.13.8
社会学科4.95.94.3
社会福祉学科2.11.92
看護学科1.62.32.6

出願条件が比較的易しいところに対し、倍率もそれほど高くないので、是非チャレンジしていただきたい入試です。

以上、上智大学総合人間科学部の総合型選抜入試についてご紹介しました。

オーソドックスな試験なだけに、面接で語る内容で差がつく可能性があります。

自分がどんな未来像を持っており、それはどのような原体験から生まれた理想で、その理想を実現するために今、そして大学で何を学ぶのか。

話の中からこのようなストーリーを感じられる受験生に、面接官は納得し、魅力を感じます。

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